しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

小三の春⑮日の丸をもって天皇陛下を迎える

2019年02月06日 | 城見小・他校
ある日の授業で、小さな箸のような棒を一本と、白紙が先生から支給された。
生徒は机の蓋を上げてクレヨンを出した。
先生の指示は・・・♪白地に赤く 日の丸染めて・・・国旗の小旗を作る事だった。
国旗は天皇陛下をお迎えするのが目的と言う。
その旗をもって全学年の生徒が校庭に集まり、校長先生の挨拶後、学校から列を組んで山陽本線を渡った。
線路の土手に一年生から六年生の生徒が横に長く並んだ。

そして10分か15分くらいして天皇陛下が乗った汽車が来た。

真っ黒い蒸気機関車は、普段の列車と違い黒光りがしていた。
正面には特急列車の燕か、何かのプレートが付けられていた。
そのプレートには日の丸が二本取り付けられ、神聖さがあった。
ごおお~っ、という轟音とともに吐き出される黒煙は、いつもの汽車のように真っ黒でなく白さも感じた。

前から見えて、後ろが見えなくなるまで30秒くらいだっただろうか?
汽車は、最高スピードで城見小生徒を無視するかのように通り過ぎて行った。
あっけなく行事は終わった。

これが果たして天皇陛下への“歓迎”とか“送迎”とか呼べるものだろうか?
当時子供心に思った事を、今でもそう思い出している。
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