メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

Priscilla日本版観てきました・演出編第一幕(ネタバレあり)

2016年12月18日 | 国内エンタメ

さて。今回はぶっちゃけ意見満載の演出版。
あくまで個人の意見なので、異なった感想を否定する意図はないからね。

メガヒヨがBroadwayに通い出したころに色々教えて下さった方が言ってたっけ。
「ショーに不満を持ったのなら、責めるべきは演出家。役者には一切責任はない。彼らは言われたことをしているだけなのだから。」

言うまでもなく、日本版プリシラに出演されている役者さん全員は素晴らしい仕事をこなしている。
ただBroadway版を観ちゃったこのメガヒヨ。腹の底には違和感がうずまいている。
そう。責めるべきは演出家!! 良いことも悪いことも宮本亜門さんが背負うものなのだ。

あ、参考までに。
2011年に観たBroadway版の感想はコチラ→http://blog.goo.ne.jp/megahiyo1414/e/6b7a60404a8b450bcbb9afb267551a7e
このブログは「アホか!?」ってくらいにPriscilla関係の記事がいっぱいあるのでこれはあくまで氷山の一角。
右端にある検索バーでPriscillaって入れてこのブログ内で検索すると記事がこれでもかって出るので、興味ある方は読んでみてね!!

それじゃあ日本版の演出について感想を語るよ!!

第一幕

【♪THE OVERTURE】
Broadway版では、舞台の上にはでっかい口紅の模型が置かれ、幕にはその口紅で描かれたオーストラリア大陸の絵がありシドニー、アリス・スプリングの位置が示されていた。
しかし日本版にはこれらはナシ!!
緞帳にピンクのPriscillaのロゴがあるのみだった。まぁ仕方ないよね。一か月公演だし、緞帳って高いし。
そうそう。天井にはミラーボールもなかったよ。
幕が開くと、楽屋で鏡にむかうミッチが登場。フォトフレームを眺め、脇にはあのドレスがかかっている。

【♪IT'S RAINING MEN】
ディーバたちがフライングにて登場。日本の若手で最高ランクの歌姫たち。
ここで背景がシドニーの夜景で無かったのが本当に惜しい!!
あれでドラァグクィーン三人組が都会から砂漠へと旅立ったということが語られていたのに。予算が厳しくてもあれは残すべきだった。

RAINING MENの人数はBroadway版と変わりなし。衣装もだいたいのデザインは変わらないけど、黒の代わりに水色が加入。
で、アンサンブルの男性がみんな若くてかっこいい人ばかりなので、最後の人が上着を脱いだところで起こる笑いはなし。
(Broadway版では司祭役の恰幅のいい中年の役者さんが、ボンテージスタイルを披露していた。)

しょっぱなからミッチが登場したので、例の舞台上での早変わりは無し。

【♪WHAT'S LOVE GOT TO DO WITH IT?】
実際にいわゆるニューハーフショーなどで活躍をされているドラァグクィーンの大村俊介(SHUN)さん、オナン・スペルマーメイドさんがミス・アンダースタンディング役を務めている。
たぶんこのシーンが一番Broadway版に近いのでは? 客いじりもさすがに上手い!!

【♪I SAY A LITTLE PRAYER】
ここでガッカリなお知らせです。
Broadway版ではガウン姿で電話を取ったミッチ。
そう。Will Swenson氏は舞台上で生着替えを披露していた!! 『Boy from OZ』みたいでござるな。
しかし日本版では最初っから黒い衣装でありました。お着替えはなしにそのまま葬儀のシーンに直行。残念無念(笑)

【♪DON'T LEAVE ME THIS WAY】
陣内孝則さん演じるバーナデットが登場すると会場は拍手!!
ヒョウ柄ではないものの、ゴージャスな椅子に座っての登場は同じ。

弔問客の衣装もBroadway版と同じ。というかこれは世界を回っている衣装なのかも。
プログラムの稽古写真を見たけど、かなりぶかぶかな靴を履いてこのシーンを練習する役者さんがいた。
借り物衣装だとこういうことがあるので、大変なお仕事だと思う。

トランペットの葬儀のシーンは大幅な変更があった。
メガヒヨのお気に入りのバレリーナも登場するけど、あまりキャラが立ってない。
とても有能なダンサーさんなのに、なんでKyleくんと同じ振り付けをやってもらわないの!? 勿体ない!!

バーナデットの恋敵は意外な人物でしたってところは吉本っぽいノリで面白かったけど、このシーンはやっぱりバレエが見ものなので残念だった。
あ、バーナデットはクラッチバッグを持ってなく、小道具はハンカチだけ。
葬儀でのクラッチバッグ・ビンタ発祥の地である日本でこそ、あれを披露してほしかったのにな。

【♪MATERIAL GIRL】
装置がコインからお札になっている!!
観客はミッチとバーナデットのみで、中年ゲイカップルはおらず。
ゴンドラでアダム登場→ボーイズと過激なダンスという流れは変わってなかったけど、こちらも振付は大幅に変更。
というか全編にわたって振付は日本独自のもの。(でもところどころBroadway版をパクっている。)
もう、あの面白い振付を変えてしまうなんて何考えているのだろう!?
ボーイズの一人がバーナデットに絡んだり、その反応っぷりなど、振付だけで色々語られていたのに。

