まつお文庫からのご案内

仙台市若林区中倉3-16-8にある家庭文庫です。水・土の3時~6時(第2土は休み)どなたでも利用できます(無料)。

寄贈本・新しく買った本 12月

2017-11-29 16:22:27 | 文庫のページ
寄贈本  ありがとうございます。
◆長野ヒデ子さんからいただきました。
『まんまん ぱっ』 長野麻子さく 長野ヒデ子え 童心社 2016
 赤ちゃん絵本です。お嬢さんの麻子さんと一緒の絵本の2冊目です。声に出して赤ちゃんに読んであげたくなります。明るいパステルで描かれる長野さんの絵はあたたかく、元気がもらえます。
◆中川千尋さんからいただきました。
『まほろ姫とにじ色の水晶玉』 なかがわちひろ 偕成社 2017.12
 まほろ姫の物語の2冊目です。茶々丸(タヌキ)のお母さんに育てられたまほろ姫はカシワの葉っぱを頭にのせて呪文を唱えると、タヌキのように化けることができます。そんなまほろ姫と茶々丸の話。
 天狗や雪女や雪ん子も登場します。都からやって来た絵師、雲風先生の描いた春の絵にだれかが墨をこぼしてしまいます。まほろ姫と茶々丸の活躍が楽しめます。さし絵も中川さんが描いています。テンポよく進む物語にぴったりの楽しい絵です。
新しく買った本
①『さかさまライオン』 内田麟太郎/長新太 童心社 1985.9
 ライオンとそのライオンの影の話。ライオンから逃げたいと思っていた影は、ある晩、思いがけずライオンから自由になることができて喜ぶのですが、影を失くしたライオンは威厳をなくし、元気がない。見るに見かねた影は自分からライオンにくっつき、こんどは影が主導権を握るというナンセンスな話。影に引っ張られてうしろに走り出すライオンの表情がなんとも愉快です。
 内田さんの初めての絵本で、にっぽん絵本賞を受賞しています。
②新イラスト版『だれも知らない小さな国』
③新イラスト版『豆つぶほどの小さないぬ』
④新イラスト版『星からおちた小さな人』
 佐藤さとる/村上勉 講談社 2015
 村上さんがコロボックルシリーズの最初の3巻のさし絵を新しく描きなおして2015年に出版になりました。8月のレンゲの会でコロボックルシリーズを取りあげた時に初めて知り、早速購入しました。本の大きさも一回り小さくコンパクトになり、文字も読みやすく、白地にたくさんのコロボックルたちがカラーで描かれている表紙は美しく、ていねいに描きこまれたさし絵も素晴らしく、これなら高学年の子どもたちに紹介できそうでうれしくなりました。
 1巻目は1959年の出版で、60年近く前になりますが、小山に住むコロボックルたちが自分たちの味方になってくれる人を長い時間かけて探し、やっとコロボックルとせいたかさんが対面するところは感動的です。
 2巻目は3センチ2ミリの小さな人たちがどんな風に暮らしているかを知ることができ、興味深いです。自分たちより小さなマメイヌを探す物語です。
 そして3巻目では人間の男の子に拾われた仲間のコロボックルをどうやって助け出すか、みんなで力を合わせる物語です。シリーズは6巻まで続きます。
⑤⑥『河童のユウタの冒険』上下 齋藤惇夫/金井田英津子 福音館書店 2017.4
 北国の湖に住む河童のユウタが、那須野に住む九尾の狐の孫娘アカネと山に住む天狗のハヤテとともに、河口から龍川の水源を目指す長い旅の物語。上下合わせて800ページの物語です。
 目的を知らされず旅に出た3人でしたが、昔からの言い伝えで、この旅のことは鳥や獣たち生きとし生ける者たちの中では語りつがれてきたものだったことを知っていきます。だからユウタたちの旅を鳥も獣たちもみな喜び、3人のためにどんな援助も惜しもうとしません。おかげで3人は水源までたどりつくことができます。
 河童も天狗もいないと思われている現代に、自然破壊が進み、動物たちがすみかを追われどんどん山奥に追いやられている現代に、まだまだ河童や天狗や魔法は生きているということを感じさせてくれる豊かな物語です。「いやいや、……河童は、今もちゃんと川や沼に住んでいる」といったのは瀬田貞二さんでした(『児童百科事典』平凡社 の「河童」の項で)。
 38年前、病院のベッドで瀬田さんが「日本最後の天狗や河童が活躍する話を書こうと思ったがもう書けない。このアイディアは斉藤さんに譲る」と言った、その言葉を受けて斎藤さんが長い時間をかけて書き上げたのがこの作品です。作品の中に河童の存在を信じるおじいさんが登場しますが、そのおじいさんは瀬田さんをモデルにしています。金井田さんの描くおじいさんの顔は紛れもなく瀬田貞二さんです。河童や天狗や九尾の狐だけでなく瀬田さんにも出会える物語です。金井田さんの版画も力強く、素晴らしいです。
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40周年行事の報告②

