老将ホジソンが繰り出す2つの策
クリスタル・パレスのロイ・ホジソン監督は、このホーム戦にあたり2つの策を講じてきた。前からのプレッシングと敵のビルドアップ封じである。実際、リバプールは立ち上がりから前での圧力に悩まされた。また4-4-2でワイドに開くパレスのSHにフタをされ、リバプールの両SBはいつもの高く張り出すビルドアップを実行できない。
それでも苦しめられたリバプールは2つのカウンターからキッチリ2点を取り、完封で勝ち切るあたりはさすが。内容が悪いながらも勝つ。それがプレミアのトップ6と下位との違いなのだろう。
リバプールのフォーメーションはおなじみの4-1-2-3。スタメンも前節の開幕戦とまったく同じだ。GKがローマから新加入のブラジル代表アリソン・ベッカー。最終ラインは右からアーノルド、ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン。
中盤3センターはアンカーにワイナルドゥム、右インサイドMFはミルナー、左インサイドMFはRBライプツィヒから新加入のギニア代表ケイタ。3トップは昨季得点王のサラーと偽9番のフィルミーノ、セネガル代表のマネである。
さてホジソン監督が取ったプランAにより、この試合は攻守がめまぐるしく入れ替わるテンポの速い立ち上がりになった。
パレスが前からプレッシングしてくるため、ゲーゲンプレッシングが売り物のはずのリバプールはボールを失うとリトリートし、ミドルサードに4-4-2のブロックを作った。クロップ監督がひねり出したプランBだ。左WGのマネが1列下がり4-4のゾーン設定に加わっている。以後、リバプールはこのブロック守備とハイプレスを併用することになった。
それを見たパレスはすかさず相手ボールになれば、自陣にリトリートして4-4-2のブロックを作るようになる。プランCである。こんなふうにこの試合は、ホジソンとクロップによる狸と狐の化かし合いが刺激的だった。
ビルドアップを封じられたリバプール
前半15分以降、自陣に引いたパレスがリバプールにボールを持たせ、カウンターを狙う展開になる。ボールを保持するリバプールは右インサイドハーフのミルナーがポジションチェンジしたり、CBとSBの間に下りてきたりするが、SBの上がりを封じられてビルドアップがうまく行かない。
次第にリバプールは、パレスの守備ブロックの外側をUの字型にボールを回すだけになる。どうしてもブロックの中に入って行けない。悪い兆候だ。
前半24分にはケイタのバックパスのミスから、パレスにシュートまで持って行かれる。あのバーを叩いた一発がもし入っていれば、試合はどうなっていたかわからなかった。
だが結局、先制したのはリバプールだった。前半45分だ。ゴール前でDFを背負いボールキープしたサラーが足を引っ掛けられてPK。決めたのはミルナーだ。リバプールは苦しめられているだけに、このPKはまさに天の助けだ。
続く後半48分には、マネが決めた。パレスのCK崩れから、カウンターでサラーがマネにパス。するとパレス陣内には無人の広大なスペースが広がっている。完全にスペースに抜け出したマネがドリブルで追いすがるマーカーの軌道にうまく入って走るコースを遮り、最後はボールをゴールに沈めた。
リバプールはいつものスペクタクルな「自分たちのサッカー」はできなかったが、強引にパワーで押し切った。強者の証だ。ただしパレスが見せたリバプールのSB封じは他チームの参考にもなるだろう。シーズンはまだ長い。リバプールは今後、どんな対抗措置を取ってくるのだろうか。
クリスタル・パレスのロイ・ホジソン監督は、このホーム戦にあたり2つの策を講じてきた。前からのプレッシングと敵のビルドアップ封じである。実際、リバプールは立ち上がりから前での圧力に悩まされた。また4-4-2でワイドに開くパレスのSHにフタをされ、リバプールの両SBはいつもの高く張り出すビルドアップを実行できない。
それでも苦しめられたリバプールは2つのカウンターからキッチリ2点を取り、完封で勝ち切るあたりはさすが。内容が悪いながらも勝つ。それがプレミアのトップ6と下位との違いなのだろう。
リバプールのフォーメーションはおなじみの4-1-2-3。スタメンも前節の開幕戦とまったく同じだ。GKがローマから新加入のブラジル代表アリソン・ベッカー。最終ラインは右からアーノルド、ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン。
中盤3センターはアンカーにワイナルドゥム、右インサイドMFはミルナー、左インサイドMFはRBライプツィヒから新加入のギニア代表ケイタ。3トップは昨季得点王のサラーと偽9番のフィルミーノ、セネガル代表のマネである。
さてホジソン監督が取ったプランAにより、この試合は攻守がめまぐるしく入れ替わるテンポの速い立ち上がりになった。
パレスが前からプレッシングしてくるため、ゲーゲンプレッシングが売り物のはずのリバプールはボールを失うとリトリートし、ミドルサードに4-4-2のブロックを作った。クロップ監督がひねり出したプランBだ。左WGのマネが1列下がり4-4のゾーン設定に加わっている。以後、リバプールはこのブロック守備とハイプレスを併用することになった。
それを見たパレスはすかさず相手ボールになれば、自陣にリトリートして4-4-2のブロックを作るようになる。プランCである。こんなふうにこの試合は、ホジソンとクロップによる狸と狐の化かし合いが刺激的だった。
ビルドアップを封じられたリバプール
前半15分以降、自陣に引いたパレスがリバプールにボールを持たせ、カウンターを狙う展開になる。ボールを保持するリバプールは右インサイドハーフのミルナーがポジションチェンジしたり、CBとSBの間に下りてきたりするが、SBの上がりを封じられてビルドアップがうまく行かない。
次第にリバプールは、パレスの守備ブロックの外側をUの字型にボールを回すだけになる。どうしてもブロックの中に入って行けない。悪い兆候だ。
前半24分にはケイタのバックパスのミスから、パレスにシュートまで持って行かれる。あのバーを叩いた一発がもし入っていれば、試合はどうなっていたかわからなかった。
だが結局、先制したのはリバプールだった。前半45分だ。ゴール前でDFを背負いボールキープしたサラーが足を引っ掛けられてPK。決めたのはミルナーだ。リバプールは苦しめられているだけに、このPKはまさに天の助けだ。
続く後半48分には、マネが決めた。パレスのCK崩れから、カウンターでサラーがマネにパス。するとパレス陣内には無人の広大なスペースが広がっている。完全にスペースに抜け出したマネがドリブルで追いすがるマーカーの軌道にうまく入って走るコースを遮り、最後はボールをゴールに沈めた。
リバプールはいつものスペクタクルな「自分たちのサッカー」はできなかったが、強引にパワーで押し切った。強者の証だ。ただしパレスが見せたリバプールのSB封じは他チームの参考にもなるだろう。シーズンはまだ長い。リバプールは今後、どんな対抗措置を取ってくるのだろうか。