寒くなりましたね。私はiPhone5を使っているのですが、このスマホの機能に、音声入力すると、それに答えてくれる機能があるんですね。例えば「謹賀新年」というと「まだ正月気分ですが?もう松の内も終わりましたよ」と答えるんです。「明日の天気は?」というと、それにネットを使って、天気予報をしゃべるくらいなら、そんなに思わないのですが、会話をするのは、驚きました。今日も車を運転しながら「疲れましたね」というと「こんなときの車の運転は注意してください」というのです。うーん、なんで車を運転していることがわかったのでしょうか。
そんなことはさておき、今年最初はモーツァルト。これでついにモーツァルトは100回目をむかえます。記念すべき100回目は交響曲第39番変ホ長調K.543であります。この曲は、言わずとしれたモーツァルトの晩年の三大交響曲の一曲。1788年33才のときに二か月ほどで、この39~41番の三つを作曲しました。私は、この三つの交響曲、一曲をあげるとすれば、この39番ではないでしょうかと思っています。この曲が一番好きですね。
そして、この演奏ですが朝比奈隆指揮新日本フィルハーモニー交響楽団。1995年10月20日オーチャードホールにおけるライブ録音ということで行きたいと思います。朝比奈さんのモーツァルトは珍しいというか、そんなに聴けません。1991年の大フィルとの39番・40番のライブがあったり、また倉敷音楽祭のライブで34番以降の曲のライブがあります。でも、それくらいですかね。ベートーヴェンやブルックナーに比べると、生前それほど演奏されなかったのでしょうねえ。
ということで、朝比奈さんのモーツァルトの39番ですが、なかなか面白い。まず第1に、ベートーヴェンなどで晩年になると徹底し繰り返しはすべて楽譜通り行っていることです。これについては否定的な意見もありますが、一昔前ならいざ知らず、あまり気にならないし、多く聴けるので、それなりにいいな、という気もします。そして第2に、演奏するオケの規模が、極めて大きい。弦楽器は16型となっています。これは、ヴァイオリンからコントラバスまでの総勢が60人という規模。はっきり言って、モーツァルトの演奏としては、規模が多く過ぎますね。今や、ベートーヴェンでもここまでの規模ではしないでしょうねえ。当然のことながら、この規模ですから、極めて重厚な音によるモーツァルトを聴くことができます。
なかなか朝比奈さん、テンポもゆったり。このように規模も大きいですから、テンポが速くキビキビしたようなことはないでしょう。そして、音は限りなく分厚い。軽快に音楽が駆け巡るといったこのとも無縁です。巨大な象がのしのしと脇目もふらずに進むゆったりといったようです。ほんとにすごいです。モーツァルトというよりも、ベートーヴェンの演奏のようです。小編成で古楽器の流れから見れば、逆行しているようであります。でも、この分厚いモーツァルト。この響きには限りない魅力を感じます。オケの音色にはなんともな暖かみがあり、非常に素直な流れゆえに、曲がとまどいのなく入って来ます。こころ安らかな心地よさがあり、それは低音の充実振りがもたらしているのでしょうが、それがいいんですね。音楽に信念を感じ、モーツァルトの根本まで我々に聴かせてくれるような、そんな気持ちになります。
しかし、いいことばかりではないですかね。というのも、オケの響きが極めて平坦で、艶がない。朝比奈さんもなんら作為的なところはなく、楽譜に忠実に音楽を再現している。それはこの演奏の魅力であり、それがそびえ立つ威容を誇るモーツァルトとなったわけですが、それで満足感は高いのですが、少々飽きてくるのも正直な感想かもしれません。とわいえ、私はこの演奏にはほとんど飽きないどころか、贔屓にしております。こんな大編成のモーツァルトは、大好きであります。もっと聴きたかったですね。残念です。
そんなわけで、三桁となったモーツァルトですが、やはり日常的によく聴くということでしょうね。と同時に、通算して今回で650回件目となります。よく頑張りましたね(笑)。でも、このジャケットは、イマイチ工夫が欲しいです。