2017-11-29 15:12:05 | 文庫のページ
   11月11日(土) 内田麟太郎さんの講演会を終えて
                          参加者42名
(中学生1・大人41名)
 今回もたくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました。 
 中学1年生のゆき君が、春日部市からお母さんと一緒に参加してくれました。1歳半の時に内田さんの絵本『えんまとおっかさん』が大のお気に入りでした。参加してくれてありがとう。
 富山からも、かつての仲間が駆けつけてくださって、うれしい再会をいっぱいいただきました。
 パンフレットを作成しながら、内田さんの作品の多さに改めて驚いています。内田さんから寄贈していただいた本だけでも文庫には100冊以上ありました。内田さんが子どもの本の世界に入ったのは1977年頃。私が文庫を始めた頃と同じで、40年になるとのことですが、多い時には1年間に10冊以上も出版しています。すごいエネルギーですね。
 子どもの本を書き始めたいきさつも、処女作『さかさまライオン』が長新太さんのさし絵で出版されたいきさつも、とても興味深いお話でした。西村繁男さんはじめ、たくさんの画家の方との出会いや絵本作りの様子も、女川町で震災にあった神田さんとの出会いで誕生した絵本『なみだはあふれるままに』についても、たくさん語っていただきました。継母の方との様々な葛藤、想いについても触れてくださいました。最後に、郷里、大牟田に内田さんの絵本美術館を作ろうという動きがあるといううれしいお話も伺いました。笑いの絶えない楽しい講演会でした。サイン会の後の囲む会にもたくさんの方が残ってくださって、楽しい時間を過ごしました。

   11月26日(日) アイリッシュハープのコンサートを終えて
                           参加者26名
(こども6、大人20名)
 パストラル・ハープ奏者の横山恭子さんをお招きして、アイリッシュハープの演奏をお聞きしました。ふだんは患者さんのベッドサイドで弾くことが多いそうです。ハープの柔らかなやさしい音色に包まれ、とても心地よい時間を過ごすことができました。アイルランドの音楽の持つ独特の調べも美しく、心に残りました。
 「ウェールズの子守歌」「アメイジング・グレイス」「庭の千草」、アイリッシュ音楽から「南の風」「フォギーデュー」、「赤とんぼ」などを演奏していただきました。小さなハープを2台お持ちくださったので、最後は3人の子どもたちが「キラキラ星」の演奏に挑戦しました。大人もハープに触れるという貴重な体験をさせていただきました。肩に感じたハープの重みと、木の持つやさしいぬくもりが心地よかったです。
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12月・1月の文庫の日 12月の行事おしらせ

2017-11-29 14:12:21 | 文庫のページ
12月2日(土)
 秋の特別おはなし会
 3:30 子どもの語り
 4:00 大人の語り

12月6日(水)
 3:30 おはなし「だめといわれてひっこむな」 松尾
 4:00 おりがみ(クリスマスのリース)
12月9日(土)
   第2土曜日は
     文庫はお休みです

12月13日(水)
 3:30 おはなし「ルンペルシュティルツヒェン」 松尾
 4:00 おりがみ(ミニサンタ)
12月16日(土)
  クリスマス会
  そのあと本の貸出をします

12月20日(水)
 3:30 おはなし 「あるだんなさんとおかみさんの話」 松尾
 4:00 フェルトのハートのバッグ
12月23日(土)~1月6日(土)
   文庫の冬休み

1月10日(水)
 3:30 おはなし「白い家の老人」 松尾
 4:00 カルタ・すごろくであそぼう!
**12月20日(水)まで文庫をやっています。16日(土)と20日(水)は15冊まで借りることができます。来年は1月10日(水)から始めます。カルタやすごろくであそびましょう。コーヒー(大人)とミカンで新年のお祝いをします。お家の方もどうぞおいでください。

秋の特別おはなし会    12月2日(土)3:30~5:00
 子どもも大人も、初めての方も、だれでも語ることのできるおはなし会です。今回は東京・神奈川から来てくださる方、石巻から文庫を見学に来てくださる方など、思いがけずたくさんのお客さまをお迎えしてのおはなし会になります。
 子どもの部ではまだ一人しか申し込みがありませんが、これからでもかまいませんので、語ってくれる人がいたらうれしいです。大人の部では8人が語ります。どうぞお楽しみに。お家の方もどうぞ聞きに来てください。

・学校こわい(岡田淳)  4年 まえのなでしこ
・ねずみのすもう(日本の昔話)  今野夏絵
・じゅげむ(川端誠)       鈴谷輝秋
・鳥になった妹(ネパールの昔話) 武田節子
・マーシャとくま(ロシアの昔話)  佐藤真弓
・源五郎の天昇り(日本の昔話)  井元有里
・ボタンインコ(ファージョン)     汐﨑順子
・あかりの花(中国の昔話)     豊原みどり
・りこうなおきさき(ルーマニアの昔話)松尾福子

クリスマス会  12月16日(土)14:30~16:00
         *そのあと本の貸出をします。
・毎年恒例のキャンドルサービス
・おはなし「マッチうりの少女」
・紙芝居「ぐりとぐらのおきゃくさま」
・カード「クリスマスの12日」他
  *ささやかですがプレゼントも用意しています。どうぞお楽しみに‼
  クリスマスのプレゼントづくりをします。お時間があったらご協力ください。
   12月8日(金)・11日(月)10:30~14:30
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今月の詩 12月

2017-11-29 13:47:53 | 文庫のページ
     夕ぐれ
         みずかみかずよ

 おばあさんはきょうも
 こうえんのベンチで
 ひなたぼっこ
 いたずらっこのこがらしが
 うしろから てをのばしたのも
 しらないで……

 ハックション
 ブルルルル
 さあさあ かえろう ひがくれた
 やっこらこしをのばします

 ――さようなら
 ――またきてね
 みおくってくれたのは
 ゆれてる ブランコにこしかけた
 きいろい いちょうと
 あかい 夕日です
        (『いのち』石風社)
 
 庭のさざんかがたくさん花をつけています。寒くなってきましたね。暗くなるのも早くなりました。
 今月もみずかみかずよさんの詩を選びました。公園のベンチに座るおばあさんの姿が絵に描いたように豊かに想像できるすてきな詩です。
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