メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係

2009年03月03日 | メガヒヨの本棚・CD棚
メガヒヨの最近のブームは、『ハダカデバネズミ』。
アフリカに生息する、げっ歯目・ヤマアラシ亜目・デバネズミ科の動物。
地中にトンネルを掘り、女王・兵隊・働きネズミのコロニーを作り上げて集団で生活をしている。
哺乳類としては珍しい真社会性動物なのだ。

メガヒヨと彼らとの出会いは上野動物園だった。
コロニーごと展示されていたこのハダカデバネズミに、目が釘付けになってしまった。

「なんか毛がないし!歯が出てるし!!動かないし!!!(死んじゃってるの??)」

思えば動かない方々は「ふとん係」の任務を遂行されているだけだった。

このふとん係とは何か?
ハダカデバネズミ(以下、デバ)は、繁殖個体の女王様・王様、兵隊、働きデバのカーストに分かれているのだけれど、
ふとん係りは働きデバの任務の一つ。
生まれてほやほやの赤ちゃんを背中に乗せて、肉ぶとんで暖める係りなのである。
しかも彼らの上には女王様も一緒に乗っかる。
寝ているだけに見えるけれど、かなり辛そうなセクションかも知れない…。

辛いといえば、兵隊も辛い。
コロニーには度々、よそ者デバ、天敵など招かざる客が訪れる。
同じデバなら戦えばいいけれど、蛇などは立ち向かっても勝ち目はない。
そこでわが身を犠牲にして、自ら蛇の口にダイブするのだ。
蛇はデバを一匹食べればお腹いっぱいになるので、さっさと退散する。
涙ぐましい話だ…。

そんなこと言ってたら、王様も辛い。
王様は女王の求めに応じて、おつとめを果たす。
その度に体重の減少が数多く確認されている。身を削る辛い任務だ。
王様は女王1匹につき、1~3匹いるとのこと。ちょっとした逆ハーレム。
そんな彼らも女王交代の時には、次期女王に真っ先に殺されるらしい。
『王様』とは名ばかりである。

でもでも、一番辛いのは女王様かも知れない。
女王様は繁殖個体というだけでなく、管理職も兼ねている。
全長3kmに及ぶ巣を巡回し、さぼっているデバがいると威嚇をする。
しかもハチやアリと違って、女王は生まれつき女王という訳ではないので、常に下剋上の危機にさらされている。
ただ30年以上と寿命は長いので、彼女次第では長い在位期間を保つことが出来る。
理化学研究所の女王デバは、藤原紀香さんとタメ年との話だ

そんな興味深い動物、「ハダカデバネズミ」。
是非一度、動物園に会いにいってみることをお勧めしたい。
そしてこの本もどうぞ


ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)
吉田 重人,岡ノ谷 一夫
岩波書店

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