☆本日、二年前に福島第一原発が水蒸気爆発したと同じ日付だ、メタンハイドレートの産出が確認!
私は、二年前の三月三十日に、既にこう書き残している。
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[東日本大震災(東京の私の思い・18 「西尾幹二の震災考/地震とメタン」](2011-03-30)
≪☆昨夜、キング・カズ、ゴール決めてくれましたね^^
カズさん、本当に、日本を背負うここ一番でやってくれた。
みんな、大きなパワーを貰ったことでしょう。
つくづく私が凄いのは、昨日のエントリーで、ちゃんと、ピンポイントでカズに凄まじい期待を寄せている事実ですね。
私は、日替わりで主張をコロコロ変えないし、ずーっと、状況に照らし合わせても遜色ない主張をこれからも語り続けるので、カズへの、二万分の一くらいの期待は向けてくれ^^
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産経の『正論』欄、西尾幹二氏の出番だった。
う~ん、あまりよろしくないね。
まあ、この方の性格だと、こう書くだろう、てな内容だった。
取り巻きの狂った連中の偏見をピックアップした内容でないのは好感の、直球の西尾節だ(悪い意味で)。
そして、「評論家」と言う職業柄、どうしても「無責任」感が漂う。
この国難においては、それは致命的だ。
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先ず、その最後のオチから語りたいが、西尾氏は、こう書いている。
<・・・手に負えぬ48個の「火の玉」をいやいやながら抱きかかえ、しかも上手に「火」を消していく責任は企業ではなく、国家の政治指導者の仕事でなくてはならない。>
先ず、これが間違いだ。
原子力発電はなくならない。
その発展は、20年は停滞すると思うが、日本は、人類は、原子力を手放せないし、停滞の期間は石油に頼るしかなくなる。
有限の石油の、しかも環境破壊の弊害は、歴史上、期間を区切っても、原子力の比ではない。
また、「責任」を国に持たせることはいいと思うが、持たせるべき国=政府は、現在、日本の行政の各階層で「最も機能不全」に陥っている存在だ。
責任を果たせない階層に責任を持たせろ、と、現在、言ってしま得ることは、非常におめでたい限りだ。
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余談だが、日本の領海(特に南海トラフ)には、「新エネルギー」である<メタン・ハイドレート>が膨大に埋蔵されている。
が、今のところ、そのエネルギーへの還元・精製の目途が立っていない。
また、これは、仕事の休憩時間に、同僚の岡部氏と話していたのだが、その<メタン・ハイドレート>のエネルギーへの転換を阻んでいるのが、今回の地震の救援・復興支援で、国家的なプロジェクトでとても親身になってくれているアメリカでもある。
アメリカは、エネルギー利権による、世界影響力地図の塗り変わりを恐れているのだ。
・・・何故、<メタン・ハイドレート>が生成されたのかについてなのだが、二つの説がある。
石油と同じ生物起源説と、そして、無機起源説である。
で、ここからは、私が勝手に考えていることなのだが、私は、日本の領海に眠る<メタン・ハイドレート>は、無機起源説によると考えている。
難しい説明は端折るが、無機起源説の代表的なものに「熱生成メタン」がある。
読んで字の通り、熱によって生成されるメタンである。
その「熱」の発生源は、地球の地殻変動であろう。
南海トラフは、世界有数の地震発生帯である。
私が言いたいのは、「地震による熱エネルギーが<メタン・ハイドレート>を生んだ」と言うことである。
特に、地球上の<メタン・ハイドレート>の分布は、プレートテクトニクス(プレート理論)で語られるところの「フィリピン海」・「ココス」・「カリブ」・「ナスカ」・「ファンデフカ」など、小さなプレート(≒消えゆくプレートか?)に集中している点も興味深い(石油は、地球上では小さいアラビアプレートに集中しているし)。
まあ、これは、私が勝手に思っていることだ。
今回の地震とは関係ないが、協力な地震によって原子力が否定され、その活発な地震によって、また異なる新エネルギーが誕生していると私が勝手に思っているのも奇妙な巡り合わせだろう。
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さて、話を戻す。
結論から遡っていく。
<・・・問題の第二は、今後、わが国の原発からの撤退とエネルギー政策の抜本的立て直しは避け難く、原発を外国に売る産業政策ももう終わりである。原発は東電という企業の中でも厄介者扱いされ、一種の「鬼っ子」になるだろう。それでいて電力の3分の1を賄う原発を今すぐに止めるわけにいかず、熱意が冷めた中で、残された全国48基の原子炉を維持管理しなくてはならない。そうでなくても電力会社に危険防止の意志が乏しいことはすでに見た通りだ。国全体が「鬼っ子」に冷たくなれば、企業は安全のための予算をさらに渋って、人材配置にも熱意を失うだろう。私はこのような事態が招く再度の原発事故を最も恐れている。日本という国そのものが、完全に世界から見放される日である。・・・>
