場所・岡山県倉敷市児島林・五流尊瀧院(ごりゅう そんりゅういん)
日時・2023年10月5日(木) 13:00~
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「新修倉敷市史第八巻自然・風土・民俗」 倉敷市 1996年発行
五流尊瀧院(ごりゅう そんりゅういん)
寺伝では、大宝元年(701)役行者が伊豆に流された時、
行者の高弟である五大弟子が熊野本宮(和歌山県)の御神体を捧持して来て、
林に熊野十二権現を祭祀し始めたことによって五流尊瀧院は創建されたという。
承久の乱により、後鳥羽上皇の皇子・頼仁親王が備前児島に流されてきたと『吾妻鑑』にみえる。
この頼仁親王およびその子孫によって五流尊瀧院を筆頭とする五流修験が再興されたようである。
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山伏たちが法螺貝の音とともに三重塔まえの護摩壇へ向かう。
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高梁川流域デジタルアーカイブ
護摩供養
「五流尊瀧院の採燈大護摩」は、毎年、新暦10月4日から5日にかけての大権現大祭で行われます。
「採燈大護摩」とは、護摩台(直径約10㎝の長さ1.5m~2mの松の丸太を16本を井桁に組み、
その中に割木を詰め、檜葉を被せた約2.5m四方、高さ約3mの生木の山)を作り、
護摩木を焼き、火を焚いて仏を招いて、その仏に願事の達成を祈願するものです。
全国から集まった大勢の山伏たちによって行われる「採燈大護摩」は、結界儀式に特色があります。
まず、法螺の合図で山伏たちが入場した後、
東西南北中央及び鬼門の悪魔を弓矢で射落す法弓の儀式があり、
次いで法剣、
そして、斧によって護摩壇のまわりの悪魔が切られ清められると伝えられています。
「採燈大護摩」は、一般信者にとっては、
山での厳しい修行を積んだ山伏に火を焚いて、仏を招いてもらい、自分たちの願事の達成を一緒に祈ってもらうという信仰に支えられています。
燃えさかる護摩の火をあぶれば、ご利益があると信じられており、「採燈大護摩」の火を幾重にも取り囲んだ信者たちは、火を手にかざし、その手を体の各所に当てます。
また、守り札を火であぶり、それらを信者に配ります。
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一人の山伏による法螺貝の音でさえ轟きわたるが、
数人の山伏の法螺貝は全山に響いた。
護摩の煙と火を全身に何度も受けたので、きっとおかげがあるだろう。