『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『GANTZ』を観た]

2011-01-29 14:50:54 | 物語の感想
☆さて、朝一で観てきましたよ^^

 原作もいちお読み込んでいる作品なので、邦画のSF表現技術の限界ゆえに、各シーンに、独特の世界観を再現するのにちゃちさが感じられるであろうことはしょうがないと覚悟しつつ、

 「誰も指摘しないけど、タイトルの由来は『ロボコン』の<ガンツ先生>に由来するんだよな・・・(毎回、ガンツ先生はロボコンらの行いを採点していた。GANTZも挑戦者を採点する)」などと思いつつ、期待して見て来ましたよ^^

   ◇

 ・・・感想としては、特撮技術的には不満なく、うん、海外でも公開するらしいけど、桁違いの予算の作品がひしめくアメリカの観客もなかなか楽しめると思う。

 ただ、私的には、随分と「可もなく不可もなき作品」に仕上がってしまったなぁ、の印象が強い。

 そもそも、この作品は、非現実的な設定(死者が、現実世界とはちょいと違った世界に召喚され、「○○星人」と呼ばれる敵とゲーム的に戦わされ続ける)があり、その「謎」が、物語の初期を牽引していたものだが、

 この作品、はじまってから10年以上経つだろう・・・、その奇抜な設定が、後続の物真似作品群に押し切られ、現在においては、さほどの魅力的な設定ではなくなってきているのだ。

 にもかかわらず、物語は、丁寧に原作をなぞっている。

 原作の雰囲気は壊していない。

 だが、いまいち新鮮な気分が起こらないのだ。

 改変されている部分もあるが、それは、主人公の二人を演じる二宮和也・松山ケンイチが二十歳過ぎなので、主人公の設定が、高校生から、大学での就職活動時期に変えられていると言うことに代表される、やむを得ぬ改変に過ぎない。

 積極的に、物語を平成23年の「現在」に合わせるかのようなアレンジではないのだ。

 だから、序盤から、かなり退屈な時もあり、第2ラウンドの田中星人では、その演出が見事で盛り上がったが、クライマックスのあばれんぼう星人の時には、なんとも眠気さえ出てきてしまったほどだ。

 作品の完成度に遜色ないのに、作品自体に爆発的なパワーがないのは痛かった。

   ◇

 このような特撮を駆使した作品においては、人間パートはつまらなく感じるものだったが、演技陣は総じて熱演していた。

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 何よりも、二人のヒロインが良かった。

 岸本を演じた夏菜は、原作でも魅力的なキャラそのまま(なのだが)、非常に可愛い。

 私のショートカット好きもあるのだが、ファーストシーンの裸身は美しかった。

 また、コミックの扮装を実写にするとどうしようもなくちゃちくなるものだが、この作品では、「ガンツ・スーツ」の出来が非常に格好良く、

 岸本が着ている姿は(特に後姿!)、ウエストからヒップのラインが女神のように素晴らしかった。

   

 ガンツワールドとは別に、主人公・玄野の彼女になる小島多恵は、原作から大きな改変が為されているが、吉高由里子が地味な女の子を芸達者に演じている。

 性格も外見も違うのに、なぜか、吉高由里子が小島多恵に見える不思議。

 吉高由里子も、松山ケンイチも、多種多様な役を演じるものだと感心した。

 ニノ君は、変わり映えしない演技だが・・・。

   ◇

 昨夜、仕事を終えて帰宅すると、マンガ原作・日テレ製作『GANTZ』つながりで、『デスノート』が<金曜ロードショー>で放送されていた。

 そのラストシーンだけを見たのだが、弥海砂の部屋は、東京タワーの見えるマンションの一室だったのだが、

 『GANTZ』でも、メンバーが召喚されるマンション風の一室も東京タワーが見える部屋だった。

 なんか、マンガ原作・日テレ製作つながりにおける、「東京タワーの見える一室」へのこだわりがあるのでしょうか?

   ◇

 この作品でかなり気に入ったのが、当初、主人公の玄野は、就職活動時期であり、ファーストシーンで、就職面接の応対の参考書などをひもといていた。

「人には、それぞれ持って生まれた社会での役目があり・・・」云々などとブツブツ呟いているのだが、

 それが、物語の中盤から、ガンツワールドにおけるヒーロー性においての理由付けとして、「人には、それぞれ持って生まれた社会での役目があり・・・」と語るようになり、

 私はそこに、この物語が、設定重視の作品ではなく、ヒーローの物語だとも捉えることが出来て、海外公開での共感を得られる可能性を見い出しもするのだった。

                                                     (2011/01/29)

[与党民主党考・119 「疎い」]

2011-01-29 08:29:15 | 保守の一考
☆米格付け会社が、日本の国債の格付けを1段階引き下げたそうだ。

 まあ、開き直って、実際にはあまり日本の経済状況に大きな影響はないんだから無視しとけ、などと考えればいいのだが、

 国家間の信頼や、国際関係における日本国の自信減少などを考慮すると、社会は・・・、経済社会は人間が為すべきものであるが故に、そこかしこに悪影響の歪みが生じよう。

 欧米の投資家は、取り立てて日本に投資する理由を無くすし、

 となると、日本の国債への投資が<日本「省」化>の一環になり得る、つまり、日本の国債への投資がメリット足り得る中国の更なる台頭を生もう。

 まあ、これまでの日本の経済的底力があるので、国債の九割がたは国内投資家で消化されているそうで、良かった。

 でも、今後は分からない。

   ◇

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)社は、日本の長期国債の格付けを引き下げた理由として、

「民主党政権には債務問題で一貫した戦略が欠けている」

 と、指摘したそうだ。

 債務問題だけではないよね・・・。

 それが、「場当たり・恣意」政党の民主党の本質だから。

 菅総理は、そんな状況について意見を問われ、

「そういうことに疎い」

 と、答えた。

 これは、小泉元総理のようなすっとぼけのセリフを模しているようでもあり、また、本当に「疎い」のでもあろう。

 ・・・ただね、この菅総理・・・、総理就任時には「経済通」として売り出していたんだよね^^;

 でも、高支持率だったのに、経済問題の一環<消費税>を言い始めた頃から、政権運営を躓かせはじめた。

 それはまさに、S&P社の指摘のように「一貫した戦略が欠けてい」たことが、有権者に見破られてしまったからだ。

 何かよく分からんが、与謝野馨を野党からピックアップし、経済財政担当相に据えたのも、よ~く考えると、なんの深い意味もないのと同じだ。

 ・・・と、考えると、この度の国債格付け引き下げは、深く憂慮すべき問題であることが分かる。

                                                        (2011/01/29)

[映画『デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~』を観た]

2011-01-25 15:50:32 | 物語の感想
☆なかなか完成度の高いバディ・ロード・ムービーではあった。

 自宅LAでの妻の出産を五日後に控えた建築家のピーター(ロバート・ダウニー・Jr)が、アトランタでの出張を終え、帰宅しようと向かった空港で、トラブルメーカーとなる俳優志望の男イーサン(ザック・ガリフィアナキス)と知り合い、なんの因果か、二人、陸路でアメリカを横断しなくちゃならなくなる物語。

 先ず、特筆すべきなのが、いかにも広大なアメリカを旅するイメージとしてのエピソードがふんだんに盛り込まれている点だ。

 これは、イスカンダルへの旅を三泊四日ほどのイメージにしてしまった『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』のスタッフには学んで欲しい作劇テクニックである。

 普通なら、アニメのほうが、細かいエピソードを盛り込みやすいのだけどね(『SPACE BATTLE SHIP ヤマト』はアニメじゃないが)。

 伏線は張られていたが、グランドキャニオンや、そして、メキシコ国境までもという旅の「ハレ」を盛り込みつつ、

 ガソリンスタンドやデイリー(コンビニ)、バス停でのまったり時間などと言う、旅の「ケ」の部分も忘れていないのが良かったね。

   ◇

 後、昨日観た『キック・アス』に続いて、野郎のオナニーシーンがあったのには笑った。

 が、連れがいたので、大爆笑できなかったのが悔しい^^

 しかも、後になって、ピーターが友人に「あいつ、二人の車内でオナニー始めやがった!」と愚痴をこぼすと、

 その、元アメフト選手の花形だった黒人の友人が「ローションも使わずにか!」と変なトコに引っ掛かり、

 ピーターも「ああ・・・!」と普通に答えるのが面白かった。

 アメリカのオナニー事情を垣間見せられた^^;

   ◇

 イーサンは、親父の遺灰をインスタントコーヒーの缶に入れて持ち歩いている。

 私は、そのような不謹慎なギャグに大笑いするほうで、先ほどの黒人の友人の家にまぬかれ、事情を知らぬ友人が、二人に、イーサンが持参したインスタントコーヒーを二人に淹れて飲ませたときは、私も、ちょうど、ホットコーヒーを口に入れた瞬間だったので、マジで映画の中と同時に吹きだしてしまった^^;

 そんな経験ははじめてで、座席の周囲にコーヒーの匂いが漂い、やや顰蹙ものだった^^;

   ◇

 さて、だが、この作品、やや私には不満足だった。

 どこが不満だったか?

