徳島はビルドアップを壊された
ビルドアップに迷いがある徳島ヴォルティスの最終ラインに対し、柏レイソルが容赦なくハイプレスをかけてボールを刈り取った。
徳島はダニエル・ポヤトス監督が就任する3節前までは、ハイライン・ハイプレスでいいサッカーをしていたが……。新監督はどんなサッカーを志向しているのか、よく見えない。
試合の途中で徳島の左SBジエゴがベンチの監督に何か言っていた。もしかしたら監督とのコミュニケーションがうまく行ってないのだろうか? 徳島が心配だ。
柏は日本代表の江坂任に注目だ
徳島のフォーメーションは4-2-3-1である。スタメンはGKが上福元。最終ラインは右から岸本、鈴木大誠、福岡、ジエゴ。
セントラルMFは岩尾と藤田譲瑠チマ。2列目は右から杉森、宮代、藤原。ワントップは垣田だ。
一方、柏のフォーメーションは3-4-2-1。この日も1ゴールを上げた、日本代表に選ばれている江坂任が注目の選手だ。関係ないが柏の選手はイケメンが多い。
徳島のバックパスをプレスが襲う
ボールを保持した徳島の中盤はプレスを受けると、こわがってすぐバックパスしてしまう。ボールを下げて最終ラインで回そうとする。これに柏が、待ってましたとばかりに狙いのハイプレスをかける。飛んで火にいる夏の虫だ。
この展開がえんえんと90分間続いた。
その徳島のポゼッション率はなんと66%だ。ポゼッション率がそれだけあれば、ふつう勝っていそうなものだが。要はいかに徳島は最終ラインで意味もなくムダにボールを持たされていたか? という結果である。
一方、柏は中を締めた守備が非常にタイトですばらしく、万一、徳島にボールを渡してもまったく危なげない。特にセントラルMFの仲間が守備に非常に効いている。いい選手だ。
チーム全体のゲームモデルといい、選手個々の質といい、さすが名将ネルシーニョが丹精込めて作り上げたチームだけのことはある。そんな彼らが12位にいるというのは不思議だ。開幕ダッシュに失敗したからだが、彼らならいまからでも遅くない。勝負はこれからだ。
徳島はロングボールで敵を下げさせるべき
ではそんな柏に対し、徳島はどうプレイすべきだったのか? 徳島は最終ラインでプレスを受けたら、例えばいったんロングボールを入れて相手のゾーンを下げさせるなどの対策を取るべきだった。
にもかかわらず真っ正直にバックパスしてはプレスを受けるのでは、敵が刀を構えるところに首を差し出すようなものである。これではどんなチームでも勝てないだろう。
あるいは背後にマークがついていても、例えばその選手の足元にボールを当ててそれをダイレクトで落とす、そしてボールをサイドに開く、などのトライもすべきだった。とにかくボールを動かすことだ。
にもかかわらず、この日のように後ろ向きのパスばかりではどうしようもない。
一時期、Jリーグではバックパスが疫病のように流行ったが、いまではすっかり収まっている。つまりJ2から昇格したばかりの徳島は、いわば時代に遅れているのだ。このやっかいなバックパス癖から脱出する必要がある。
万一、このバックパスが新監督の指示なのだとしたら……問題を早期に除去すべきだろう。
江坂と呉屋が光った柏の1点目
そんなこの日の展開が象徴的だったのは、柏の1点目のゴールだった。あの得点劇にこの試合のエッセンスがすべて凝縮されている。
まず徳島のビルドアップに対し、柏が激しくプレスをかけて押し上げてきた。
そして江坂がペナルティエリア付近で徳島のパスを巧妙にカットし、左へパス。それに呼応した呉屋がエネルギッシュに左足を振り抜き見事にシュートを決めた。
こんなふうに徳島は柏のプレッシングを受けながら、よりによって最大の危険地帯である最終ラインでボールを無理やり回そうとした。
5-1の敗戦はその結果だ。
なにごとも経験である。徳島はこの試合をよく分析し、ぜひ今後に生かしてほしい。