以前アルゼンチンのPriscillaに衝撃を受けたけど、まさか自分が母国で同じ目に遭うとは…。
アルゼンチンのPriscillaについてはコチラ

あ。一気飲みして泣き崩れるボーイズもなかったな。あれ好きだったのに。

【♪GO WEST】
このシーンではDIVAがそのままの赤いカツラで登場。
動きやすい様、ボトムがパンツ仕様になっているのが可愛い。
プリシラ号はヘッド部分のみ登場。
初日は「まさかこのままヘッド部分だけで終わるんじゃ…」とガクガクブルブルした(笑)

【♪HOLIDAY/LIKE A VIRGIN】
バーナデットがひき殺す三種の生き物。
カンガルーとテレタビーズは出たけど、コアラの亡骸は流れてこなかった。
初日はアクシデント?と思ったけど二回目もなかったので、「ぶつかったかも!?」の会話だけで終わらせるつもりかな。
(どっかからのクレームを恐れているのかも(笑))

【♪I SAY A LITTLE PRAYER (REPRISE)】
日本のプリシラ号には残念ながら屋根がないので、このシーンにはベンジーは登場しない。
あ、あと盆に載って回る仕様にはなってないので、急停車も左右の動きと役者さんの演技力にかかっている。
まぁこれについてはさほど問題なし。
ここで登場するDIVAは歩きだけど、先ほどのパンツではなくBroadwayと同じくスカートの裾を肩にかける仕様。
このスタイルは好きなので、日本でも見られて嬉しかったな。

【♪I LOVE THE NIGHT LIFE】
大幅な変更があったのがこのシーン。
町のボス、シャーリーは日本では一変、男たちにいじめられる掃除婦として登場。
初日に観た際にはびっくりした。「シャーリー、こんなになっちゃって…」という衝撃が強かった。
二回目にはいじめの描写がすこし抑え目になってた感じがしたのは、気のせいかな。
あまりにも暴力的なのは舞台の雰囲気が変わるし、それは二幕に取っとくべきだものね。

ひどい扱いを受けるシャーリーに「お嬢さん」と呼びかけ、元気づけるバーナデット。
みんなで楽しく踊るその後の展開はBroadway版はほぼ一緒。振付以外は。

この変更。アリ?ナシ?と考えたのだけど、アリなのではないかと自分は思った。
映画にもあったこのシーンはもう20年前の価値観。
女性だということに胡坐をかき、身だしなみに気を遣わないシャーリーに対して
「アナタのズタボロバッグに入っているのはタンポンだけ。なぜならそれしか入れるものが無いからよ。」と痛恨の一撃を放つバーナデット。

今ではセクシャル・マイノリティの地位も上がり、非モテ女子より華やかなトランスジェンダーの方が脚光を浴びる時代。
20年前は強者(町のボス・シャーリー)に弱者(ドラァグクィーン)が立ち向かう構図だったけど、弱者(非モテ)・強者(美人)と立場が逆になっているものね。

ここのシーンをいじった宮本亜門さんは心根がやさしい人なのだなと思った。

【♪TRUE COLORS】
心配していたバスの落書きは英語だった。
浅利さんが演出していたらきっと日本語だったかも(笑)

バスの横に転がっている漏斗の形をしたものは何だろうと思っていたら、プリシラ号の屋根に乗っかっているとされるハイヒールのヒール部分のようだった。
何せ屋根がないもので、上にヒールが乗っかっているというのは、映画や他国の舞台を観ていないと分からないのではないだろうか。

【♪SEMPRE LIBERA】
屋根のないプリシラ号。このシーンはどうなるのかと思っていたら、ヘッド部分の上にヒールを載せる仕組みで再現。
ヒールは前にせり出さないものの、フライングで登場するDIVAも含め大幅な変更はなし。
というかこの振付、オリジナルの人のクレジット出さないとパクリになっちゃうんじゃない!?

【♪COLOUR MY WORLD】
ノドの奥で「ビミョー」とつぶやいたのがこのシーン。
バスはピンクでなく、レインボーカラー。つまりはLGBTのシンボルカラーですな。
プリシラ号は砂漠の女王なんだから、ピンクでナンボだと思うのだけど。
確かアダムのセリフでバービー人形のキャンピングカーがプリシラ号とかいうのなかったっけ?

まぁ日本は一部の国と違いノンケの男性も普通にピンクは着るし、ピンク=ゲイより虹色にしちゃったほうが手っ取り早いと思ったのかな?
ともあれ、メガヒヨはLEDでキラキラ光るピンクのバスの方が好き。
Broadwayで輝いていたあの子は今どこにいるんだろう…。

あ、他の小さい変更点としては、バーナデットはペンキブラシダンサーに最後まで突っ込みを入れていたな。
バスの色(それにダサさ)に気を取られっぱなしだったけど。

【♪I WILL SURVIVE】
キャスト編にも書いたけど、アダムの一発芸はダブルキャストそれぞれ自分の個性を発揮できて良かったんじゃないかな。
まぁNickくんのジャンピングスプリッツが世界最高だけど~♪

このシーンはさほど目につく変更点はなかった様な気が。
あ。観光客の衣装が初日と二回目と違ってた。何か問題があったのかな。
あと日本人らしきカップルに関しては、法被は着てなかったし変なお辞儀もなかった。これは世界に引き継いでほしいかも。

なんか長くなっちゃったので、二幕はまた分けて更新するね!