 最近、どちらかと言うと、ボケ役が多かったロバート・ダウニー・Jrが、ツッコミ(振り回され役)を演じ、身体・四肢が徐々に傷ついていくのは面白かった。

   
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   ◇

 問題は、イーサン役のザック・ガリフィアナキスの個性がよく分からないので、見ていて、安心して鑑賞できる心地になれなかった点がある。

 意味が分からないかも知れないが、なんちゅうか、このイーサンの奇行の、寄って立つ異常性の土台が、明確にこちらに伝わってこないので、見ていて不安定感が起こり、安心して笑えないのだ。

 コメディって、奇矯な人物を描こうとも、そこには、笑うための、奇矯な行動の原理が示され、見ているこちらに安心感が与えられなくてはならないと思うのだ。

 イーサンは、最初こそ、イジワルっぽいキャラクターで登場するのだが、次第に天然であることも分かり、なんかホモみたいな歩き方でもあり、演技をさせてみると上手い、ピーターの危機に救出をしてきたりもして憎めないやつなのかなと思うと、ちゃっかしコソドロみたいなこともしている。

 お前は、どういう個性を持つコメディ作品上のボケ役なんだよ! と思わせられた。

 いや、このようなとらえどころのない人物は実社会にはいる。

 が、映画作品上でそれをやられては、作品上において不条理が募るばかりなんだよね。

                                                      (2011/01/25)

[遅ればせながら、映画『キック・アス』を観た^^]

2011-01-24 23:59:30 | 物語の感想

☆いやはや、素晴らしいですね。

 何が良いって、<ヒットガール>ですよね!

 私、今年の<ナカデミー賞>は、この娘以外には考えられないほど夢中になりました。

 まだまだチンクシャ顔の11歳の女の子ミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)です。

   

 この作品は、タランティーノ的なコミック風ギミックの数々を前面に押し出しながら、

 タランティーノが遠慮して、せいぜいハイティーンの娘にやらせていたアクションを、ローティーンでさえない11歳の色白の娘が、生意気な口調、激しい表情、飽きのこないバリエーション豊かなアクションで魅せてくれる。

   

 しかし、ご当地ヒーロー<キック・アス>を演じる主人公デイブは、やっぱりマウンテン・デューが好きなオタクであるのに、その性癖は割合とノーマルで、ややトウの立った巨乳の英語教師や、ネット上のおっぱい丸出しのアマゾンの原住民でオナニーする毎日。

 私、巨乳好きは、基本的にはオタクではないと思うのだ。

 だから、このデイブが、ミンディを恋愛対象とはこれっぱかしも見なかったのは、アメリカの鑑賞レイティングや、アグネス・チャンに気を使ったとしか思えず、この奔放そうな作品の限界を見せられた気もする。

 だが、クロエ・グレース・モレッツ・・・、可愛い。

   

 この魅力は、この作品内だけでしかないのかも知れない(既に撮影当時から二年が経っていて、彼女は13歳になっているそうだ)。

 だが、作り手は、その演出に、バトラーとしてのエキスパートに育てられたミンディの、年齢相応の体力や、紫のウィッグや、レザースーツに、学校の制服のようなチェックのプリーツスカートなど、また素顔のときの金髪ツインテールに、胸がないのに処女太りのムチッとした体つきの描写を配し、これでもかと、アンダー・ティーンの可愛らしさを堪能させてくれる。

 が、幾ら可愛いからって、この娘を組み伏せたら犯罪である。

 しかし、そこはそれ、「こんなバトルっ娘に襲い掛かったら、誰でも返り討ちに遭ってしまう!」と言う、私たちの妄想上の逃げ道を用意してくれているので、

 私たちは、純粋にクロエ嬢の魅力を堪能できるのである。

 でも、堪らんなぁ、あんなに小さいのに、すっごく活きが良くて、屈託なくて、うわぁ、大好きだ!^^

   

   

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                                                     (2011/01/24)


[バカは俺には勝てない(『敗北者』シリーズ (その252・一貫した行動の私/HT社篇)より)]

2011-01-23 00:25:31 | 保守の一考
☆弟などは、働いている会社にかなり不満があるらしく、よく私に相談してくるのだが、

 私は長男なので、あまり職場でのトラブルを自宅には持ち込まないタイプだ。

 最近も、また、「気持ち悪い人間」が現われたが、どうやら、叩き潰せたようだ^^v

 私は、常に「客観的に見た正義」を基準において、異常者と接するので、ことが公(おおやけ)になっても必ず、必ず、勝利する。

 対して、バカは、「自分個人の感情」を「正義」と勘違いするので、私に必ず敗北する。

 ・・・では、私が、かつて勝利した、会社内での人間関係のトラブルについて再掲する・・・。

   ◇

 ・・・[2008/04/03]・・・。

 書きたいことはいっぱいオッパイあるのですが、もう何を書くにしても長くなってしまうし、その入り組んだ、対象となる異常者の心理状態を紐解こうとすると、こっちもその心理に同調しなくちゃいけないので、段々と、平日は長文を書くのがきつくなっている^^;

 さて、私が、何で、いつも自信満々であるかと言うと、三十歳を過ぎた頃から、自分の中に、独自の「思想・信条」が確立され、自信が持てるようになってきたからである。

 その「思想・信条」をここで長々と語るつもりはないが、それを確立したことによって、常に矛盾のない言動をとれるようになってきた。

 「確固たる自立」とでも言うのでしょうか?

 で、その「自己」とは、どのような局面に現れるかと言うと、

     生半可な人格を糾弾するとき

 に、顕著になる。

 相手が誰であっても関係ない。

 特に、それは、「意味なくイキがって、他人に迷惑をかける奴」に発揮されることが多い。

 今回の「派遣会社I社問題」などでは、「アキラ」「サンタクロース」と言うチンピラの糾弾に、そんな私の姿が大きく見られよう。

 ・・・タカダやホシノ、サキコなどへの糾弾は付随に過ぎない。

 その3人などは、中核のアキラさえいなければ、まあ、無難な人生を送れたはずだ。

 アキラに関わりあったばかりに、その3人の今後の人生は惨憺たるものになる・・・。

 ・・・私は、T社で働く前には、HT社にいた。

 そこでも、私は同じように、調子に乗って他の善良な作業者に迷惑をかけていた奴を、同じように追いつめていた。

 「タカツ」と言う名で、「アキラ」とはまた違った<勘違い野郎>だった。

 私は、つくづく、<似非リーダー的存在>を憎むタイプらしい・・・。

 今回は、その「タカツ」を追いつめた時の話を、以前書いたものに手直しして転載する^^v

     #     #     #     #

 ここで、お知らせ^^

 本日の、初閲覧企業ドメインとして、

        小学館さま

 が、いらっしゃいました♪

 保守系出版社の雄ですね^^

 段々と、閲覧マスコミの役者も揃ってきましたよ!

 それと、前回の「その251」に絡んで、とある方から非公開コメントを頂きまして、以下のサイトを御覧あれとのことです。

         東芝・過労うつ病労災・解雇裁判 (クリック!)

