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2007/01/26の再掲です。
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▼司馬遼太郎の実質的なデビュー作の表題作を含む短編集『ペルシャの幻術師(文春文庫)』を読む。
・・・これが面白かった。
最初の二作、表題作と『 ○壁の匈奴(○内は「丈」の右肩に点が付いている字) 』 では、
チンギス・ハーン率いる蒙古民族の大陸制覇の様を描いている。
後の『街道をゆく』のモンゴル編で見せたかのような、司馬の訳知り顔はない。
そこには、ただ、ただ、【いい女】を求めて、地球半周の距離を、半月に満たない時間で騎馬にて走破する荒くれ者たちの姿が描かれていた。
力こそが偉大さとばかりに、何万何千の人間を殺したことを語り、女の気を惹こうとする。
その身体たるや、沐浴もそこそこで、『むっと鼻を衝く体臭があった。羊の腸の臭気に似た、多種族には堪えられぬにおいで』ある。
しかし、征服者・蒙古の男に求められた女は、抗う術もなく、抱かれなくてはならないのである。
何とも、世紀末の核戦争後の世界を舞台にした『北斗の拳』のような、暴力のみがはびこる無法者どもの世界が、ややヒロイックに描かれているのだ。
説教じみてない司馬遼太郎・・・、・・・最高だ!^^v
いや、別に官能小説ではないのだから、そういった直接的な性描写が記述されている訳ではない。
しかし、言葉言葉が何とも言えず、大きな歴史のうねりの中での、個々人の鮮烈なエロスを髣髴させるのだ。
チンギス・ハーンを駆り立てたものは、その幼少期に聞いた貿易商人の言葉であった。
西夏の女が素晴らしいのだそうだ。
『そこには、女がいる。白い肌、豊かな胸、くびれた腰、女とはそうしたものを云うのだ』
ペルシャ地方を討伐した王・ボルトルは、手に入れたペルシャの女に言う。
『ナン。こんどは二人で浴室にはいろう。男と女のからだの違いを、ナンと眺めあいたい』
チンギス・ハーンは、最後の最後まで攻略できなかった西夏という国を、その晩年に、版図に組み込んだ。
若き頃からの念願の「西夏の女」を、その中でも極上の「女王」を手に入れた。
女は、これから汚されるというのに、この短編のシンボルである「王皮璃瓶(王と皮は合わせて1文字)」の湯槽に身を沈めて、体を清めるのである。
自分の元にやってきた公女にハーンは言うのだ。
『部屋に行こう。ただ一人で、お前を眺め尽くしたい・・・』
『美しい。これは、この世のものではない。わしの若い頃、(貿易商人の男が)お前の生まれぬ先から、お前の美しさを讃えていた。その後、わしはお前を獲るために、四十年を費やした。世界を従えて、ついに西夏を獲た。そのお前が、いまわしの前に居る』
なんか、エロ素晴らしい。
▼上記の司馬作品でも、この頃のモンゴル人の性欲の強さが語られているが、
ちょうど今日、唐沢俊一の本を立ち読みしていたら、こんなことが書いてあった。
かつてのモンゴル民族のキャラバンに引きつられていた羊たちは、食用であると同時に、性欲のためでもあったのだと。
羊のあそこは、人間の女性のあそこに「味わい」が似ているのだそうだ。
そう言えば、昔、今村昌平監督の『楢山節考』で、左とん平が豚で性欲を処理するシーンがあったような。
左「トン」平だから、豚が相手なんだなあ、と子供心に妙に納得した記憶がある。
しかし、私には、女への欲望を、そんな動物で代用する神経が分からない。
ここら辺については、長く論じられようが、長くなるので記さないでおく^^;
ただ、「左」とん平には、【右手】がないのだろうか・・・・・・^^;
PS.それから、唐沢俊一の本には、「ディープキスすると、二億の細菌が両者を行き来する」とも書かれていた。
まあ、悪い菌ばかりではないのだろうが。
▼『ヒカルの碁』『デスノート』と、メガヒット作品を連発している漫画家・小畑健だが、今度は、鷹野常雄と言う原作者と新しい分野の作品に挑んでいる。
ファンタジー作品『ラルΩグラド』である。
