☆なんか、見たくてたまらなくて、レイトショーに駆けつけた。
もう、初っ端から、ひたすらに繰り返される相手を威嚇する声の応酬がが非常に心地良い。
出てくる悪党どもの、表情の一つ一つが面白い(人間の顔って、不思議な陰影を浮かばせるよね、特に西田敏行^^;)。
それらは、キューブリックの『フルメタル・ジャケット』の新兵(殺人マシーン)育成シーンを思い出させる完成度、と言いたいところだが、
万人が圧倒されるキューブリック作品に比べ、北野武の、この作品は、こちらの思い込みも作用しての感慨であろう。
だが、前作(クリック!)、ヤクザ権力を牛耳った山王会の、政界までも及んだ活動を発端とし、その反作用が、ビリヤードの球のように、スコンスコンと次の展開を誘発していく様は、非常に面白い。
かなりの尺が経ってから、前回の「負け犬」であった大友(たけし)が出所し、やっと展開上、不協和音という起伏があり、見ているこちらは安堵できた。
そして、ここ、私がこうしたら良かったのに…、と思ったことに過ぎないのだが、
韓国ヤクザの大立て者が、大友にホテルを世話し、女をあてがうのだが、大友は女を遠ざける・・・、
しかし、ここは女に甘えて欲しかった。
物語的には、ここで女のおっぱいにガキのように縋りついてこそ、男の弱さも垣間見せつつ、後の非情な展開に持っていったほうがメリハリがついたはずだ。
そうしないのが、北野武なりの硬派なんだろうな。
面白いのが、多くのヤクザ然とした登場人物の中に、明らかに、たけしをはじめ、いまいち貫禄に欠けるのが混じっていて、でも、「なんだテメエ、この野郎!」と吼えまくっていることだ。
とてもリアルを感じる。
「チンピラ」のままに、のし上がった感がいい。
なお、この作品の登場人物の語尾には、必ず「なんだテメエ、この野郎!」が付く^^;
それもやはり、『フルメタル・ジャケット』の登場人物のセリフに必ず「シット(糞)!!」が付くのと同様である。
「糞敵が、糞銃を、糞撃ってきやがるから、糞俺も、糞撃ち返せ!!」
そもそも、この相似に、私は、この作品と『フルメタル・・・』を重ね合わせはじめたのだが、
うん、特に、今回の、「前半の完成度と後半の拡散ぐあい」なんて、「瓜二つ」に感じる。
まあ、この作品は、ちょいと尺が長く、後半、ややだれる。
たけし監督が、作品としての体裁を考え過ぎたのだろう。
たけしは、もっともっといい加減に撮った作品のほうがひょうひょうとして面白い。
でも、どこに終着するのか分からないので、目は離せない。
やはり、たけしの「体裁」なのだろうが、前作にあった意味なく手の込んだ敵の殺害方法がなかった。
今回は、全ては、必然内と言えた。
痛い暴力もあまりなかった。
それらが前作の欠点でもあったのだが、それがなくなると、どうにも、物語が平板な印象にもなった。
続編は更に作れるが、でも、同じことの繰り返しになるだろう。
だが、2,3年に一度ならば、また見たくなるかな?