 なかなか、厳しい内容です。

 私は、くだんの亡くなった方の名前のイニシャルが「Kさん」であったことに驚きました。

 私は、亡くなった方を、勝手に「圭さん」としていたからです。

 また、東芝の別のケースで裁判を争っている方の名前が「由美さん」で、私の勝手に書いた物語の主人公の名前が「あみさん」だったのも驚きです。

     あんたらは、PUFFYかいッッ!?^^; (大貫亜美・吉村由美)

 それと、「その251」では、AIKOの『カブトムシ』を引用していますが、「著作権は平気なのか?」との心配を頂きました。

 私は、このブログで、一銭も儲けていないので大丈夫です^^

     #     #     #     #

 ・・・では、二年前にタイムスリップです^^

 現在の閲覧者に読んでもらっても分かるように、文章を修正してあります^^

 ≪   [「男たちの挽歌」(2006/02/28)]

 ▼私は、この頃、派遣会社I社の正社員として、HT社で働きつつ、休みの日はグッドウィルの日雇いで稼いでいました。

 ・・・ともあれ、<私vsタカツ>の話だ。

 この文中、私はかなり自由奔放に言葉を発しているが、これは私がリーダーではなかったからである。

 HT社内のラインは、請負待遇ではなく、派遣境遇だったのだ。

 余計な話が混ぜ込んであるが、我慢して読んでみてくれたまえ。

 なお、文中のウドスも、K君も、派遣で働いていました。

 ▼とある夜勤明けの朝・・・。

 職場で、やたらと細かいこと言う奴・タカツ(31歳)がいて、私は、そいつの「口だけ男」振りが嫌いだったので、相手にしていなかったのだが、因縁吹っかけてきたので、「ここらで潰しておくか・・・」と、いつもの通りのサディスティックな言動で対応した。

 しばらく、言い合いした後、タカツは「俺、(仕事)やめるわ・・・」と言い去って行ったので、「・・・ふむ、うざいのが消えて良かった^^」と思い、私は、夜勤明けそのままに高円寺に向かった。

 高円寺では、千葉から上京予定の若者・ウドス(26歳)が待っていて、一緒に、彼のためのアパートの物色をするのだった。

 ウドスとは一年半ぶりの再会であったが、相変わらずの非凡さで面白い奴だった。

 何の違和感もなく、バカ話を語り合った。

 ウドスは、多くの経験をしてきていたが、最終的に喜劇役者を目指すそうだ。

 その「才能」に私は疑問の余地はない。

 私は、ならば、プライドの高い彼の性格を考慮し、大きな劇団で長い下積みを経るよりは、小劇団で即戦力として舞台に上がるを良と考えた。

 色んな要素を考えると、その居住地として高円寺がベストであった。

 まだ朝が早かったので、多くの不動産屋は閉まっていたのだが、店先に貼られている物件案内を見て、吟味する。

 ウドスは最初、「今日は決めない」などと言っていたのだが、「一軒くらい、紹介してくれる物件を、見に行ってみるか?」と聞くと、躊躇なく「うん」と答えたので、上京に迷いがないな^^ と、感心した。

 その頃、HT社では、タカツが上司たちに私の悪口を言いまわっていた。

 派遣会社I社直属の上司・クダカさん(HT社常駐管理)から、私にテルがあり、「状況が悪いぞ」とアドバイスがあった。

 私は、「ならば私にも釈明させて下さい」と言い、翌日は休日だったのだが、会社に出向くことを約束した。

 そんな、携帯のやり取りを聞いていたウドスは、「平気かよ?」と聞いてきた。

「なんてことないよ・・・」と、私は余裕の笑みを浮かべる・・・。

 高円寺・中野近辺の不動産屋を散策し、ドーナツ屋で休憩、「さて、どこか気になるところ、あったかい?」と問うと、高円寺の不動産屋で紹介されていた「六畳・三畳キッチン・シャワー室付・四万円」を見に行きたい、と言う。

 彼は、なるべく安いにこした事はないが、汗を流せる場所は絶対に必要と考えていた。

 しかし、風呂付となると、六万円台が妥当ではあったのだ・・・。

 もうお昼過ぎだったので、その高円寺の不動産屋も開店しているだろう。

 私とウドスは、高円寺から中野まで歩いてきたのだが、再び、歩いて戻ることにした。

 途中、中野の小劇場を外から眺めたりした。

 少しでも雰囲気を感じて欲しかったのだ。

 ウドスは、上演予定の目ぼしいチラシを貰うのだった。

 高円寺には、私の親友だったK(現在27歳)がいた。

 彼は、端正な顔の美青年で、誰とでもケンカする私に、いつもついてきてくれていた。

 成田空港勤務を退職した私に続いて、彼も仕事を辞め、東京に出てきた。

 役者になりたいようだが、その為の行動をするでもなく、パチスロに明け暮れていた。

 だが、ある日、「このままでは、彼のためではない」と思い、彼と距離を置くことにした。

 でも、私は彼に、計9万円やピエール・カルダンのスーツ、私の愛蔵のアダルトビデオを貸してもいたので、適度な期間をおいて、「金返せ!」の意思表示をするのは怠らなかった。

 その意思表示とは、彼の高円寺のアパートに行き、その扉に「金返せ」貼り紙をすることであった^^

 Kについて知りたい方は、ホームページ検索で、これを読んでね^^

     [中谷圭君の話・2 <泥酔事故>](クリック!)

 ウドスも、Kのことを知っていた。

「Kのアパート、覗きに行ってみるか・・・」と、私はウドスに言い、見に行った。

 しかし、そのポストには、知らない名の表示があった・・・。

 Kは、どこに行ったのか・・・?

 高円寺、桃太郎寿司でランチの握りを喰らい、くだんの不動産屋に向かう。

 すぐに、その阿佐ヶ谷の物件の見学に向かう。

「私もここを直に見に行くのは初めてなんですよね」と、案内してくれる不動産屋の兄ちゃん・・・。

 ウドスは、すぐにお喋りをはじめる。

「俺は、ビッグになるために東京に住むんですよ^^」(注:よくある若者のセリフだが、その後、彼は本当に多くの舞台で活躍する俳優となる^^)

 そんなウドスの気さくな若さに魅了され、不動産屋の兄ちゃんもリラックスし、「タバコ吸ってもいいですか?」などと、和気あいあいで、歩きタバコで阿佐ヶ谷を目指すのだった。

 最高の物件であった。

 確かに、築年数は長かろうが、とても小綺麗だった。

 六畳で、窓は二つの壁にあり、採光は最高^^

 クローゼットが二つあり、片方は、ウォークインクローゼットだ。

 ブランドの服をいっぱい持っているウドスにはうってつけだ。

 三畳の台所には、テーブルが設置してあり、当然のように冷蔵庫があった。コンロもあった。

 シャワールームは一畳ほどで広すぎる感もあった。

 ふと六畳の上を見ると、エアコンがあった。

 三人で難儀して、コンセントを探し、スイッチを押すと、稼動し始めた^^ 感動!

 二階だったのだが、台所の窓を明けると、訪れる友人を見下ろせるのだった。

 出入り口には、かなり大き目の下駄箱もあった。

 あまりにもの好物件に、不動産屋の兄ちゃんはノリノリだった。下駄箱を開き、彼は言った。

      【「見てください! トイレットペーパーもありますよ^^」】

 かくして、ウドスは、人生最初の不動産巡りで、その最初に紹介された物件を、契約することに決めた・・・。

 さて、家に帰ると、また、会社の上司・クダカさんから電話があった。

 タカツの野郎は口がうまいので、私に好意的なその上司も、状況の逆転をするのは難しいのではと心配していた。

「大丈夫ですよ、心配しないで下さい^^」

 翌日の午前中、私は三時間で4500円と言う、割のいい日雇い仕事をこなし、午後、会社に向かった。

 私は、楽しくてしょうがなかった。

 私は、話せば、絶対に誰にでも理解してもらえる自信があった。

「勝ち戦」に余裕しゃくしゃくであった。

 ただ、私は「専守防衛」の男なので、けして自分からは問題を仕掛けない。だが、他人から因縁を吹っかけられたら、完全に潰すことにしている。

 先ず、課長レベルとみっちり話す。

 私が働く会社の素晴らしいところは、ともあれ「両者の意見を聞こう」と言う姿勢が堅持されている点だ。

 タカツの言い分だけを鵜呑みにされたら、おそらく、私は、異動の憂き目にさらされたかも知れなかった。

 私は、夜勤明け三連休であったが、連休明けの話し合いではなく、休日に会社に来て話すことにしたのは、タカツの勝手な言い分を聞いた上司どもが私へのマイナス感情を熟成させかねないからだった。

