こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

ハイティンクとCSOのマーラー 2

2019年04月21日 15時03分43秒 | マーラー
やっと、暖かくなってきましたね。あと一週間で大型連休になります。10連休、私の職場は11連休です。あっ、申し遅れましたが、私事ですが職場が変わりました。電車で30分弱のところ。もう23年振りの電車通勤。都会のど真ん中になりました。仕事の内容は、少し前と同じで、しばらくしていなかったので、少し戸惑いましたが、まあ、すぐに昔のカンを取り戻して、バリバリ?であります。ただ、通勤では、車で大音量で聴いていた音楽が、イヤホンでしか聴けないので、それが少し残念であります。これが一番、辛かったりして…。

そんなことで、今回はこれまた前回に弾き続き、久しぶりのマーラーであります。去年と一昨年は1回のみ取り上げました。まあ、最近は聴いていないな、とも思いますし、CDもあまり買っていないので、まあ仕方ないですね。その前は、一年に3回くらい取り上げていたのですがねえ。ブルックナーと同じで、絶対的な曲数が少ないですからね。とは言え、久しぶりに聴くと、いい曲だな、と痛感するので、しっかり聴こうと思います。

それで、マーラーの交響曲第3番ニ短調です。演奏は、ベルナルト・ハイティンク指揮シカゴ響。2006年10月19~21日シカゴのシンフォニーセンター、オーケストラ・ホールでのライブ録音です。このライブは、2006年よりシカゴ響の首席指揮者に就任したハイティンクがシーズンのオープニングコンサートでのもの。このまえ、と思っていたら、もう15年近くも前のものになりました。

シカゴ響って、ショルティの時代は1991年まで。そのあとは、バレンボイムが2006年まで音楽監督で、少しの空白期間があり2010年からはムーティなんですね。このバレンボイムとムーティの間に空白期に、音楽監督とは別の首席指揮者にハイティンクが就任しているのですね。なんだか、あまり認識がなかったです。

そして、ハイティンクですが、今年90才となります。この録音は70台半ば。マーラーの録音も、この3番についても4種類あります。1966年のRCOとの全集、1983年RCOとのライブ。そして、1990年のBPOとの未完となった全集もの、それとこのシカゴ響とのものです。どれも、世界の超一流のオケとの共演ですね。

この3盤、私には、けっこう濃厚で飽き安く、加えて演奏によっては途中で聴くのがイヤになったりの曲なんですね。この演奏は、そんな感覚がないんです。まずは、シカゴ響の素晴らしい美音。これがそうなまろやかさ、シカゴ響はこんなだったかな、と思うようですねえ。そして、ゆったりとしたテンポで、慈しむように曲が流れていきます。なんだかハイティンクの人柄とも言えるような、演奏でもあるんでしょうか。けっして大仰にならず、控え目であるかのように、じっくりときめ細やかに、ゆったりとおおらかに曲が流れていきます。もっと鋭角的で厳しさも、と思うところもあるのですが、まあ、この演奏には似合わないことでしょうねえ。しかし、シカゴ響は実に立派ですねえ。

第1楽章、金管が実にいい。これだけの演奏、やはりシカゴはすごい。この分厚さもなかなか聴けません。トロンボーンも実にいい。第2楽章も実にまろやかで、明快。一点の曇りもありません。ヴァイオリンを筆頭に弦もなめらかで合奏力も見事。第3楽章。ここでも明るい光が満ち満ちているよう。木管特にフルートなど小鳥のさえずりのよう。そして、ポストホルン。これは素晴らしい。伸びやかで田園の夕焼けを見るようであります。懐かしさがあふれてきますねえ。そして第3楽章、ミシェル・デヤングの独唱。メゾソプラノ。オケと一体化した美唱。そして合唱をへて第6楽章。この楽章はいつ聴いてもいいですねえ。この演奏でも一番の美しさ。弦のしっとりとしてやさしい響き。涙が出そうな演奏。音楽の素晴らしさを実感します。充実した101分間であります。

しかし、職場が変わることは、実に刺激的ですねえ。緊張感も加わり、頭脳のリフレッシュには最適かもしれません。でも、ちと疲れますかねえ。頑張りましょう。
(CSO-RESOUND CSOR901701 2007年 輸入盤)

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2 コメント

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コメント、ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2019-04-23 21:42:57
クレモナ 様、コメント感謝です。私も、昔FM放送でマーラーの交響曲を知りました。まだ、こどもだったので、リアルタイムで聴くのは困難で断片的に聴いたり、オープンリールに録音したり、で聴きました。当時は、巨人、復活、大いなる喜びへの讃歌、大地の裏などと、標題付きの曲に関心を持ったものでした。その後、マーラーをしっかり聴くように鳴ったのは、1980年代のマーラー・ブームのころでしたが…。新垣さん曲は、聴いたことがないのですが、マーラーの曲は、高級な映画音楽のようなところがあるのかも知れませんねえ。またご教示ください。
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Unknown (クレモナ)
2019-04-23 21:09:41
実は、クラシック音楽を、聴き始めた50年ほど前に、マーラーの第3番を、ラジオ(AM)で、知ったのです。曲目も知らず、長いけど、何て良い曲なんだろうと。最期に、これが、マーラーの交響曲第3番と紹介され、しかも、ハイティンク指揮、コンセルトヘボウOの演奏であると。今、思えば、これは1966年録音の、レコードだったのです。確か、NHKの、ローカル放送でしたが、こんな曲を、放送していたのですね?それから、しばらくして、バーンスタインの全集が、馴染みのレコード店にあったので、ボーナスで買いました。その全集についていた、応募券で、、バーンスタイン/ニューヨーフィルの来日公演(東京文化会館)を、聴きにいきました。曲目は、マーラー/交響曲第9番でした。結局、買ったLPは、ほとんど聴くことなく、ラックの奥に、鎮座したままでした。
この、第3番、第6楽章が、大好きです。この曲などを聴くと、CDになって初めて、その全貌が解ったような、気がします。LPでは、内周部に、大音量の場面がやってきても、再生が難しいと思います。ここ、数年前から、第3番を集めています。勿論、バーンスタインは、新旧、アバド、ショルティ、ノイマン等々。しかし、ハイティンク/CSOは未聴です。数か月前に、やっと、1966年盤を入手できました。考えてみると、その当時、ラジオで放送されたLPは、発売されたばかりのものだったのですね。
この、第3番を聴いて、ふと、思ったことがありました。数年前に話題になった、例の、ゴーストライター事件です。あの、佐村河内の交響曲第1番です。第3楽章(最終)の後半部の祈りの旋律があるのですが、これが、マーラー3番の、第6楽章に、似た雰囲気なのです。勿論、全く同じ旋律ではありませんが、マーラーをよく聴いてきた人が作曲したと、思われるのです。この、佐村河内の曲は、ブルックナー、マーラー、チャイコフスキー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、ヒンデミットなどの要素が、私には感じられるのですが、交響曲というより、高級な映画音楽といった感じで、決して、出来の悪い曲ではないと思います。長くなっていまいましたが、マーラーの第3番を聴くと、つい、佐村河内、いや、新垣さんの、この曲を思いだすのです。恐らく、生で聴くと、感動的な、フィナーレとなるのは、マーラーと、同じだと思います。
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