いつも閑散としている映画館は、昨夜は盛況でした。
みんな、暴力が好きなのね^^;
(2012/10/07)
もう、初っ端から、ひたすらに繰り返される相手を威嚇する声の応酬がが非常に心地良い。
出てくる悪党どもの、表情の一つ一つが面白い(人間の顔って、不思議な陰影を浮かばせるよね、特に西田敏行^^;)。
それらは、キューブリックの『フルメタル・ジャケット』の新兵(殺人マシーン)育成シーンを思い出させる完成度、と言いたいところだが、
万人が圧倒されるキューブリック作品に比べ、北野武の、この作品は、こちらの思い込みも作用しての感慨であろう。
だが、前作(クリック!)、ヤクザ権力を牛耳った山王会の、政界までも及んだ活動を発端とし、その反作用が、ビリヤードの球のように、スコンスコンと次の展開を誘発していく様は、非常に面白い。
かなりの尺が経ってから、前回の「負け犬」であった大友(たけし)が出所し、やっと展開上、不協和音という起伏があり、見ているこちらは安堵できた。
そして、ここ、私がこうしたら良かったのに…、と思ったことに過ぎないのだが、
韓国ヤクザの大立て者が、大友にホテルを世話し、女をあてがうのだが、大友は女を遠ざける・・・、
しかし、ここは女に甘えて欲しかった。
物語的には、ここで女のおっぱいにガキのように縋りついてこそ、男の弱さも垣間見せつつ、後の非情な展開に持っていったほうがメリハリがついたはずだ。
そうしないのが、北野武なりの硬派なんだろうな。
面白いのが、多くのヤクザ然とした登場人物の中に、明らかに、たけしをはじめ、いまいち貫禄に欠けるのが混じっていて、でも、「なんだテメエ、この野郎!」と吼えまくっていることだ。
とてもリアルを感じる。
「チンピラ」のままに、のし上がった感がいい。
なお、この作品の登場人物の語尾には、必ず「なんだテメエ、この野郎!」が付く^^;
それもやはり、『フルメタル・ジャケット』の登場人物のセリフに必ず「シット(糞)!!」が付くのと同様である。
「糞敵が、糞銃を、糞撃ってきやがるから、糞俺も、糞撃ち返せ!!」
そもそも、この相似に、私は、この作品と『フルメタル・・・』を重ね合わせはじめたのだが、
うん、特に、今回の、「前半の完成度と後半の拡散ぐあい」なんて、「瓜二つ」に感じる。
まあ、この作品は、ちょいと尺が長く、後半、ややだれる。
たけし監督が、作品としての体裁を考え過ぎたのだろう。
たけしは、もっともっといい加減に撮った作品のほうがひょうひょうとして面白い。
でも、どこに終着するのか分からないので、目は離せない。
やはり、たけしの「体裁」なのだろうが、前作にあった意味なく手の込んだ敵の殺害方法がなかった。
今回は、全ては、必然内と言えた。
痛い暴力もあまりなかった。
それらが前作の欠点でもあったのだが、それがなくなると、どうにも、物語が平板な印象にもなった。
続編は更に作れるが、でも、同じことの繰り返しになるだろう。
だが、2,3年に一度ならば、また見たくなるかな?
いつも閑散としている映画館は、昨夜は盛況でした。
みんな、暴力が好きなのね^^;
(2012/10/07)
加藤のやり方で 昔からの古参幹部たちは 新参の石原に冷遇されても なんとも思わず ないがしろにし過ぎたのが かえって 組の結束が弱くなったことが 三王会が衰退のきっかけだったようにもおもえました。
花菱会(関西)で 神山繁さん演じた会長 重鎮ならではの 心理掌握話術が 巧みでした。 敵の組の古参幹部が協力してきたってコトは 三王会は "結束力が弱くなっとるわ"と 見抜いて あざ笑ってたに違いない。
加藤にも
「一度人を裏切ったやつは 何回でも裏切りよる」
こう言って 加藤は疑心暗鬼にさせ・・・むろん 石原や他の幹部組員は おそらく今後やってただろうし、言うとおりなのでしょうが・・・
自分も前会長の関内を射殺した経緯があるため とうぜん組員を信用ができなくなる・・・
この一言で 完全に バラバラになった三王会の結束は元通りに戻らなくなったと見ていいでしょうし。
組がつぶれた者同士で結束した大友と木村。
奇妙な結束でしたが おたがいわだかまりが なくなってたので ほんのちょっぴりの"美しさ"を感じました。
最も下劣な男は なんといっても 小日向文世さん演じたマル暴の片岡でしたね・・・こいつには 下劣すぎて ムカムカです。
一作目のような「次の瞬間、何が起こるかわからない」的な面は少なかったですが、その分、完成度の高い展開になってきましたね。
終わりとは言うけれど、ニ,三年後に、また続編を作って欲しいです。
大友、生きてますし^^;