東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森会長が女性蔑視と取れる自らの発言の責任を取り辞任し、橋本聖子オリンピック担当大臣が次期会長に決まった。東京五輪に関わる組織は沢山あるが、組織委員会は大会の準備・運営のための重要な組織であるため、これほど大騒ぎになったのであろう。
東京五輪・パラの開催の主催は東京都であり、この組織委員会は東京都の下部組織の位置付けであろう。委員会の会長は2014年1月の設立時から森喜朗氏であり、これに対し東京都の知事は当初の石原氏から猪瀬氏、舛添氏と現在の小池氏まで4人も代わった。国際オリンピック委員会(IOC)にとって、東京五輪の総責任が東京都にあると言えども、こう頻繁に責任者が代わったのでは交渉が中断し、何かと相談は森氏に集中したのは当然であろう。
橋本氏は森前会長を師匠と仰ぐ関係であり、組織委員会から森氏の影響を一掃することは出来ないであろうが、開幕までに5ヶ月とちょっとであり、森氏の助言を必要とすることも多々あろうので、仕方がないと思われる。
橋本氏の会長就任挨拶でもあったように東京五輪・パラを安心・安全な大会とするためにはコロナ対策が重要となる、コロナワクチンの接種はようやく始まったばかりであり、開幕までに終息するか分からない。厚労省のホームページでは65歳以上の高齢者には早くても4月からとのことであり、一般人は未定であり早くても5月以降となろう。
日本では開幕時にはコロナウイルスが終息していないだろうが終息の目途が立っているかも知れない。しかし、世界の何処かではまだ猛威を奮っているに違いなく、このような状況下で大騒ぎしてよいとは思えないが、政府は経済的な理由から是非やりたいだろう。
橋本新会長に課せられた課題はコロナ対策の他にも多々あるが、最重要なことは五輪開催に対する国民の盛り上がりを促すことであろう。現在国民の7割程度が開催に否定的である。そもそもオリンピックが東京に開催決定する際でも、国民の盛り上がりが欠けるのが唯一の欠点と言われていた。
開催都市決定の際、東京は最後までスペインのマドリードとトルコのイスタンブールと競い合った。経済的な面では他を圧倒していたが、国民的な熱意が足りないのが唯一の欠点と言われていた。しかし、関係者の必死なキャンペーンにより、2020年夏季五輪の開催都市を獲得したのだ。
さて、東京五輪を従来通り満員の観客の下実施するのが理想的であるが、無観客開催か、あるいは中止との判断もあり得るであろう。開催の決定権はIOCが握ると言われているが、テレビの放映権を有する米テレビ局のNBCの意向が大きく影響するだろう。テレビ局はコマーシャル料で稼ぐ。このため視聴率が最重要であるが、無観客でも視聴率が稼げると判断されれば、問題無く実施されるであろう。
オリンピックは世界的なお祭りである。少なくても国民的な盛り上がりが必須である。橋本新会長はこの期待に応えられるであろうか。
2021.02.20(犬賀 大好ー679)
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