ビルドアップに迷いがある徳島ヴォルティスの最終ラインに対し、柏レイソルが容赦なくハイプレスをかけてボールを刈り取った。
徳島はダニエル・ポヤトス監督が就任する3節前までは、ハイライン・ハイプレスでいいサッカーをしていたが……。新監督はどんなサッカーを志向しているのか、よく見えない。
試合の途中で徳島の左SBジエゴがベンチの監督に何か言っていた。もしかしたら監督とのコミュニケーションがうまく行ってないのだろうか? 徳島が心配だ。
柏は日本代表の江坂任に注目だ
徳島のフォーメーションは4-2-3-1である。スタメンはGKが上福元。最終ラインは右から岸本、鈴木大誠、福岡、ジエゴ。
セントラルMFは岩尾と藤田譲瑠チマ。2列目は右から杉森、宮代、藤原。ワントップは垣田だ。
一方、柏のフォーメーションは3-4-2-1。この日も1ゴールを上げた、日本代表に選ばれている江坂任が注目の選手だ。関係ないが柏の選手はイケメンが多い。
徳島のバックパスをプレスが襲う
ボールを保持した徳島の中盤はプレスを受けると、こわがってすぐバックパスしてしまう。ボールを下げて最終ラインで回そうとする。これに柏が、待ってましたとばかりに狙いのハイプレスをかける。飛んで火にいる夏の虫だ。
この展開がえんえんと90分間続いた。
その徳島のポゼッション率はなんと66%だ。ポゼッション率がそれだけあれば、ふつう勝っていそうなものだが。要はいかに徳島は最終ラインで意味もなくムダにボールを持たされていたか? という結果である。
一方、柏は中を締めた守備が非常にタイトですばらしく、万一、徳島にボールを渡してもまったく危なげない。特にセントラルMFの仲間が守備に非常に効いている。いい選手だ。
チーム全体のゲームモデルといい、選手個々の質といい、さすが名将ネルシーニョが丹精込めて作り上げたチームだけのことはある。そんな彼らが12位にいるというのは不思議だ。開幕ダッシュに失敗したからだが、彼らならいまからでも遅くない。勝負はこれからだ。
徳島はロングボールで敵を下げさせるべき
ではそんな柏に対し、徳島はどうプレイすべきだったのか? 徳島は最終ラインでプレスを受けたら、例えばいったんロングボールを入れて相手のゾーンを下げさせるなどの対策を取るべきだった。
にもかかわらず真っ正直にバックパスしてはプレスを受けるのでは、敵が刀を構えるところに首を差し出すようなものである。これではどんなチームでも勝てないだろう。
あるいは背後にマークがついていても、例えばその選手の足元にボールを当ててそれをダイレクトで落とす、そしてボールをサイドに開く、などのトライもすべきだった。とにかくボールを動かすことだ。
にもかかわらず、この日のように後ろ向きのパスばかりではどうしようもない。
一時期、Jリーグではバックパスが疫病のように流行ったが、いまではすっかり収まっている。つまりJ2から昇格したばかりの徳島は、いわば時代に遅れているのだ。このやっかいなバックパス癖から脱出する必要がある。
万一、このバックパスが新監督の指示なのだとしたら……問題を早期に除去すべきだろう。
江坂と呉屋が光った柏の1点目
そんなこの日の展開が象徴的だったのは、柏の1点目のゴールだった。あの得点劇にこの試合のエッセンスがすべて凝縮されている。
まず徳島のビルドアップに対し、柏が激しくプレスをかけて押し上げてきた。
そして江坂がペナルティエリア付近で徳島のパスを巧妙にカットし、左へパス。それに呼応した呉屋がエネルギッシュに左足を振り抜き見事にシュートを決めた。
こんなふうに徳島は柏のプレッシングを受けながら、よりによって最大の危険地帯である最終ラインでボールを無理やり回そうとした。
5-1の敗戦はその結果だ。
なにごとも経験である。徳島はこの試合をよく分析し、ぜひ今後に生かしてほしい。