井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

恵庭岳(1,319m) 11年6月

2011-06-08 15:11:35 | 札幌近郊の山
やっと新緑の季節になってきた北海道!
今回は札幌の近郊、支笏湖の畔にある恵庭岳へ登ります。

恵庭岳は札幌から車で40分ほどの距離にあります。
標高千3百メートルほどの活火山です。
山頂部は溶岩ドームが形成されておりそのドームも風化により崩れてきています。

山頂からは目の下に支笏湖が広がり、その向こうに樽前山、風不死(ふっぷし)岳が雄大な姿を見せてくれます。

 6月4日、札幌を7時に発ち登山口へ向かいます。
登山口には数台の車が駐車しておりもう登っている人がいるようです。
この登山口も車上狙いが発生しているようで、札幌近郊の山の登山口は警察がパトロールしているようです。
   
    登山口ではいい天気だったのですが・・・・

 7:45分、同行のIさんを先頭に私が後に続きます。
新緑が目に眩しい季節です。
所々に咲く花を愛でながら春山の空気を満喫して歩きます。

 ほどなく傾斜が増してきます。
恵庭岳は山頂までの距離が短いため急斜面が続きます。
辺りが暗くなってくると少しポツリポツリと雨が降ってきます。

今日の天気予報はよるには雨ですが、こんな時間から振るはずはないのですが?
きっと、谷を吹き上がってくる風に乗って湿った空気が雨となっているのでしょう。
それほど強い雨にはならないと思いあまり気にしないで登ります。

 雑木林の中の急な斜面に登りと降りが分けられたロープ場があります。
下降道はロープが張られ、足元は深くえぐられています。
落石の恐れがあるので登りと降りのコースを分けているのです。
このロープ場を登り終えると一気に視界が開けます。
   
   爆裂火口から続く深い谷の向こうに山頂が見えます。
   硫黄の臭いが鼻をつきます。
 
 山頂のドームは雲の中に隠れています。

 8合目に到着です。
ここから先は自己責任で登ります。
岩場の登山道であり、落石や崩壊の危険があるからです。

 注意書きのあるロープをくぐって山頂を目指します。
    
    登山コースは岩だらけになります。

   
    Iさんは快調に登っていきます。

 さて、山頂下に着きました。
ここには2本のロープが垂れ下がっています。
   
    このロ-プを登ってみましたが、最初の部分がちょっとハング気味で微妙です。

   
    こちらが右手が大きく崩落して危険に感じるのですが、
    ロープがしっかりしているのでこれを登ります。

 ようやく山頂です。
山頂にはお地蔵さんが祀られています。
    

 雲の合間からオコタンペ湖が姿を見せてくれます。
晴れているとエメラルドグリーンの素晴らしい色の湖面なのですが、今日はどんよりした天気なので鉛色です。
 その右手に見える山が漁岳です。
    


 山頂まで約2時間半で登りました。
風が強いので吹き飛ばされないようにして崩落した斜面を見ます。
3年ほど前に較べてもかなり崩落が進んでいるようです。

ひょっとすると10年もしたらこの山頂部も崩落してしまっているかもしれません。
これが、生きている山の現実ですね。

 山頂から少し降って風が当たらないところで昼食を取ります。
ポツポツ降る雨を避けるために岩陰に身を寄せ、ツエルトを張ります。
お湯を沸かしカップ麺を食べるとホッとします。

 ゾクゾクと登山者が登ってきます。
団体客(クラブツーリズムの一行でした)もあり、なかなか盛況でした。


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  今となっては歴史上の出来事なのでしょうか?
 知っている人が少なくなってしまいましたが、この恵庭岳を舞台に
 札幌オリンピックで滑降の競技が行われたのです。

 1972年2月のことです。
 今から40年も前のことですね。
 登山道から見るとちょうど反対側の斜面、南西側の支笏湖湖面に面した斜面を
 使って男女2本の滑降コースが作られました。

 男子コースは標高1,126mがスタート地点、ここから電光形にコースを取り
 2,636メートルを作りました。
 女子コースは同じように標高870m、コースの長さ2,108mです。

 スタート地点まではロープウェイとリフトも整備されていました。

 この恵庭岳の滑降コースは自然破壊を許すなと自然保護団体などからの猛抗議が
 ありましたが、札幌オリンピックといういわば錦の御旗に寄り切られ着工されました。

  しかし、競技終了後は施設の撤去と伐採地の修復を条件にされていました。
 でも、随分長い間山腹の斜面に電光形が確認されるような有様でした。

 今は、どうなっているのでしょうか?
 
   

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