蓮華は泥中(でいちゅう) より出でて花開く 栴檀(せんだん)も大地から生じていく
ある詩人が、仏教上の説諭を引用した詩の一節は、私の中にかなり深くすり込まれている。
日蓮大聖人も善無畏三蔵抄のなかで
「譬へば栴檀は伊蘭より生じ、蓮華は泥より出でたり」と説かれている。
この「栴檀」も「伊蘭」も、共に植物の名前。
伊蘭というのは、屍のような悪臭を放つとされていて、その伊蘭の林から栴檀が生ずるといわれている。
この香木である栴檀の一葉が開くと、四十由旬にも及ぶと言われる伊蘭の悪臭が消えてしまうと言われている。
また、蓮華も泥の中から生じて、そして清らかで立派な花を咲かせる。
八郎沼の蓮を見てふと思いに馳せた。
写真は8月21日のもの。