(fontec FOCD9345 2008年)
そんなことはさておき、今年最初はモーツァルト。これでついにモーツァルトは100回目をむかえます。記念すべき100回目は交響曲第39番変ホ長調K.543であります。この曲は、言わずとしれたモーツァルトの晩年の三大交響曲の一曲。1788年33才のときに二か月ほどで、この39~41番の三つを作曲しました。私は、この三つの交響曲、一曲をあげるとすれば、この39番ではないでしょうかと思っています。この曲が一番好きですね。
そして、この演奏ですが朝比奈隆指揮新日本フィルハーモニー交響楽団。1995年10月20日オーチャードホールにおけるライブ録音ということで行きたいと思います。朝比奈さんのモーツァルトは珍しいというか、そんなに聴けません。1991年の大フィルとの39番・40番のライブがあったり、また倉敷音楽祭のライブで34番以降の曲のライブがあります。でも、それくらいですかね。ベートーヴェンやブルックナーに比べると、生前それほど演奏されなかったのでしょうねえ。
ということで、朝比奈さんのモーツァルトの39番ですが、なかなか面白い。まず第1に、ベートーヴェンなどで晩年になると徹底し繰り返しはすべて楽譜通り行っていることです。これについては否定的な意見もありますが、一昔前ならいざ知らず、あまり気にならないし、多く聴けるので、それなりにいいな、という気もします。そして第2に、演奏するオケの規模が、極めて大きい。弦楽器は16型となっています。これは、ヴァイオリンからコントラバスまでの総勢が60人という規模。はっきり言って、モーツァルトの演奏としては、規模が多く過ぎますね。今や、ベートーヴェンでもここまでの規模ではしないでしょうねえ。当然のことながら、この規模ですから、極めて重厚な音によるモーツァルトを聴くことができます。
なかなか朝比奈さん、テンポもゆったり。このように規模も大きいですから、テンポが速くキビキビしたようなことはないでしょう。そして、音は限りなく分厚い。軽快に音楽が駆け巡るといったこのとも無縁です。巨大な象がのしのしと脇目もふらずに進むゆったりといったようです。ほんとにすごいです。モーツァルトというよりも、ベートーヴェンの演奏のようです。小編成で古楽器の流れから見れば、逆行しているようであります。でも、この分厚いモーツァルト。この響きには限りない魅力を感じます。オケの音色にはなんともな暖かみがあり、非常に素直な流れゆえに、曲がとまどいのなく入って来ます。こころ安らかな心地よさがあり、それは低音の充実振りがもたらしているのでしょうが、それがいいんですね。音楽に信念を感じ、モーツァルトの根本まで我々に聴かせてくれるような、そんな気持ちになります。
しかし、いいことばかりではないですかね。というのも、オケの響きが極めて平坦で、艶がない。朝比奈さんもなんら作為的なところはなく、楽譜に忠実に音楽を再現している。それはこの演奏の魅力であり、それがそびえ立つ威容を誇るモーツァルトとなったわけですが、それで満足感は高いのですが、少々飽きてくるのも正直な感想かもしれません。とわいえ、私はこの演奏にはほとんど飽きないどころか、贔屓にしております。こんな大編成のモーツァルトは、大好きであります。もっと聴きたかったですね。残念です。
そんなわけで、三桁となったモーツァルトですが、やはり日常的によく聴くということでしょうね。と同時に、通算して今回で650回件目となります。よく頑張りましたね(笑)。でも、このジャケットは、イマイチ工夫が欲しいです。
(fontec FOCD9345 2008年)
朝比奈さんのモーツァルト演奏があったんですね。知りませんでした。私は39番は大好物ですから、聴いてみたいものです。私の愛聴盤は、クーベリックとヨッフムの盤です。
朝比奈さんの倉敷のモーツァルトは、小編成のオケですので、また違った面白さがあります。また機会を見つけて取り上げたいと思います。また、ご教示ください。