こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

マーラーを買ってしまいました。

2008年10月22日 22時58分20秒 | マーラー
先週の金曜日、久しぶりに三宮に飲みにいきました。私にしては、けっこう早めの11時には電車で帰りました。息子が、最近サークルやら何やらで帰宅が終電になったりすることが多く、もう少し早く帰りなさい、と言っている手前、少々早めに切り上げて帰った次第であります。そのついでに三宮の中古やさんで、マーラーの交響曲全集を買いました。ガリー・ベルティーニとケルン放送交響楽団とのもの。4500円ほどでした。マーラー全集がこんな値段で入手できるようになろうとは。いい時代になりました。
しかしこの全集、11枚組なんですが、まともに1枚に入っているのは、1・5・7・8・10番と大地の歌だけ。長い曲ですから仕方ないのですがね。例えば、4番は4枚目の3トラックから始まって、5枚目の1トラックまで、9番は8枚目の2トラックから、9枚目の2トラックまでで、3トラックからは10番のアダージョ、と言った具合。もっと工夫ができないもんか、と思うことしきりでありました。枚数を押さえるためには仕方ないことかも知れませんが…。
それでこの全集、翌日から全曲を聴き通しました。いろいろと思うところはあったのですが、全体的には堅実な美しさに満ちたマーラーですねえ。ケルン放送響も上手いです。それで、全曲の中から1番印象に残ったのが、第7番であります。「夜の歌」とも言われているこの曲。聴いた翌日から、頭の中に第1楽章などのフレーズが拝趨されているのでした。けっこうこの7番は好きなんですね。でも、この曲は、支離滅裂とかいろいろな声を聴きます。確かに、そうかもしれませんが、マーラー的な美しさにあふれています。そして、このベルティーニの指揮によって、マーラーのえぐいところは消え去り、まっすぐに素直なマーラーに磨きかけられております。そして、実直なマーラーであります。
第1楽章のホルンの序奏、これからして正面切っての演奏。気の抜けたような調べも、ベルティーニは極めて折り目正しく演奏します。そこから、第1楽章の不協和音的な部分にも、それをいたずらに強調せず、全体の中に着実に位置づけています。この第1楽章、最初は少々困惑するが、次第にまとまって最後は明るく祝祭的に盛り上がって終わるのも、ベルティーニですね。第2楽章は、夜の歌。ここから怪しげ。それを表すのは、優れた木管群と弦ですね。木管を支える弦。でも、暗い陰鬱な様子はあまり感じない。むしろ楽しげでもある。そのあたりが私は好きです。でも、そればかりではないかな。第3楽章。ここも怪しげなスケルツォ。木管と弦の絡みがおもしろい。ここも私にはきれいな音楽。それを奏でる楽器の巧さはいいですよ。第4楽章。またまた夜の歌。弦のホルンでの旋律。ここまでくると、また来たかといった感じになるが、ヴァイオリンとクラリネット、ホルンなどに、ギターやマンドリンも加わり、そこにベルティーニの丁寧な各楽器の表現のまとめは、この楽章を立体的なものにする。夜の深みなんでしょうか。そして、第5楽章。一転しての明るさはなんだ! ですが、まあ演奏としてはたいそう充実しています。まあ、これまでの雰囲気を一掃するくらいで、そう深く考えるのも、野暮かもしれません。そのようにベルティーニは考えさせられます。終わった後の充実感も、この演奏ならではでしょう。
1990年の録音。録音についても極めてよく、その点でもマーラーにはふさわしいのかもしれません。
(EMI 3402382 2005年 輸入盤)

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2 コメント

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ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2008-10-23 21:55:34
mozart1889 様 コメント・トラックバック感謝です。ベルティーニ、私にしては、マーラーブームの中で登場して、あっという間に逝去された、というイメージが強いです。BSなどでやっていたライブは見たことがありましたが、CDで聴くのは初めてでした。ほんとに美しいマーラーですね。7番か9番をどちらかと迷いましたが、7番の方がおもしろかったので…。4番もよかったんですが、こっちのするとポップのことばかりになりそうなので、やめました(笑)。
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ベルティーニ、いいですねえ (mozart1889)
2008-10-23 21:48:43
こんばんは。僕はこの全集、出たときに買いました。それまで、1~5番のディスクを持っていたんですが、「大地の歌」も含む全集でしかも廉価盤、いそいそと注文した覚えがあります。
どれも名演と思いましたが、特に7番、9番、4番あたりはいいなぁと思います。ベルティーニのマーラーは美しいです。耽美的な演奏と思います。
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