あちこちで、水仙が咲きはじめた。
冬の冷たい空気の中で咲くその姿は、凛として清々しく気持ちが引き締まる。
とは言いつつも、じっと見ていると気品あり、愁いとも、芯に強さをも感じたりもする不思議。
大寒の日にふさわしく、最低気温は0・5度、最高気温8度。 このところ、みぞれやぱらりと雪が舞う日もあったり、
大寒・・寒。
子供の頃は暮れについたお餅とは違い、”寒の餅”とかで新たについたお餅を大きな水がめに入れていた。 毎日水をかえていた。
一番寒いこの時期のお餅はカビにくいし、水餅は早く煮えたし、お正月のお餅以上に美味しかった気がする。
お餅が大好きだったし、朝家族に「なんぼ食べる?」と聞いて、その数を足し算してカメから数えながらとりだす楽しさもあった。
まだ外が暗いうちから、あかあかと灯る電灯の下に家族総出で大きな板のまわりに勢ぞろい。
大きな石臼に杵。 蒸籠からあがる湯気、父が杵で餅をつき母がもみ手にまわる、時々つき手は兄に変わり。
つきたての温かいお餅のかたまりを、母は何度も手に水をつけながら小さくとりわけて、子供たちはあんこを入れたり平餅にしたり。
顔を粉だらけに・・家族で行う楽しい行事。
寒と聞き思いだした、古き良き時代のひとこま。
寒い夜、今夜は粕汁。