 私は、タカツの言葉の一つ一つの「嘘」を丹念に暴いていった。

 続いて、タカツの言い分の、標語と具体例の不整合について逐次糾していった。

 また、私は、タカツの「虚言癖」と「陰口気質」を丁寧に語った。

 課長は、理解を示してくれた。

 続いて、係長レベル、そして、班長レベルと話した。

 一番、私にマイナス感情を持っていると考えられていた係長だったが、劇的な変化を見せてくれた。

 私は、ただの工員だが、会社は一流企業であり、皆さん非常に温和な方ばかりなので、丁寧に語ると、ちゃんと理解してくれるのだった。

 私は、語りながら、楽しくてしょうがなかった^^

 ・・・だが、課長が、私とタカツを引き合わせて「どっちもどっち」でチャンチャンにしようとした。

 それは早急だと思ったが、私は上司の判断にも一理あると思い、反対しなかった。

 だが、タカツは、休日に私が会社に来ていることで、かなりの衝撃を覚えたようだ。

 自分の「正しさ」が皆に理解されていると思っていたのに、その自分の状況とは反対の方向に現実が進んでいるのである。

 タカツはパニック状態になり、「辞めます、辞めます」を繰り返した。

 彼は、派遣社員で、話を聞くとどうやら、とにかく自分の所属する派遣会社I社をこき下ろし、温和な方ばかりの派遣先企業に好意を持っていると繰り返し言う。

     【「自分の所属する派遣会社はビジョンを示してくれない。

          だが、この現場の仕事は好きで、皆さんも好きだ」】

 私は戦慄し、憐れんだ。

 つまり、このタカツは、「派遣会社は、正社員にしてくれない。だから、派遣受け入れ先企業で社員にしてくれ」と言いたいのである。

     ・・・【駄々っ子】である。

 そもそも、私が見抜いていたとおり、そのタカツの行動原理から考えて、正社員の適正はけしてないのである。

 また、HT社は、一流企業であるが故に、派遣から社員への安易な途はない。

 それを、課長レベルに直訴することで「どうにかなる」と考える幼児性・・・。

 ・・・このタカツと言う男は、三十歳にもなって、少しも自分を顧みることをしない。

 この場合では、全てを「派遣会社」の所為にして、自分に問題があるなどとは露ほども思っていないのだ。

 だから、休日に私が会社に出現し、タカツの思っていたと違う状況が現出し、自分の「100%の正義w」が脅かされ、パニック状態になっているのだ。

 こいつ・・・、バカだ。自分の何がおかしいのか気づいていない・・・、と、私は思った。

 私は、何だか可哀想になって優しく言った・・・。

「君は、回りが何をしてくれるかしか考えていない。<ビジョン>とか<夢>ってのは、自分で決めることじゃないのか・・・」

 すると、「話していてもしょうがないですね。僕は辞めると決めたのです」と、部屋を出て行こうとした。

 私は、そんな彼の姿を見て、苦笑いした。

 課長も苦笑いしつつ、「おい、タカツ! それはおかしいだろう・・・?」と引きとめようと後を追った。

 私は、タカツの背中に言った。

「都合悪くなると、逃げる人生かよ」

 そしたら、面白い^^

「ウガゴガゴガーッ!!」と、突如、タカツは私に襲いかかってきたのだ。

 私は、もう、状況が楽しくて面白くて、とんだ茶番劇を見せられているような気がした。

「おい、落ち着け! 深呼吸、深呼吸!」

 課長は、タカツを取り押さえた。

 私は、(こいつ、本当にバカだ・・・)と思いつつ、「私がいると良くないですね」とスルリとその場を去った。

 で、その後、タカツは、課長や係長に、二時間以上に渡って説得された。

 私は、この会社の人々の、そのあまりにもの優しさに【白けた】。

 私は、成り行きを知るために、その後も会社にいた。

 でも、廊下を歩くときは、狂ったタカツに出くわしたりしないように、細心の注意を払いながら移動した。

 何か、ゲーム『バイオハザード』をやっている気分だった。

 二時間後、タカツは、上司たちの前で、私に謝罪する。

 私は、「良かった、良かった~^^」とバカみたいに言って見せた。

 おそらく、タカツ以外の全員の思いだっただろう・・・。

 ▼・・・さて、疲れて家に帰り、戯れに、Kの本名で、インターネット検索をしてみた。

 すると、とある小劇団のマネージャーのブログにその名を見つけ出すことができた。

 Kの顔写真も載っている。

 Kのような、Kじゃないような・・・。

 でも、翌日、インターネット上で知り合った森英樹君との二人OFF会が予定されていたので、Kについて深く考えることはしなかった・・・。(2006/02/28)

 ▼[近況報告]

 (前略)・・・そんな折、問題が起こった。
  職場で、暴力騒ぎだ。
  私は寝ていたのだが、電話で叩き起こされた。
  問題児は、 [二月は色々あった・・・「男たちの挽歌」(2006/02/28)]で、私といざこざを起こしたタカツであった・・・。
  二月の事件が起こった後、私の上司・クダカさんが言った。
 「まあ、あ~ゆう人間は、<遅かれ早かれ>大問題を起こすだろう・・・」
  私は、首を振りながら、
 「そうですかねえ・・・」
  と、呟いたものだった・・・。
  クダカさんの予測は当たっていたのだ。
  私は、「俺もまだまだだな・・・」と思ったのだ。

                                          (2006/05/04)

 ▼てな訳で、この再掲した「男たちの挽歌」には、新作の後篇がつく。
 私が、二月の事件のときに、上司たちに出した手紙があるのだ。
 そのうち、公開したい^^

                                                     (2006/06/04)

     #     #     #     #

 私の部署のHT社の方たちは、本当に優しい方ばかりだった。

 社員のほとんどが、学校を出て就職、そして、今に至っていた。

 古き良き日本の雇用システムのいい面を、私は見させて貰っていたような気がする。

 しかし、派遣会社I社の派遣社員が導入され、しかも、の、ろくでもない人間が多数入ってきた。

 現場は狼狽し、歯車が狂い始めていくのだった・・・。

                                                     (2008/04/03)

   ◇

 私は、自分が正しいと思ったときには、ほぼ100パーセント、公(おおやけ)で勝てる自信があり、うん、勝ってきた。

 簡単である。

 私は、自分が間違えたときには即座に謝罪・反省するからだ。

 そして、日本社会は、ちゃんと思慮をもって語る人間に対しては公正な判断を下すものだ・・・。

 ちなみに、現在の世の中の理不尽さは、外国(中国や半島、欧米も)が関係するから生まれてくるのだ・・・。

                                                     (2011/01/23)

[映画『ネスト』を観た]

2011-01-22 23:31:14 | 物語の感想
☆・・・今、アフィリエイトを模索しています^^

 ちょっと文章のリズムを崩してしまうかも知れませんが、試行錯誤してみますね^^

   ◇

 「ケビン・コスナー、デビュー30周年記念作」をうたっているが、これって、日本の配給会社の勝手な「記念作」扱いだべ^^;

 しかし、久し振りにスクリーンで見たケビン・コスナー、相変わらずいい男だが、さすがに年を経てるなぁ。

 私には、私の青春時代と重なる颯爽としたケビン・コスナーの姿しか記憶にないので、いささかショックを感じた。

 でも、抑え目な演技ながらも、静かなシーンにこそ随所に上手さが見えて、よくあるパターンのホラー作品を格調高く見せてくれた。

 この作品を「よくあるパターン」として見てしまった、一番似ている作品としては、フリードキン監督の『ガーディアン/森は泣いている』があろう。

   家族で郊外に引っ越してくる ⇒ 家族に謎の変調 ⇒ お父さん、自然の生んだ悪霊とバトル

 『ガーディアン』から物語の幾つかの要素を交換したら(森の精霊信仰薀蓄から、先住民の古墳薀蓄へ)、この作品『ネスト』の出来上がりだ。

 ・・・と、バカにするのは簡単だが、世の中の物語の生成なんて、結構、こんなものである^^;

 『ガーディアン』においては、ラストの父親の奮闘の姿が、とても、『フレンチコネクション』や『エクソシスト』を撮った監督とは思えない稚拙さで失笑ものだったのだが、

 『ネスト』においては、最新の技術を使い、主人公のケビン・コスナーに華を持たせる活躍の場ではあった。

 ホラー映画にありがちな、突然の大音響や驚かしがなかったのも良かった。

 でも、音響は良かったね。

 これでもかと色んな怖いサウンドを組み込んでいた^^;

 離婚して引っ越してきた家族は、父親にケビン・コスナーと、弟に『チェンジリング』のアンジーの子供役の男の子、そして、悪霊に取り憑かれる姉役に『パンズ・ラビリンス』で輝いていた美少女イバナ・バケロを配して、演技陣は完璧な布陣であったし、それは成功している。

     
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・・・これも傑作!

