* m's small garden * <milky-mamaの小さな庭>

*** 植物育てが運んでくれる小さな幸せ ***

小さなツルバラ「のぞみ」

2011-06-10 11:37:37 | バラ


2011.6.1撮影

小さな小さなツルバラ、のぞみ。

のぞみ ミニツルバラ 一季咲き(返り咲き)
1968年 日本:小野寺透 作出




細かな艶々の葉を持ち、地面を覆うように伸びて咲くクリーピングタイプのツルバラです。

一重の淡いピンクの花と黄色い雄しべが愛らしくて



2011.6.9撮影


世界中のバラ公園などでグランドカバーのバラとして植えられているそうです。

育つのは地道で、そっと少しづつ大きくなってきています。
我が家ののぞみは、もう5年は経つんじゃないでしょうか。
昨年から返り咲きをしてくれてます。


半日陰でも咲いてくれるこの子は
他のバラの足元で暮らしています。




赤いバラはノックアウト。
ノックアウトは中輪のバラです。
のぞみの花の小ささ、なんとなくわかるかしら?

この子には「バラになったのぞみちゃん」という悲しいお話があります。

たった4歳で終戦の混乱時に満州から引き揚げてきたのぞみちゃん。
その途中でおばあちゃんとお母さんを亡くし
たった一人でお父さんの待つ東京へと向かう列車の中で
小さなのぞみちゃんの息も絶えてしまいます。

駅でのぞみちゃんの到着を待っていたのは
のぞみちゃんのお父さんと、伯父さんの小野寺透さんでした。

あともう少しでおとうさんの腕の中に抱きしめられるはずだったのぞみちゃん。
伯父である小野寺さんは作出したこの小さなバラに
「のぞみ」という名をつけました。





こんな作出秘話があるとは知らず育てだした私ののぞみ。

甥夫婦が自分の長女に「希実」という名をつけたため
私にはいっそう大事な枯らすわけにいかないバラになりました。

半日陰でも育つだけあって、のぞみは強くて逞しいミニバラのようです。
ずっとずっと元気でいてほしい、野バラのような雰囲気の子。



2011.6.9撮影




終わりかけた花の間に新しい蕾の塊があがってきています。