すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【セリエA 18/19 第1節】王者ユーべ、薄氷の逃げ切り 〜キエーボ 2-3 ユベントス

2018-08-19 13:44:43 | その他の欧州サッカー
キエーボが攻撃サッカーで立ち向かう

 クリスティアーノ・ロナウドを迎えて8連覇を狙うユベントスが、昨季13位に終わったキエーボの追撃を辛くも振り切った。ユベントスは前半3分にFKから早くも先制。あわやゴールショーか? と思われたが、まさかのシーソーゲームに。最後はアディショナルタイムに途中出場のベルナルデスキがアレックス・サンドロからのセンタリングを右足で合わせ、一時はキエーボにリードされる展開にやっと幕を下ろした。

 ユベントスのフォーメーションは4-2-3-1。スタメンはGKがシュチェスニー。右からカンセロ、ボヌッチ、キエッリーニ、サンドロの4バックに、セントラルMFはケディラとピャニッチのコンビ。攻撃的な2列目は右からクアドラード、ディバラ、ドウグラス・コスタ。ワントップはクリスティアーノ・ロナウドだ。

 ユベントスは特にスペクタクルなサッカーではないものの、サイドをうまく使いながら押し上げて行く。ビルドアップでは両SBを高く上げ、2CBの間にMFピャニッチが時おり下りる。特に左SBのアレックス・サンドロはかなり攻撃的だ。そして逆に押し込まれるとデイフェンディングサードに丁寧に4-4のブロックを作る。

 ロナウドは前に張りっ放しではなく、左右両サイドの中盤に下りるなど幅広く動く。またアンカー的なピャニッチは非常によく利いており、多くのボールが彼を経由する。ビルドアップからボールの散らしまで、精力的に営業するユベントスの心臓部だ。

 一方、格下のキエーボはずっと引いているわけでも何でもなく、積極的にラインを高くして攻撃的に押し込んで行く。マイボールになればビルドアップしながら前の5人がプッシュアップして敵陣になだれ込み、たいてい3人がボックス内まで侵入する。逆にネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)も速く、なかなかいいチームだ。

ロナウドのシュートはすべて枠へ行くがノーゴール

 試合はいきなり前半3分に動いた。ユベントスだ。右からのFKをファーでキエッリーニが頭で落とし、ケディラがダイレクトで決めて先制した。ところがキエーボが前半38分に、左サイドからのプラスのクロスをステピンスキがきれいに頭で左スミに沈めて同点に追いつく。1-1で折り返しだ。

 後半に入ると、11分に今度はキエーボのジャッケリーニがもらったPKを自分で決めてついに1点リードする。2-1としたキエーボは、ボールを失った局面でリトリートするタイミングを次第に速くする。逃げ切りを見たうまい試合運びだ。これで自陣にきれいな4-4-2のブロックを作り敵を待ち受ける作戦である。

 ところがそんなキエーボの野望は木っ端微塵に打ち砕かれた。後半30分、ユベントスが右CKで発生した中央での混戦からキエーボのオウンゴールで2-2に追いついたのだ。息詰まる攻防である。

 主役のロナウドはといえば、抑えたシュートがことごとくきれいにワクへ行くがキエーボの好守に阻まれる。

 引き分けかと思われた後半48分。貴重なアディショナルタイムにユベントスのサンドロが左サイドでのドリブルから速い折り返しを入れ、中央でベルナルデスキが右足を一閃。すんでのところで王者ユーべが突き放した。どちらが勝っていてもおかしくはない好ゲームだった。

 もつれても勝ち切るユベントスはさすが。8連覇に向け静かにエンジンが動き始めた。一方のキエーボも好守の切り替えが速い攻撃サッカーで今後の健闘を誓う。ロナウドのユーべ移籍で嵐を呼んだ今シーズンのセリエAは熱くなりそうだ。

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