 ・・・物語の前半は、娘の変調に際し、「思春期の娘への対応に苦慮する父親」と言うテーマをおざなりにではなく見せてくれて好感だ。

 イバナ・バケロだが、まだまだ、少女としての魅力がたっぷりあった。

 生意気な目つき、生意気な「下目使い」、高慢な頬骨、分厚く自信たっぷりに閉じられている唇。

 美味しそうな太もも、けれど、貧弱な二の腕、くびれたウエスト。

 そして、ボリュームのあるカールしたロングヘアー。

 後半の『エスター』化したシーンは頂けませんが、私、充分に堪能させて頂きました^^

     
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・・・面白いゾ^^

 今回は、ファッションも流行を取り入れていて、「優等生」な外見のイバナ嬢のミスマッチの新しい魅力が見れました^^

 さて、この作品においては、クリーチャーは、物語の序盤に意外にも姿を現わすので、クライマックスでの大挙としての登場に、まあ、違和感は少ないのだが、

 そのエンディングは、物議を醸すだろうな(と言うほどの注目作とも思えないが^^;)。

 素直に解釈すると、バッドエンドの終局(父親は家族を失う)で、そこに、作り手のこだわりが見えるのだが、こだわるほど、それまでの展開に描きこみが足りないような気もした。

 家族を見守る先生も、唐突に雇った家政婦さんも、先住民の古墳の研究家の教授も、その助手も、もうちょい物語に絡ませるべきだろう。

 それと、クライマックスで、イバナが<古墳人間>にCGで変化するのも興醒めだった。

 「よくあるパターン」の物語なれど、最新の技術で、大いに「見れる映画」になる可能性を秘めているのに、その最新の技術の「やり過ぎ」が見られた・・・^^;

                                                        (2011/01/22)

[背中合わせの成長と喪失 <イバナ・バケロ>]

2011-01-21 19:43:10 | 物語の感想
☆明日、優等生美少女の最高峰<イバナ・バケロ>出演の新作『ネスト』が公開される。

 正直、作品の完成度は分からないホラー作品だ。

 私は、この作品を見るのが恐ろしい・・・。

 ホラー作品としての恐怖ではない。

 あの『パンズ・ラビリンス』の少女オフェリア役で美しかったイバナ・バケロが、成長とともに、どのように老いてしまったかを目の当たりにするのが恐ろしいのだ。

 少女が「女」になることは、「老い」以外のなにものでもないのである。

     《[映画『パンズ・ラビリンス』を観る (美少女は人類の宝)]》(クリック!)

 
パンズ・ラビリンス
黒坂みひろ,ギレルモ・デル・トロ
ゴマブックス


 ついでに言えば、幼女が少女になるのも「老い」である^^

 ・・・でも、私は『ネスト』を観るだろう・・・。

 成長したイバナ・バケロに、少女時代の片鱗と、その喪失感に身を捩ろうと思ふ。

   ◇

     (かつての<イバナ・バケロ>写真集)

 ・・・王道<エプロン・ドレス>

 ・・・ちょいと高慢にあごを上げている

 ・・・怯える少女

 ・・・なんとなくよそ行き

 ・・・屈託なさとバスタイム

   ◇

 仮に、イバナ・バケロがもう少女性を失っていたとしたら、私は、もう一人のイバナ・・・、イバナ・リンチに賭けようぞ!!!

  
                                ・・・「か~けちゃうぞ ピ~ピピッピ!!!」

                                                    (20111/01/21)

[感謝されないヒーローたち(『ザンボット3』『どろろ』『ワーロック』)]☆

2011-01-20 20:42:18 | 物語の感想

☆・・・最近、ずーっと、『マクロスF』のシリーズをレンタルして見続けている。

 これ、テレビで放送されていたんでしょ? すっごく絵も動きもグレードが高いのだが・・・。

 Wヒロインのシェリルもランカも、どちらも魅力的で楽しい^^

 この<GOOブログ>のマイページのTOPもランカのデザインにしております^^

 シェリルのデザインがあったら、そっちにするんだけど^^

 てな訳で、[2007/02/12]と[2005/02/09]に書いたアニメのお話でも再掲しましょうか・・・。

   ◇

 ・・・(2007/02/12) 
 
 ここ、二三日、『機動戦士ガンダム(1979)』の作画を担当した安彦良和が、なんか脚光を浴びている。

 産経ビジネスでのインタビュー <安彦良和さん「ガンダム、お粗末すぎて見ません」>(今は記事の公開が終了されている)
   
 や、『2ちゃんねる』では、こんなスレッドが急速に消費されている。

   【憲法】「なめられて平気なのか」という今の嫌中嫌韓とセットの改憲論は、
                      サブカル的…安彦良和★3[02/11]

 このスレッドのソースは、東京新聞の記事 (今は記事の公開が終了されている)。

 まあ、それらについて語る訳ではない。

 私は、『ガンダム』を「お粗末」というのならば、同じく富野由悠季監督と安彦氏が組んだ『ザンボット3(1977)』など思い出したくもないんだろうな、などと思うのだ。

 しかし、幼少時の私の人格形成上、『ザンボット3』程に影響を与えてくれた作品はない。

     

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 以下、2005/02/09の再掲・・・。

≪▼『無敵超人ザンボット3』は、今から四半世紀ほど前のテレビアニメである。

 正義の巨大ロボット・ザンボット3が、宇宙人の侵略から地球を守る・・・。ひとことで言うと、そんな良くあるパターンのアニメではあった。

 実際、子どもの頃の私は、そんな予定調和を期待して見ていたものだ。

 ▽しかし、その内実たるや、とてつもない現実を突きつけてきた作品だった。

 第一の特筆は、その全篇のクライマックスで、悪の侵略者ガイゾックを前にして、対する正義の一族・神ファミリーの、その一族郎党が、ほぼことごとく、敵に特攻して散華していくという物語である。

 主人公(12歳)こそ、最後には生き延びるのだが、その従兄弟である15歳・14歳は若い命を散らす。

 一族の長老夫婦も、敵に突っ込んで死ぬ。

 一族の各親父も、それぞれ、壮絶に死ぬ。

 兄ちゃんも死ぬ。

 愛犬も死ぬのだ。

 「こ、これはどういうことだ!?」

 小学生低学年の私は、目の前で繰り広げられる状況についていけなくて、唖然としたものだった。

        【一族総玉砕】・・・。

 後に、その原因を子どもながらに解析しようと試みた時、それは、それこそが「トラウマ」となって現われるのだった・・・。

 ▼この物語は、毎週30分の23話の連続アニメであったのだが、そのクライマックスだけが特筆だったわけではなく、その物語全篇は、普通のロボットアニメでは考えつかないような絶望に覆われていたのである。

 第二の問題、【人間爆弾】・・・。

 宇宙の侵略者ガイゾックは、駿河湾一帯を拠点とし、地球人絶滅に乗り出す。

 その一番卑劣な手口が「人間爆弾」であった。

 捕らえた人間を殺すでもなく、その体に爆弾を埋め込み、釈放して、後に仲間のもとに帰った時に、爆発させ、被害を大きくするのである。・・・「人間爆弾」は、神経と絡み合い、除去不可能なのである・・・。

 こ、こんな話・・・、子どもに見せて良いのかよ^^;

 でも、私は、そう言った物語から、命の大切ささえ学ばされた。・・・と、済ませたいのだが、物語はそれでは終わらない。

 ▽「人間爆弾」の恐怖は、数話に渡って語られるのだ。

 「人間爆弾」の手術を施されてしまった人間は、背に星型の手術が痕あるので、それで分かるのだが、主人公(12歳)は、恋する美少女の背に、その星型を見て悲しみに絶叫するのだ。

 そして、「人間爆弾」にされてしまった人々は、死期を悟り、一人また一人と仲間の下を去っていくのである。

 彼方では、ドゴーン! ドゴーン! と周りの者に迷惑をかけずに爆死する人々の爆発音が聞こえ、夜空を赤く燃やすのだった・・・。

 ▼ガイゾックの侵略は、容赦なく、駿河湾岸の町を破壊しまくります。

 普通の、それまでのロボットアニメならば、翌週には、その町は修復されていたものです。

 例えば、『マジンガーZ』の光子力研究所などは、毎回バリヤーが破られて、機械獣にメタクソに破壊されてましたが、次の週にはケロッとして「全快」していたものです^^;

 だが、『ザンボット3』における駿河湾の町は、翌週の放送でも復興されぬままで、被災者の【難民キャンプ】まで出来ていて、多くの住民が避難生活を送っているのです。

 主人公一族の神ファミリーは必死になって戦い、駿河の町にこれ以上の被害を出さないように奮闘します。

 ・・・しかし、戦い終わって、町に戻ると、神ファミリーは、被災者に石を投げられるのです。

      【『お前等がいるから、ガイゾックは襲ってくるんだ~!』】

 かくして、神ファミリーは、石持て町を追われ、・・・だが、ガイゾックが襲ってくると、住民に嫌われつつも、住民のために戦わなくてはいけないと言う、「やるせない」展開を見せるのです^^;

 ▽こう言った展開は、手塚治虫の『どろろ(1968)』にもあった・・・。

     

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 どろろと百鬼丸が、苦難の果てに妖怪を倒すと、助けてもらったはずの村人たちが、百鬼丸の「鬼神」の如き戦い振りを見て、「お、お前こそ! 妖怪だ! 出てけーっ!」となるのである。

 どろろは毒づきながら、百鬼丸とともに、妖怪から解放された村を後にするのでした・・・。

 ▽でも、私は、この話のオリジナルと思われる話を知っている・・・。

 それは、『ワーロック(1959)』にある。

     

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 エドワード・ドミトリク監督の西部劇である。

 (キャスト)リチャード・ウィドマーク ヘンリー・フォンダ アンソニー・クイン

 監督のエドワード・ドミトリクは、ハリウッドにマッカーシズムが吹き荒れた40年代末から50年代中頃に、赤狩りに遭って投獄され、共産党員であったことを告白した際に、仲間の名前を暴露したとして批判された経歴がある(エリア・カザンと同じだ)。

 そんな背景が色濃く感じられる作品だが、この作品には、主人公が、助けたはずの村人によって村を追われる、と言う話の原型が見て取れる。(2005/02/09) ≫

 さて、そんな『ザンボット3』の<人間爆弾>についての動画を見つけたので、リンクさせておく。

   《無敵超人ザンボット3 星が輝く時》(クリック!)

