『寅に翼』、寅子の演説に涙が止まらず、島岡美延です。1938年に初の女性弁護士誕生だけど、高等試験に合格しても女性は裁判官、検察官にはなれなかった――。法曹界の女性たちがドラマを見ていて「変わっていない」と感じるよう。
司法試験に限らず、大学院で勉強を続ける人が多いこの国で「高学歴」のイメージとは? 阿部恭子著『高学歴難民』(講談社現代新書)を読んで衝撃でした。読む前は「研究職の就職は大変」くらいに思っていたら、犯罪、自殺に至るなど驚きの実例の数々。
そもそも著者は「犯罪加害者家族」に寄り添う活動をしていて、犯罪動機に親や本人の学歴問題が絡むケースが珍しくないと。大学院へ進んでも就職できず、プライドから「地元でアルバイト」など嫌で孤独を深める。働いた経験なく中高年になった高学歴難民が職を得るのは、受刑者の再就職より難しい――。
支える親、配偶者の苦悩は終わりが見えず、世間の目はいわゆる貧困問題と違って冷たい。能力を生かせない国、の問題かも。
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