①『おちばのほん』 いわさゆうこ 文一総合出版2021.11
たくさんの木と葉っぱに出会える絵本です。116本の木と秋に衣替えをする草7種が取りあげられています。細部まで丁寧に描かれた色鮮やかな葉は美しく、思わず見とれてしまいます。燃えるように色づいた葉が並ぶ14,15ページは特に美しいです。一つ一つ名前が付いているので、どんな木の葉か知ることができます。
やがて地面に落ちた葉は雨や雪にさらされ、ダンゴムシやミミズの力も借りて長い時間をかけて土にかえっていく様子も紹介されています。落葉樹と違って、いつも緑の葉を茂らせている常緑樹も実は春に古い葉を落として、新しい葉に入れ替わることも教えてくれます。
ここに取りあげられた木や草、全てについて詳しい「解説」が最後に付いています。木と友だちになれる情報がいっぱいの絵本です。
②『きんいろのしか』バングラデシュの昔話
シャラール・アーメド案 石井桃子再話 秋野不矩画 福音館書店2022.4
福音館書店創立70周年記念・東京子ども図書館と共同企画「いま、この本をふたたび子どもの手に!」で復刊された8冊のうちの1冊です。初版は1968年。石井桃子さんの再話です。
金色に輝く鹿をわがものにしようとする欲深い王に、牛追いの男の子ホセンとともに立ち向うふしぎな金色の鹿の物語です。
王の家来に追われる金色の鹿を助けたため、ホセンは王の命令で3日以内に鹿を連れて戻るという困難な旅に出ることに。旅の途中で、苦しんでいる動物を助けるホセンに動物たちが恩返しをする場面は感動的です。最後、王の前で金色の鹿が踊り、蹄から飛び出した金の砂に埋もれてしまう王の姿は衝撃的です。
秋野不矩さんの絵は凛としたたたずまいと色づかいの美しさで心に残ります。
③『きょうりゅうレディ さいしょの女性古生物学者 メアリー・アニング』
リンダ・スキアース/マルタ・アルバレス・ミゲンス 前沢明枝訳 出版ワークス2021.7
200年前、家が貧しく学校にも行けず、でも化石に興味を持ち、手作りの「のみ」と「かなづち」で来る日も来る日も化石を探し、掘り続ける女の子がいました。1799年、地球上で最も化石探しに適した土地の一つ、イギリスのライムリージスに生まれたメアリー・アニングです。この絵本は化石の発掘と研究に情熱を燃やしたメアリー・アニングの伝記絵本です。
12才の頃、兄と一緒に巨大な頭の骨を見つけ、その後もひとりで掘り続け、一年後、体全体の化石を見つけます。それは誰も見たことのない恐竜の化石でした。29才の時には翼竜と呼ばれる先史時代の空飛ぶ爬虫類の化石を見つけます。彼女の発掘した化石によって古生物という学問が大きく前進するのですが、女性の古生物学者がまだ認められていない時代です。それでもあきらめず化石の発掘と研究に生涯を捧げる彼女の姿は感動的です。
④『園芸図鑑 花や野菜いっぱいの庭づくり』
さとうち藍/藤枝つう・佐野裕彦絵 福音館書店1996.4
初めて庭づくりに挑戦する人にとってうれしい入門書です。ページ数にして400ページ弱。分厚い本ですが、どのページにも絵があり、文章だけではわからないことも絵で理解できるようになっています。
第1章では絵本や児童書、一般書に出てくるすてきな庭の紹介があり、興味深いです。庭仕事に使う道具や土づくりから始まって、どんな庭にするか、どんな花を植えるか、一つ一つ基本から丁寧に教えてくれます。
岩手県で花や野菜の庭づくりを楽しむ著者の知識が盛りだくさんです。『庭には、理科も算数も社会も美術も、みんなごちゃ混ぜになったおもしろさがある」という著者の言葉にも納得できます。最後の「図鑑」には花が120以上、野菜や果物が40近く取りあげられ、詳しい解説が付いています。