 とにかく、たかだか5分くらいの映像だ。

 大人も我慢して黙視せよ!

 これが、<人間爆弾>だ!!

                                                     (2007/02/12の再掲)

   ◇

 ・・・(2011/01/20)


[言葉の深み(2006/03/30の再掲)]

2011-01-19 20:54:57 | 保守の一考
▼(産経抄 2006/03/27)

《▽中国人詩人の田原氏と話をする機会があった。一九六五年の生まれとまだ若いが、仙台を拠点にすでに日本在住十五年、日本語で詩も書く。『谷川俊太郎詩選』を中国語に翻訳、それが出版され中国文学界に谷川詩ブームを起こした仕掛け人でもある。
 ▽谷川さんの「襤褸」という詩の冒頭はこんなふうに訳される。「詩歌/在天亮之前/誕生」(夜明け前に/詩が/来た)。ひらがなまじりの日本現代詩と漢字だけの中国詩はまったくリズムが違うのに、朗読すると同じ時間的空間的な感覚が広がってくる。
 ▽二つの言語の違いについての理解と愛着のなせるわざだろう。「垂直に落下する梅の香りは梅雨に濡れない…」(『梅雨』より)。田氏のつくる日本語詩も助詞が生み出すリズムが美しい。
 ▽「現代詩といえば毛沢東賛歌しか書けなかった時代も長かった」という中国で、平易だが深く美しい谷川詩への反響は大きかったそうだ。「現代中国詩発展のための重要な参考」と詩的な表現ではないが絶賛されて昨年、その訳詩選集が中国で出版された優れた東アジア文学に与えられる「二十一世紀鼎鈞双年文学賞特別賞」を受賞した。
 ▽筆者が生まれて初めて出合った現代詩は、やはり谷川詩だった。「かっぱらっぱかっぱらった…」。ぼろぼろになるまで繰り返し読んだ名作絵本詩集『ことばあそびうた』は、日本語のもつ妙、リズム、面白さを幼心に刷り込んだ。
 ▽それなのに…と、いい年になったいま考えさせられる。大量の外来語や安易な略語、流行語にさらされているうち、自分もまたぞんざいな日本語を使うことに無感覚になってはいまいか。美しい日本語への愛着を示してくれた外国人と別れたあと、古い詩集を引っ張り出した。》

▼いい話だなあ、と思って読んだ。

 短歌や俳句なども、多言語に訳されてたりするものを読むと、不思議と深意が伝わっていたりするものだ。

 ただ、谷川俊太郎ブームとは言っても、中国の膨大な人口の0.00000001%位なんだろうなあ^^;

 今、調べたら、中国の文盲の率は5%もあるらしい。

 ちなみに、韓国は25%なんて記事があったのだが、ホントかよ^^;

▼(ネットで拾った。翻訳なので変な日本語、朝鮮日報の記事らしい^^; いちお、手直ししてみたよ。微妙に意味が違ってしまっているかも知れないが、許してね)

  《大人の25%、ハングルを書く事ができない。政府対策 「文盲」》
 我が国の、大人4人のうち1人が、文盲であるにもかかわらず、政府は、実態調査さえ行わず、無関心であると、指摘を受けている。
 学界の、碑文垓字(文盲)教育を担当してきた民間のハングル教育機関たちは、最近 、大人の文盲が25%にのぼると、これまでの政府が、1960年の古い調査結果を土台で文盲を 2~5%位と途方もなく低く取っていると批判した。
 「碑文して」と言うのは、ハングルの読み取り・書き取り・数えるのが、全然不可能とか、もしくは可能だとしても、これをまともに理解することができなくて、手紙を読んで書くとか、銀行などでの用事を出来ないなど、生活に莫大な差し支えを与えることを意味する。学界では、卑下表現である「文盲」の代わりに「碑文して」と言う言葉を使っている。
 去年、韓国教育開発院が、満19歳以上、全国の大人3千名を対象で調査した結果を見れば、小学校 6年生水準の読み取り・書き取り・数えることが、全く不可能な「完全碑文垓字」が8.4%も現われた。
 また、少し複雑な読み取り・書き取り・数えることに難しさを感じる大人まで含めば、大人4人のうち1名ずつである24.6%人が「碑文垓字」と調査結果が出された。
 「完全碑文垓字」は、60~70台の年寄りで、おおよそ、34~76%にのぼり、農村は42%、女性の場合は、男性の三倍にのぼるなど、高齢者・農村・女性の「完全碑文垓字」が深刻だと調査された。
 政府は、50~60年代の初め、人口調査過程で、「手紙を読んで理解できる・できない」式の単純調査を通じて出た8~9%の文盲率に、その間の就学率上昇を考慮して、現在、「完全碑文垓字」を2~5%と推定いる。ユネスコは、こういう数値を根拠にしても、毎年発表する世界各国文盲率順位で、韓国を高い順位にしている。
 だが、教育省・文化観光省・統計庁などの関係者たちは、「私たちの国は、最近、文盲率統計を取っていない」と、国際機関への資料提出自体を否認している次第だ。
 金信一ソウル大国語教育科教授は「政府が、これまで30余年間、公式的に、文盲の調査を実施することのないまま、非科学的調査結果を土台で統計を出してきたせいで、その深刻性がそっぽを向かれて来た」と「全国的文盲調査が急務だ」と強調した。
 ハングル学校を運営中の、安養市民大学博士屋校監は「政府は、大部分が零細な教育機関・団体のために財政支援と教師養成・教材開発などに支援を出して欲しい」と言った・・・。

▼・・・と、これは私が書きたかった話ではない。

 そもそも、私は、谷川俊太郎について、ちょいと書きたかっただけなのだ。

 私は、よく、表面上は下品な文章を書く。

 ウンコ・チンコ・マンコ・オッパイが良く出てくる。

 そういう言葉を書いていても、文脈で読み取って貰えば、自分の真意が読者に読み取って貰えると思って書いてるし、どうやら、私は、ウンコチンコマンコについて書くのが大好きらしい。

 いつも、そういった言葉を書くときに思い浮かべているのが、谷川俊太郎の詩だった。

 ・・・こんな詩があるのだ。

   ===男の子のマーチ===

 おちんちんはとがつてて
 月へゆくロケツトそつくりだ
 とべとべおちんちん
 おにがめかくししてるまに

 おちんちんはやらかくて
 ちつちやなけものみたいだ
 はしれはしれおちんちん
 へびのキキよりもつとはやく

 おちんちんはつめたくて
 ひらきかけのはなのつぼみ
 ひらけひらけおちんちん
 みつはつぼみにあふれそう

 おちんちんはかたくつて
 どろぼうのピストルににてる
 うてうておちんちん
 なまりのへいたいみなごろし

▽現代詩人の最高峰が「ひらけひらけおちんちん」である^^;

 こんなのありなんだ・・・、高校時代の私は興奮した!

