ライブに行く日曜の朝、夫に渡した。
今夜娘たちは来ないので、私が代表して渡した。
「へぇ・・なんやろうこれは」 分かった? 分かってる? 分からないふり?
お蕎麦の”こね鉢”のプレゼント。
蕎麦打ちに興味を持ち始め、もう4年かなぁ。
2013年2月、会社恒例のフルーツ・フラワーパークのプチ旅行の一端で行った三田の花しょうぶ園での
そば道場でそば打ち体験をしたのが発端。 それからちょこちょこ打ち始めたのだ。
すごいと思う、年を重ねても好奇心旺盛で。
友人のお土産には、蕎麦粉を頼んだり、鹿児島の愛ちゃんのお父さんからも蕎麦粉を送ってもらったり。
蕎麦粉製粉会社で、月一度蕎麦粉を買って蕎麦打ちの場所を無料提供してくれるのをネットで知り、そこへ時々通うようになって一年。
何もわからず二人で難波千日前の道具屋筋で大きいのは高かったので、当時5000円ほどのを買ったのだが、
教室で貸してもらう鉢は比べ物にならないほど大きくて、なんか気の毒になっていた。
不自由そうだし、父の日はこそっとみんなでプレゼントにしようと相談していた。
「今までのはおもちゃやなぁ。 これならゆうに1Kでも両手でこねられる」
嬉しそうだ、早く使いたいであろう。 今は、蕎麦粉のストックはない!
”お父さん! いつまでも元気でみんなに美味しいお蕎麦食べさせてね!”
釣りにしてもそうだが、好きとか自分が楽しんでるとか思ったりするけれど、
「わしはみんなの喜ぶ笑顔がみたいだけなんや・・」 と言う夫、すごい。
日曜の夜、ライブから帰ったら不在通知が入っていた。 届け主には、鹿児島の孫たちの名前が連名で書いてあった。
月曜に届けてもらったが、父の日の夫宛なので夕方帰宅した夫が封を開けた。
二人が手もみで作ったお茶が二つ。
それぞれひろととゆいちゃんのメッセージが書いてあって、写真が添えられていた。
二人とも、一瞬胸を詰まらせた。
「うん、こんなんがいい、こんなんが一番いい」 夫は何度もそう言いながらうなづいた。
67歳、毎年毎年この年になると何が欲しい?と聞いても「もう何もいらんで」
夜スマホで孫たちとやりとり。 息子や愛ちゃんの顔も見える。
文明の利器が、大阪と鹿児島の距離を縮めてくれるこの時が嬉しい。
早速お茶を入れた。 深く味わいのあるまったりとしたお煎茶、美味しい。
今年も嬉しい父の日のプレゼント、夫ご満悦。