しかし、一風変わった作風なのである。
主人公が「おっぱい」を異常に愛しているのである。
主人公は、生まれた頃から、強いモンスターに取り憑かれていて、暗い牢獄に繋がれていた。
牢獄の外からは、家庭教師の女が、それなりのちゃんとした教育を施してきた。
そんな国に、モンスターの大群が押し寄せてきた。
国の首脳は、国の危機に対し、牢獄の中のモンスター少年の協力を仰ぐことになる。
モンスターに憑かれているとは言え、少年は無邪気で、取り憑いているモンスターも悪性ではなかったのである。
さて、暗闇の牢獄から出された主人公ラルは、家庭教師の胸のふくらみが不思議でしょうがない。
プルン!と剥いて揉みしだく。
主人公ラル 『これは?』
女家庭教師ミオ 『(頬を上気させながら)ち・・・、乳房よ』
ラル 『ミオ、おまえ、やわらかくて気持ちいいな。いいにおいもする。(そして、パンツの中を覗きながら)ここは?』
かくして、ミオは、モンスターを撃退した後の「女体探索」の約束をして、ラルにドラゴン・モンスター<グラド>を使った、侵略モンスター撃退を依頼するのだ。
さて、その後、侵略モンスターを撃退して、ラルは、ミオに限らず、国中のおっぱい美人を集めて「おっぱい祭り」をして過ごす。
ラルは、そこら辺の性的道徳を学習していないので、無邪気に「おっぱい祭り」を行なうのだ。
だが、そんな折、侵略モンスターの親玉の存在が分かり、悪のモンスター退治の旅に出ることになる。
しかし、ラルはとにかくおっぱいが好きで、連載の一週間に一回は、「乳!」「乳!」とおっぱいへのこだわりを見せる。
少年誌だから、乳首は出せないのであるが、そこはそれ、稀代の絵師・小畑健が描くのだから、総合的女性像でおっぱいを感じさせてくれる。
旅は続き、とある国の気高い巨乳の女王にこんなことさえ言う。
『・・・ああ、今の姫様の乳じゃ不服だ。
確かに、あんたは綺麗だ。でも、自分を守る男二人を戦わせるというのは気に入らない。
(中略)自分に忠誠を誓い、命懸けで守ってくれるカフカの気持ちをわからないなんて、姫としてふさわしくない。
ミオは俺の為にいつも乳を出し添い寝してくれる。
昨日の夜もだ。ミオは優しいんだ。
綺麗なら乳を揉みたくなるって訳じゃないんだな。教えてもらったよ・・・』
そんなラルの発言に、ミオは感心するのだった。
『(ラル・・・、心の成長もちゃんと・・・・・・)』
しかし、遂に悪のモンスターの親玉「闇女王」と、使い魔を介した連絡をとるラル。
使い魔は、「闇女王」の美しさと巨乳を語っていた。
だから、使い魔に、ラルは叫ぶのだ。
『 闇女王
おまえの乳を揉み
しゃぶり舐めまわし
味わってやる
待っていろ 』
その伝言を聞いた闇女王、ナイスボディをくねらせて、高らかに笑い、使い魔に返信する。
『胸に極上の蜜を塗って
楽しみに待っている、ボウヤ』
そのメッセージを聞き、ラルは狂喜乱舞する。
『胸に極上の蜜!!
どんなんだ!?
スゲーーーーッ
スゲーーーーッ
闇女王、スゲーーーーッ』
・・・かくして、旅は続くのである^^;
▼・・・しかし、すべからく、女ってのは、いいよなあ~^^
チンギスハーンも、左とん平も、ラルも、ひたすらに「おっぱい」を求めて、それぞれに、自らを危険な「旅」に追い立てるのである。
男って、それだけのために生きているといっても過言じゃなかろう。
ちなみに、私は「巨乳」「巨乳」とよく騒いでいるが、別に「巨乳」好きではない。
女ってのは、胸が小さくても柔らかいもので^^;
ギスギスと骨ばった女は嫌だなあ^^;
(2007/01/26)
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漫画家・小畑健は、結局、『ラルΩグラド』をジャンプ連載打ち切りで終わらせてしまったが、再び、『デスノート』の原作者・大場つぐみと組んで、『バクマン!』と言うヒット作を描いてますな!
それから、ガレッジセールのGORI監督映画作品
『南の島のフリムン』(クリック!)で、私は久し振りに、豚と性交する漢(おとこ)の姿を見せられました^^;
(2010/04/15)