日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

自民党総裁選とポスト安倍

2015年09月16日 09時18分36秒 | 日々雑感
 自民党の総裁選において、野田聖子議員は推薦人20名を確保できず断念したため、無投票で安倍首相の続投が決まった。自民党は、党内で喧々諤々の議論があるのが特徴であった筈だ。安保関連法案にしても自民党の長老が懸念を示しているのに、若手のほとんどは“だんまり”を決めているのは、上からの締め付けが厳しいのか、自分で考える能力が無いのか、はたまた全面的に賛成なのか。
 総裁選が行われた場合、当然安保関連法案に対する討論もあるであろう。この法案に野田氏も賛成とのことである。色々な面からの議論を通して、国民によく知ってもらう良い機会であったが、自ら放棄してしまった。国会で野党から質問され、明確に答えられないような質問が身内から出た場合、 収拾が付かないことになってしまうのを恐れたためであろう。無投票は法案の危うさを露呈した結果とも言える。
 各派が早々に再選支持を決めた背景には、安倍氏に挑むよりその後の内閣改造や党役員人事でよりよいポストを得たいための思惑も見え隠れする。国会議員の中には、安保関連法案より大臣ポストの方が重要だと思っている人もいるに違いない。10月上旬に予想される内閣改造・党役員人事に際しても、総裁選の前には、下村博文文科相ら4閣僚の更迭など、大幅な改造になる公算がささやかれていたそうであるが、総裁選が無事終われば、大幅な入れ替えが無いとのうわさに変わっているようである。うわさの出所は不明であるが、人事に関しては、安倍首相は相当な策略家、あるいはその周辺には策士がいるに違いない。
 さて、総裁の任期はあと3年となるが、来年7月の参院選が一つの山場とのことである。ここで自民党が負ければ、総裁交代の機運が強まるかも知れないからである。参院選の結果をどう予想するかが、運命の分かれ目である。安倍政権を支え後3年ポストを享受するか、来年の総裁選に名乗りをあげて勝負するか、思案のしどころである。
 石破地方創生相も早々に立候補をあきらめ首相支持を決めたが、首相続投決定後、石破派を結成し次期総裁に立候補する準備を始めたとのことだ。石破氏はかねてより「派閥政治の弊害」を訴えてきたのに、ここに来て派閥を結成するとは情けない。しかし、ポスト安倍には意欲を示しているようで、地方創生相を辞退することになるのではないだろうか。
 ポスト安倍は、安倍首相より禅譲でもされない限り、その違いをはっきりさせる必要があろう。その意味で、役職に就かず理論武装のための勉強が必要なわけだ。岸田外相、谷垣幹事長や麻生副総理兼財務大臣はそのまま役職に留まり、総裁の座をあきらめるのか、あるいは禅譲を期待するのであろうか。アベノミクスもそろそろ方向修正が必要になってきたと思われるので、そのまま同じ路線を引き継ぐ禅譲の形は無いと思うが。来月の人事をめぐり、様々な思惑が飛び交っているに違いない。(犬賀 大好-164)