たくさんの木と葉っぱに出会える絵本です。116本の木と秋に衣替えをする草7種が取りあげられています。細部まで丁寧に描かれた色鮮やかな葉は美しく、思わず見とれてしまいます。燃えるように色づいた葉が並ぶ14,15ページは特に美しいです。一つ一つ名前が付いているので、どんな木の葉か知ることができます。
やがて地面に落ちた葉は雨や雪にさらされ、ダンゴムシやミミズの力も借りて長い時間をかけて土にかえっていく様子も紹介されています。落葉樹と違って、いつも緑の葉を茂らせている常緑樹も実は春に古い葉を落として、新しい葉に入れ替わることも教えてくれます。
ここに取りあげられた木や草、全てについて詳しい「解説」が最後に付いています。木と友だちになれる情報がいっぱいの絵本です。
②『きんいろのしか』バングラデシュの昔話
シャラール・アーメド案 石井桃子再話 秋野不矩画 福音館書店2022.4
福音館書店創立70周年記念・東京子ども図書館と共同企画「いま、この本をふたたび子どもの手に!」で復刊された8冊のうちの1冊です。初版は1968年。石井桃子さんの再話です。
金色に輝く鹿をわがものにしようとする欲深い王に、牛追いの男の子ホセンとともに立ち向うふしぎな金色の鹿の物語です。
王の家来に追われる金色の鹿を助けたため、ホセンは王の命令で3日以内に鹿を連れて戻るという困難な旅に出ることに。旅の途中で、苦しんでいる動物を助けるホセンに動物たちが恩返しをする場面は感動的です。最後、王の前で金色の鹿が踊り、蹄から飛び出した金の砂に埋もれてしまう王の姿は衝撃的です。
秋野不矩さんの絵は凛としたたたずまいと色づかいの美しさで心に残ります。
③『きょうりゅうレディ さいしょの女性古生物学者 メアリー・アニング』
リンダ・スキアース/マルタ・アルバレス・ミゲンス 前沢明枝訳 出版ワークス2021.7
200年前、家が貧しく学校にも行けず、でも化石に興味を持ち、手作りの「のみ」と「かなづち」で来る日も来る日も化石を探し、掘り続ける女の子がいました。1799年、地球上で最も化石探しに適した土地の一つ、イギリスのライムリージスに生まれたメアリー・アニングです。この絵本は化石の発掘と研究に情熱を燃やしたメアリー・アニングの伝記絵本です。
12才の頃、兄と一緒に巨大な頭の骨を見つけ、その後もひとりで掘り続け、一年後、体全体の化石を見つけます。それは誰も見たことのない恐竜の化石でした。29才の時には翼竜と呼ばれる先史時代の空飛ぶ爬虫類の化石を見つけます。彼女の発掘した化石によって古生物という学問が大きく前進するのですが、女性の古生物学者がまだ認められていない時代です。それでもあきらめず化石の発掘と研究に生涯を捧げる彼女の姿は感動的です。
④『園芸図鑑 花や野菜いっぱいの庭づくり』
さとうち藍/藤枝つう・佐野裕彦絵 福音館書店1996.4
初めて庭づくりに挑戦する人にとってうれしい入門書です。ページ数にして400ページ弱。分厚い本ですが、どのページにも絵があり、文章だけではわからないことも絵で理解できるようになっています。
第1章では絵本や児童書、一般書に出てくるすてきな庭の紹介があり、興味深いです。庭仕事に使う道具や土づくりから始まって、どんな庭にするか、どんな花を植えるか、一つ一つ基本から丁寧に教えてくれます。
岩手県で花や野菜の庭づくりを楽しむ著者の知識が盛りだくさんです。『庭には、理科も算数も社会も美術も、みんなごちゃ混ぜになったおもしろさがある」という著者の言葉にも納得できます。最後の「図鑑」には花が120以上、野菜や果物が40近く取りあげられ、詳しい解説が付いています。