 だって、素晴らしいじゃないですか^^

 ・・・「鉛の兵隊皆殺し」ですよ。

 正直、上記の詩の文学的意味合いは、私には見出せない。

 だが、谷川俊太郎の文学的評価を下げるようなことはあるまい。

 ましてや、この内容で、その思想的な背景を限定されることもあるまい。

▼オチンチンやウンコや糞マンコと書くと、とたんに下品と感じる人間がいるが、本当の下品と言うのはそんなものじゃないんだよね。

 そう言った言葉を、反射的に遠ざける人物は、「平和」と言う言葉に酔いしれるテロリスト擁護派(左翼)と同じだ・・・。

 私利・私欲・私怨で、共同体(国家)を破壊しようとするヤカラ・・・。

 思想なく、日和見(パワーバランスを抜け目なく見て)で自分の意見をコロコロ変えるヤカラ・・・。

 標語に呪縛され、物事の例外を認めようとしないヤカラ・・・。

 自分のコミュニティを保つために、外界を認めないヤカラ・・・。

 私は、「専守防衛」の人間であるから、かように下品なヤカラに対しては、全力をもって打撃を加えます。

 そこに容赦はありません。

 「和」を乱すヤツには、徹底的な言葉の砲撃を加えます。

 <撃て、撃て、オチンチン!>です。

 <鉛の兵隊、皆殺し!>です。

 なーに、所詮は言葉、人間はしぶとく、何ら変わらずに這い上がってくるのである。

 私は非常に優しい人間であるから、本当の弱者に「言葉の暴力」を向けたりはしない。

 驕りたかぶった人物に「言葉の武力」を行使するのである。

 文学は、虚学などではけしてなく、【人間の心を直撃】できる最高の実学である。

 私は、私に、些少ではあるが文章能力があって良かったと心から思っている。

 どんな卑劣な野郎とでも戦える武器となり得るからである。

  PS・私の卒業した高校の校歌は、作詞・谷川俊太郎、作曲・團伊玖磨と言う豪勢なコラボ(^^;)でした。

                                                           (2006/03/30の再掲)

[虫の知らせが当たったよ・・・^^;(つくる会からのお誘い)]

2011-01-19 18:52:18 | 保守の一考
☆私は予言者みたいなところがあって、ピンポイントで語った、時事ニュースに即した具体的な予測がドンピシャで当たることがある。

 一番、世間様を驚かせた事例が、かつての、少女誘拐殺人事件について、私はニュースで被害女児に妹がいると聞いていたので、「妹に注意せよ。このような犯罪の加害者は味をしめる」云々と記したら、翌日に、犯人から「次は妹だ!」と脅迫文が届いたのだ。

 で、そういった事例とは別に、何故だか、「虫の知らせ」みたいな感じで、久し振りに過去のことを書いたりする。

 昨日のエントリーにおいての、「私を訴えた<新しい歴史教科書をつくる会>」についてのトピックだ。

 すると、今日、ポストに入ってましたよ。

 <新しい歴史教科書をつくる会>からの講演会のお誘いハガキが!!!

   

 四年振りぐらいか・・・?

 一回、<つくる会・東京支部>の日野市議の渡辺眞が、手紙を送ってきたよな・・・。

 ・・・なんちゅうか、かつて訴えた相手に、イベント開催のお知らせを送る神経が私には分からない。

 私は不起訴だそうだから、<つくる会>が、私に誠心誠意謝罪し、平身低頭し、無料招待は当然で、帰りに手土産(虎屋の羊羹)をもたせるぐらいの歓待ならば、講演会の参加もやぶさかではないが、現状では、とてもとても行く気にはなれないゾ^^;

 てゆーか、登壇者に、今、悪にときめく高森明勅先生がいるじゃないですか・・・。

 私は、その対立軸にある新田均・松浦光修両先生に多くを学んでいる最中ですぞ^^

 <日本教育再生機構>の熱心な会員でもありますし、

 顔のひん曲がった藤岡信勝<つくる会>会長よりも、最近、貫禄の出てきた八木秀次<再生機構>理事長を支持していますよ^^

 だから、ハガキの印刷代や、50円切手が無駄なので、私には送らないように・・・^^v

 まあ、弟が「俺らがマジで講演会に参加したら、奴ら(つくる会側)はビックリするだろうな!^^;」とは言ってましたが・・・。

                                                      (2011/01/19)

[映画『ソーシャル・ネットワーク』を観た]

2011-01-16 19:22:59 | 物語の感想

☆う~む、面白い!

 が、非常に不愉快な作品でもある。

 冒頭の主人公マークの、女の子とのデートでの会話の不安定さから、物語に非常に引き込まれる。

 頭は良いのだが、思考回路が高スピードで、しかも拡散していて、妙なプライドももっているマークは、会話相手の女の子に愛想をつかされる。

 若い頃の自分の経験の断片と重ね合わせてしまい、物語の冒頭からいきなり考えさせられるのだ^^;

 ・・・つまり、私が言いたいのは、この作品は現代アメリカ版『人間失格(太宰治)』的なよそおいを持っているのじゃなかろうか、なのだ。

 『人間失格』なども、読者は作品の主人公のマイナス面に自分を重ね合わせてしまうじゃない。

 で、マークは酔っ払って帰宅し、腹いせにパソコンで、その女の子の在籍するボストン大学の学生名簿をハッキング、美女番付プログラムなんてのを即座につくり、それが高アクセスになってしまい、顰蹙を買う。

 その後、アメリカンオタクの代名詞マウンテンデューなどを飲みつつ、彼のプログラミングの才能に魅かれてきたエリート兄弟のアイディアをパクリ、親友のエドゥアルドと、大ヒットすることになるSNS<フェイスブック>を開設する。

 更に、<フェイスブック>の底知れない可能性に引かれたネット山師ショーンや、各種ベッピンさんなどと絡みつつ、物語は、その後、三つ巴・四つ巴の裁判沙汰の渦中から過去を回想していく形式をとる。

 どこが面白いのか分からないのだが、観ていて、グイグイ引きこまれた。

 冒頭のタイトルバックで、マークが長々と小走りしながら寮に帰宅するシーンからして目が離せないので、おそらく、見ている私は、最初の、マークが嫌われるデートのシーンからして、マークの「負の魅力」に惹きつけられてしまっているのだろう。

 デビッド・フィンチャー監督の思惑通りってやつだ^^;

 マークの個性に慣れてきた頃、ネット山師ショーンが物語に登場し、これまた、マークとは異なった、観ている者に自省の罪悪感を植えつけてくるような人物造型なので、面白くも気が滅入った^^;

 ショーンが連れている女(少女)どもが、これまたみんな極上娘なんだ^^;

 さて、この作品で気に入った台詞を最後に記す。

 自分らのアイディアをマークにパクられ訴えることにした、ハーバードのエリート・ウィンクルボス兄弟へのマークの、ある意味、核心をついたひと言。

   「彼らは、初めて、自分の思い通りにならないことが起こったから怒っているんだ」

 あ、もう一つの心に残った台詞。

 ショーンに会社を乗っ取られ、「趣味の悪い服着やがって!」と言われたエドゥアルドのひと言。

   「プラダはクリーニングに出しているんだよ!!」

 笑った^^

                                                    (2011/01/16)


[私の1991年のメモ日記・19 <皆勤賞ワヤ、リンチ鑑賞>]

2011-01-15 19:23:46 | 1991年の日記
☆このシリーズも、ちょうど20年前になりましたね^^v

   ◇

 1991年1月14日(月)

 <バイトの後、新宿へ。オスカーで岡本喜八監督の『大誘拐』を観た。紀州一の大金持ちのおばあちゃん(北林谷栄)を誘拐した三人の男が、逆におばあちゃんに振り回されるコメディだ。どうも僕は、このコメディと言うジャンルに興味がない。ギャグでは笑えるのだが、コメディでは笑えない。「巨匠」と呼ばれる喜八監督が、軽いノリ(良い意味)で作っているのは好感である。マスコミに対しての風刺が効いていて、結構クスクス笑わせられるも、多彩な個性的な人物を生かしていない。筋の省略も激しく訳が分からないときがある。そして、一番の酷さは関西弁の活舌だ。音がこもって聞えないよ。新宿オスカーの音響設備が悪いのかなあ。シナリオ重視でありつつ、クライマックスのシナリオが破綻しているのだが、北林谷栄の魅力で楽しめる一編。おっと、それから、丸山さんに一万円借りる>

 最近の私は、コメディが大好きである^^

     

   ◇

 1991年1月15日(火)

 <休日にもかかわらず、丸さんと池袋へ行く為に早起き。文芸座で『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』『3』大会だ。中野駅で電車を待っていると、晴れ着の女性が美しい。成人式なのでニ十歳だろうに、僕よりも大人っぽい。午後2時、マーティとの旅に疲れながら観終えた。三観目ながらも、やはり『2』は傑作、『3』もまあまあ、丸山さんも満足していたが、「デロリアンは二台あるのか?」と時間のパラドックスに悩んでいた。デロリアンは一台だよ^^; 丸山さんと別れ、僕は新宿トーア2へ、待望の『ワイルド・アット・ハート』だ。少々、大衆化してしまった感のあるD・リンチだが、カメラの美しさ、テンポの良さ、N・ケイジの蛇革ジャケット(本人の自前らしい)、選曲の良さ、W・デフォーの不気味さ、I・ロッセリーニも良いね。しかし、あれだけ好き勝手にぶちかましながら、最後に「ラブ・ミー・テンダー」だぜ、全く、ジンときちゃう>

 もう10年以上、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを観ていないけど、<バック・トゥ・ザ・フューチャー・シリーズ三部作大会>をどこかでやってくれないだろうか、俺、観に行くよ!