と、ある。
なんか、西尾氏、思考が暴走しているが、このパラグラフの文章の後半は、なかなかいいのであるが、
後半は、前半に沿った文章であり、その前半で「今後、わが国の原発からの撤退とエネルギー政策の抜本的立て直しは避け難く」と言う見立ては、私の考えでは「間違い」であるからして、文章全体がおかしくなっている。
東電は、絶対に、今後も原子力の利便を手放さない。
今、政府もマスコミも、放射能の恐怖を増幅させているが、もし、この事故が終息したら、政府も、一部を残したマスコミも、ガラリと様相を変えるだろう。
私は、それでしょうがないと思う。
日本には燃料資源がないのだから。
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<・・・≪見えて来ぬ事態収拾の最終形≫
殊に4号機の燃料は極めて生きがよく、いくら水を入れてもあっという間に蒸発しているらしい。しかも遮蔽するものは何もない。放射性物質は今後何年間も放出される可能性がある。長大で重い燃料棒を最後にチェルノブイリのようにコンクリートで永久封印して押さえ込むまでに、放射線出しっ放しの相手を何年水だけを頼りにあの場所で維持しなければならないのか。東電にも最終処理までのプロセスは分からないのだ。・・・>
このパラグラフの表題は、確かに尤もであるが、そう言ってればいい無責任さは否めない。
また、この文章、凄く、私たちレベル(テレビ視聴者大衆)の観点である^^;
私は、紆余曲折はあれど(ここは政府や東電の対応による人災だが)、担当者は、潰すべき問題を一つ一つ解決していってると思う。
原発の事故は、その放射性物質の半減期と同じく長期の問題となる。
それは理解しなくちゃならない。
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<・・・東北は津波のたえない地域である。設計者はそのことを当然知っていた。東京電力は今回の津波の規模は「想定外」だというが、責任ある当事者としてはこれは言ってはいけない言葉だ。たしかに津波は予測不能な大きさだったが、2006年の国会で、共産党議員がチリ地震津波クラスでも引き波によって冷却用の海水の取水停止が炉心溶融に発展する可能性があるのではないかと質問していた。二階俊博経産相(当時)は善処を約していたし、地元からも改善の要望書が出されていたのに、東電は具体的改善を行わなかった。
同原発は原子炉によっては40年たち、老朽化してもいたはずだ。東電が考え得るあらゆる改善の手を打っていた後なら、津波は「想定外」の規模だったと言っても許されたであろう。危険を予知し、警告する人がいても、意に介さず放置する。破局に至るまで問題を先送りする。これが、日本の指導層のいつもの怠惰、最悪の中の最悪を考えない思想的怠慢の姿である。福島原発事故の最大の原因はそこにあったのではないのか。・・・>
私は、今回の地震・津波・原発事故を「想定外」だとする意見を安易に非難などは、絶対に出来ない。
確かに、責任ある立場が、物理的な解釈を放棄し、「想定外」「天罰」「神のみぞ知る」などと言うのは苦々しくもあるが、
じゃあ、それを非難するあんたら、予測できたのか? と言いたい。
言葉遊びは簡単なことだよ。
私には、そんな批判は到底出来ないし、反原発の風潮の中で、ヴァージョンアップすることを許されずにやりくりされてきた福島第1原発が、未だ「想定範囲内」の事故経緯で推移出来ていることこそが評価されていいんじゃない?
最悪の状況、と言うのは、起こるのだったら、これからだ・・・。
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西尾幹二氏が、これまた安易な政府批判を、いつものように垂れ流すのではなく、やや科学っぽい理屈を背景に、やはり、政府批判ではなかったが、結局、東電批判をしているだけだったということは寂しい限りだ。
月刊『WLL』(←駄本。買う必要なし)の震災特集での、西尾氏の「最初の数日間の感想」と言う文章は、雰囲気があって良かったが、
あいかわらず、震災直後の携帯電話不通を「どういう方針で回路が封鎖されていたのか、謎である」とあたかも陰謀があったかのごとく書いている^^
いや、パンクしていただけですよ・・・。
政府は嘘をついている…、東電は隠蔽している…、なんらかの陰謀だ…、・・・いいかげん、そういった考え方は、みんな、卒業しようよ、マジで!!!
(2011/03/30)≫
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また、後に、私はこうも断言している。
けして、歴史上最先端国である日本は、一基であっても・・・、エネルギー問題において不必要とされても、原子力の稼動はやめてはならない、と。
放射能の科学的な克服なくしては、人類の敗北になってしまう。
原子力の研究は、大きな予算で続けなくてはならない、とね^^v
(2013/03/12)