日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

原発の再稼働は昔の夢よもう一度ではあるが!

2019年05月25日 09時26分49秒 | 日々雑感
 福島第1原発事故後中止していた原発の運転を再稼働をするためには、原子力規制委員会の承認を得なければならない。このためには安全性の確立や地域住民の承認が必要となる。

 さて、事故後に出来た原発の安全性に関する新規制基準で、”特定重大事故等対処施設”と呼ばれるテロ対策施設の設置が義務付けられた。

 この施設は、原子炉がテロの標的となり大型航空機の衝突等を受けた際に原子炉を遠隔で冷却する緊急時制御室などを備える大規模な施設だ。当初は2013年の施行から5年以内に設置しなければならないとされていたが、2015年に設置期限を本体施設工事の認可後5年以内に変更された。

 しかし、今年4月17日、九州電力、関西電力と四国電力の3社は、工事の困難さ等の理由により最大3年遅れると説明し、原子力規制委員会に期限の延長を要求していた。

 しかし、4月24日、原子力規制委員会は設置期限の延長を認めないことを決めた。これまでに再稼働していた関西、四国、九州の3電力の原発9基は、期限を迎える2020年以降に順次、運転停止せざるを得ないことになる。

 原子力規制委員会のこの処理は、各電力会社が日本ではテロなど起こる筈が無いとテロ対策を真剣に考えず、資金増大の為なるべく先送りしたい意向を察知し、努力不足を促す為であると言われている。

 福島第1原発の事故に対し、東電側は想定外の出来事が重なったと言い訳している。テロが起こったっ場合、この想定外との言い訳が再び使えないようにする原子力規制委員会の配慮もあるだろう。

 さて日本原子力発電東海第二原発は、昨年10月に工事計画の審査を終えているため、テロ対策施設期限まで後4年半を切っている。しかし今なお具体的な設計を検討している段階で、期限に間に合わない可能性が大である。更にもう一つの関門である茨城県と周辺6市村の同意が待ち受ける。地元には慎重な意見が根強く、実際に再稼働できるかは不透明な状況だ。

 再稼働できれば、原発で安定した電力の供給が可能となり、安全神話が信じられた昔のような栄華が蘇ると電力各社は夢見ているようだが、そこにはまだ国が何とかしてくれるとの甘えがある。

 そこで、いつ再稼働できるか不明な状況であっても、最終的には国の支援が受けられると、日本原子力発電が再稼働をめざす東海第二原発に対し、電力各社は資金支援を惜しまない。

 ところで東京電力の2018年度経常損益は、前年度比8.5%増の2,765億円の利益となったとのことだ。福島第1原発の事故で膨大な損失を出しているにも拘わらず、利益を出しているとは驚きであるが、これは国から莫大な支援を受けているからだ。

 電力会社の電力供給は公共としての重要な役目であり、独占が認められ国の手厚い保護下で運営されてきた。重大事故を起こしても、最終的には国が尻拭いをしてくれ、会社は潰れないと、高を括っているようだ。現に東京電力は利益を出すまでに回復している。事故後電力販売の自由化がなされたが、設備は独占状態であり、甘えの体質は十分残っていると見て良いだろう。

 そこで東京電力は、事故の後始末が終結しなくても、将来不安な原発に惜しみない投資を続けている。東海第二原発には約1900億円を支援し、大間原発がある青森県東通村に約4億円の寄付を検討しているとのことだ。ここにも昔の夢よもう一度の願いがありありだ。2019.05.25(犬賀 大好-549)


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