 

 

 D・リンチで思い出したのだが、

 そう言えば、ミニシアターの閉館が続いているらしいが、シネマライズは3スクリーンから一館に規模収縮し頑張っているそうだ。

 私、高校三年間を皆勤賞で過ごしたのだが、一度だけ、早退している。

 そう、D・リンチの『ブルー・ベルベット』の試写会かなんかに、このシネマライズに、制服ブレザーで観に行ったのである!(でも、公開日とか考えると計算が合わないんだよなぁ^^;)

     

                                                    (2010/01/15)

[近況報告 (54・ナマコ外れ)]☆

2011-01-14 22:57:18 | 新・街を行く

☆(以下の文章は昨日書いたのだが、酔っていて、更新するのを忘れていた)

 帰宅して、焼酎がなかったので、日本酒<八海山>があったので飲んでいたら、かなり酔ってしまった。

 でも、頑張って書いてみる。

 今日のバイトは、多摩センターで活躍した。

 ここは、<サンリオ・ピューロランド>もあるし、<多摩クリスタル>もあるし、清濁併せ呑んだ不思議な新興街区だ。

 むかーし、仲間と<多摩クリスタル>に行ったことがあるのだが、一緒に行った仲間の一人が、「事後」の待ち合わせに決めていたセブンイレブンになかなか来ない。

 遅れて戻ってきた仲間に事情を聞くと、私が相手をしてもらったロシアの美女が戻ってくるのを待って指名したとのこと・・・。

 私は、それを聞いて、なんかそいつに「いや~な気持ち」を抱かされたものだった。

   ◇

 元々は田舎の丘陵地帯を切り開いた多摩市は、数多くのマンションがある以外は、以下の写真のように、幹線道路にススキが繁っていたりする。

     ・・・遠くに塔が。

 トイレに行きたし、されど、コンビニでトイレを借りるのは、喉も乾いていないのに缶コーヒーなどを買わなくちゃいけなくてヤダなぁ、などと考えていたら、不意に公衆トイレが出現した。

     

 別に公園があったわけではなく、道沿いに、突然、現われた。

 早速、用を足す^^

   ◇

 さて、作業は予想以上に早く終わり、私はバイトのときはあまりお昼休憩などは取らないのだけど、マクドナルドで、<テキサス2>バーガーのセットを食べつつ、ゆっくりした。

     

 それでも、事務所に戻るのが早過ぎて、他の仕事をやらされた。

 この会社は、ホント、私を「必殺技」の如くに多用する。

 まあ、いつも、日給の三割ほどを上乗せしてくれるので、嬉しいのだが・・・。

  PS.新しい彼女ネタは書くのを我慢する^^;

   ◇

 で、寝る前に、海宝真珠ちゃん近況ブログを覗いていたら、ショックなことがあった。

 先月、真珠(まこ)ちゃんが「イベントをやる」とブログに書いていたので、

その日取りを知ったら、生マコちゃん、略して「ナマコ」を見に駆けつけようと決めていたのだが、昨日の更新で「イベントに来てくださって、ありがとうございました」と書かれていた。

 ・・・もう、終わっていたのだ。

 なんか、仲間外れにされたようで、とても悲しい・・・。



                                                     (2011/01/14)


[映画『アンストッパブル』を観た]

2011-01-12 23:39:17 | 物語の感想
☆トニー・スコット監督は、先にもトレイン・パニック物『サブウェイ123/激突』を撮っているが、それは残念ながら、駄作だった。

 しかし、今回の作品は、私、公開前から設定に胸を踊らせていた。

 やっぱり、機関車にしても特急にしても、暴走したものを停める、また、それを成し遂げるのはすねに傷を持つ男たち、と言う設定は、見る者の血をたぎらせてくれるのである。

 どっちが上かはどうでもいいが、兄弟のリドリー・スコット監督は、近作の『ロビンフッド』など、最近では男映画の大家となっているが、トニーも負けずに、ヒロイックなものとは異なる、市井の中でヒーローとなる男たちの瞬間を、この作品できっちりと描いてくれた。

 早期強制退職を言い渡された勤続28年のベテラン機関士を演じるデンゼル・ワシントンも、

 夫婦の不仲が裁判沙汰にまで発展している、親のコネで今の職についた新米車掌を演じるクリス・パインも、

 暴走機関車を追っていく過程で、徐々に活きの良い掛け合い演技を見せてくれる。

 だが、何よりも、この作品では、トニー・スコット監督のスタイリッシュなカットバック映像が、暴走する電車のスピード感表現に見事にはまっていた。

 「鉄道は凶器」と言うことが、2時間弱の上映時間ずっと思い知らされた。

 序盤からノンストップで緊張が途切れることなかった。

 暴走する機関車、追走する機関車、それぞれの面構えも、機能的でありつつも、『恐怖の報酬』や『激突』のトラックみたいに味わいがある。

 それぞれが、前者は赤、後者は青と、色のイメージ通りの動きを見せてくれていた。

 また、やや薄味ながらも、事件を取り巻く各所に、個性的な人物を配しているのも良かった。

 作品全体の切れ味も素晴らしく、そのサッパリした鑑賞後感に、私は非常に満足しつつ、映画館を去るのだった。

  PS.タイトル写真は、作品内にはなかった構図だが、主役二人が機関車の前部に立っていると言うナイスショットで、作品の雰囲気が出ているので使わせて頂きました^^

                                                    (2011/01/12)

[与党民主党考・117 「稀代のバカ・鳩山」]

2011-01-11 22:57:43 | 保守の一考
☆未だに・・・、い・ま・だ・に! こんなキチガイ発言を繰り返している・・・。

   《鳩山前首相、民団新年会で「参政権、大きな道を開く年に」(産経 2011/01/11 13:08)》

 <鳩山由紀夫前首相は11日、都内のホテルで開かれた在日本大韓民国民団(民団)の新年会であいさつし、「皆様方の悲願である(外国人)地方参政権の付与に関して、大きな道を開く年にしていこうではないか」と述べ、改めて付与実現を目指す考えを強調した。>

 誰か、こいつを早く「友愛」してくれないかなぁ・・・。

 (注)・・・ここで言う「友愛」とは、スラング的に「消す」「粛清する」を意味します^^;

 まあ、オウム真理教で言うところの「ポア」みたいなものだ^^;

 以下の引用の「地球市民」は、鳩山言うところの「友愛」と同根です・・・。

   ◇

 <日本教育再生機構>の会報「教育再生(1月号)」記事「中国の正体 こう教えよう」より

 ・・・八木秀次・日本教育再生機構理事長 『日本の義務教育を終わる中学校社会科の最後のページには「地球市民を目指して」と書いています。「国民になりましょう」ではないんです。ユートピア思想というか夢物語というか・・・。』

 ぺマ・ギャルポ・桐蔭横浜大教授 『偽善者ですね、そういう教科書を作っている人は。』

 八木 『悪意があると思いますね。国民意識を相対化して、日本国民がみんな「地球市民」だと意識を持てば、日本を侵略しようと思っている国にとって一番都合がいいんです。』

 石平・評論家/拓殖大学客員教授 『そうですね。問題は、日本人が勝手に「地球市民」だと思っても周辺の国家の国民は誰もそうは思ってません。』

 八木 『憲法教育や政治教育で強調するのは、日本国民前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」ですが、まず「平和を愛する諸国民」と言うのが嘘です。「我らの安全と生存を保持」するために「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」する。「我らの努力」ではないんです。自分の国は自分で守ると規定してないんです』

 石 『日本国憲法はまず世界認識を間違っています。その幻想の上に国民の存立を託すということは、国家の義務を放棄しているということです。』

 ぺマ 『資源の問題や地球温暖化など地球的課題を解決するために「地球市民」的な考え方をするのは構いません。しかし国家を否定するのは完全に間違っています。理想を掲げるのは結構ですが、現実を教えなければなりません。それが教育です。』

 石 『いや、「地球市民」を理想とすること自体が日本の国益の障害になっているんです。国家を破壊することを前提とした、悪意に満ちたイデオロギーですよ。』

 ぺマ『「地球市民」と地球的規模で物事を考えることは区別しなければなりませんね。明治維新の志士たちのほうが、今よりもはるかに地球的規模で物事を考えていました。』

 石 『しかも国家意識を基本にしていました』 ・・・

   ◇

 鳩山の「友愛」は、国家間のコミュニケーション不全の極みである・・・。

                                                     (2011/01/11)