☆なんか、見るには苦手なジャンルだなあ、などとは思っていたのだが、映画館で何度も何度も予告編を見せられていたら、見るのが当然のような気分になっていた。
大人気のコミックス版の方も、絵が下手だなあ、などと思いつつも、1巻は買って読んだ。
・・・「見るに苦手なジャンルだなあ」と言うのは、メタルパートがではない。
新進気鋭の、悪魔系メタルバンド<デトロイト・メタル・シティ(DMC)>をやらされている主人公が、本当はポップミュージックを指向しており、普段は街角でストリートミュージシャンとして、甘い歌をキモく歌い上げている点がだ。
どうにも、コメディとして笑えるよりも、その主人公を演じる松山ケンイチの名演技に嫌悪を感じていたのだ。
もちろん、作品中でも、そんな主人公はキモがられている^^;
◇ ◇
物語の冒頭、なかなか、そのテンポに馴染めなかった。
気弱な主人公が、デスメタルの教組に祭り上げられる。
「殺害せよ!」「レイプ!」などと舞台で絶叫する。
しかし、それと同時に、主人公の、状況への困惑のモノローグがかぶさる。
その口調にも馴染めない。
マンガ版だと、モノローグの口調は、読む者のペースに任される。
主人公の心の声は、読者の最もプライベートな部分と重ね合わせられる。
だから、当初は、その違和感に戸惑わされた。
◇ ◇
しかし、いわゆる「食いつき」のいい客がいた。
私たちが座っていた斜め後方で、若い二人連れの娘がゲラゲラ^^ゲッラゲラ^^爆笑していた。
それにつられて、私たちも笑った。
つまり、この映画のペースに乗り切れていなかった私たちを、後ろの若い娘がナビしてくれたのだ。
これは、普通の人がメタルに対して思う気持ちと似ているのではないか?
作中、挫折しかけていた主人公が、お母さんに「見かけではない。夢を与えることが大事」などと諭されるが、
実際、「夢を与える」程ではないが、作品のペースにはまれる・・・、「ノレル」と言うことは、人生を生きるに大事なことなのではないか? と思えた。
作品は続き、私たちはゲラゲラ笑い、そして、次第に「クラウザー様」が格好良くてたまらなくなってくるのだ。
メタルを嫌悪していた主人公のガールフレンド(加藤ローサ)が、メタルの「何か」を認められるように変わっていくようにだ。
◇ ◇
キモい主人公をメタルの道にかどわかしたプロダクション社長を松雪泰子が嬉々として演じている。
吸っているタバコを、相手の額にヒットさせるのが繰り返されるが、その間が実に素晴らしく、そのたびに笑った^^
◇ ◇
主人公の、田舎のお母さんを演じるは宮崎美子・・・。
可愛いおばさんで、「今の君もピカピカ」です^^;
主人公が東京で悪魔系メタルをやっていることは、誰にも内緒なのだが、東京の生活に疲れ、帰郷し、ちょうど畑仕事から帰ってきた母親の着ているTシャツが「DMC」のもので、クラウザーさんの顔が、バーン!と出ているシーンには笑った^^
◇ ◇
余談だが、私、海外に行った時、話のタネに、外では着れないのだが、「燃えるワールドトレードセンターを背景に、ブッシュとフセインがにらみ合っている写真がプリントされている黒いTシャツ」を購入した。
ある日、母親と外出しようと、私が車庫で車のエンジンを温めていたら、母親が何も考えずに、そのTシャツを着てドアから出てきた時があった。
その時の衝撃を思い出した。
母親としては、「誰も着てないので、勿体無いから私が着てみた」とのことだった^^;
そんな風な、息子と母親の微妙な「齟齬」と「心の触れ合い」みたいなものも感じられるいい作品でした。
◇ ◇
・・・「ファッキンガム宮殿」・・・^^;
(2008/08/31)
大人気のコミックス版の方も、絵が下手だなあ、などと思いつつも、1巻は買って読んだ。
・・・「見るに苦手なジャンルだなあ」と言うのは、メタルパートがではない。
新進気鋭の、悪魔系メタルバンド<デトロイト・メタル・シティ(DMC)>をやらされている主人公が、本当はポップミュージックを指向しており、普段は街角でストリートミュージシャンとして、甘い歌をキモく歌い上げている点がだ。
どうにも、コメディとして笑えるよりも、その主人公を演じる松山ケンイチの名演技に嫌悪を感じていたのだ。
もちろん、作品中でも、そんな主人公はキモがられている^^;
◇ ◇
物語の冒頭、なかなか、そのテンポに馴染めなかった。
気弱な主人公が、デスメタルの教組に祭り上げられる。
「殺害せよ!」「レイプ!」などと舞台で絶叫する。
しかし、それと同時に、主人公の、状況への困惑のモノローグがかぶさる。
その口調にも馴染めない。
マンガ版だと、モノローグの口調は、読む者のペースに任される。
主人公の心の声は、読者の最もプライベートな部分と重ね合わせられる。
だから、当初は、その違和感に戸惑わされた。
◇ ◇
しかし、いわゆる「食いつき」のいい客がいた。
私たちが座っていた斜め後方で、若い二人連れの娘がゲラゲラ^^ゲッラゲラ^^爆笑していた。
それにつられて、私たちも笑った。
つまり、この映画のペースに乗り切れていなかった私たちを、後ろの若い娘がナビしてくれたのだ。
これは、普通の人がメタルに対して思う気持ちと似ているのではないか?
作中、挫折しかけていた主人公が、お母さんに「見かけではない。夢を与えることが大事」などと諭されるが、
実際、「夢を与える」程ではないが、作品のペースにはまれる・・・、「ノレル」と言うことは、人生を生きるに大事なことなのではないか? と思えた。
作品は続き、私たちはゲラゲラ笑い、そして、次第に「クラウザー様」が格好良くてたまらなくなってくるのだ。
メタルを嫌悪していた主人公のガールフレンド(加藤ローサ)が、メタルの「何か」を認められるように変わっていくようにだ。
◇ ◇
キモい主人公をメタルの道にかどわかしたプロダクション社長を松雪泰子が嬉々として演じている。
吸っているタバコを、相手の額にヒットさせるのが繰り返されるが、その間が実に素晴らしく、そのたびに笑った^^
◇ ◇
主人公の、田舎のお母さんを演じるは宮崎美子・・・。
可愛いおばさんで、「今の君もピカピカ」です^^;
主人公が東京で悪魔系メタルをやっていることは、誰にも内緒なのだが、東京の生活に疲れ、帰郷し、ちょうど畑仕事から帰ってきた母親の着ているTシャツが「DMC」のもので、クラウザーさんの顔が、バーン!と出ているシーンには笑った^^
◇ ◇
余談だが、私、海外に行った時、話のタネに、外では着れないのだが、「燃えるワールドトレードセンターを背景に、ブッシュとフセインがにらみ合っている写真がプリントされている黒いTシャツ」を購入した。
ある日、母親と外出しようと、私が車庫で車のエンジンを温めていたら、母親が何も考えずに、そのTシャツを着てドアから出てきた時があった。
その時の衝撃を思い出した。
母親としては、「誰も着てないので、勿体無いから私が着てみた」とのことだった^^;
そんな風な、息子と母親の微妙な「齟齬」と「心の触れ合い」みたいなものも感じられるいい作品でした。
◇ ◇
・・・「ファッキンガム宮殿」・・・^^;
(2008/08/31)