日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

プリゴジン氏の乱は核の使用の可能性を高めたか

2023年07月15日 09時47分09秒 | 日々雑感
 7月11日、北大西洋条約機構(NATO)はリトアニアで首脳会議を開き、ウクライナへの長期的な支援で合意した。しかし、ウクライナのNATO加盟については、条件が整えば手続きを始めるとしているだけで、条件とは何か等の説明は無く、ウクライナの将来的な加盟時期については明示されなかった。

 ウクライナのNATOへの加入はプーチン大統領がウクライナ侵攻を始めた理由の一つとしており、現在のウクライナ対ロシア戦争がNATO対ロシア戦争となるのを避ける為かなりハードルが高いとのことである。

 ウクライナはNATO諸国や米国の西側諸国から多大な軍需支援を受けて戦争を続行しており、実質的にNATO対ロシア戦争になっていると思われる。ロシアのプーチン大統領はNATOの参戦は、核兵器の使用を匂わせ西側諸国を牽制しているが、今更ウクライナがNATOに加盟したところで何も変わらない気もする。

 しかし、ウクライナはこれまで大砲、戦車等多大な支援を申し出て、西側諸国はそれに賛同しているが、実際の支援はこれまでのところその半分位だとの報道もある。現在ウクライナの反転攻勢は不調とのことだが、本腰を入れて支援すれば反転攻勢は順調になるかも知れないが、その時には核兵器の使用が現実となるかも知れない。

 さて、ロシアのプーチン大統領は6月にサンクトペテルブルクで開かれた国際会議で、ロシアの戦術核兵器のベラルーシへの配備に関して既に搬入が始まっていると明らかにした。ウクライナへの支援を続ける米欧各国に対し、核の威嚇で牽制したとの解説もあるが、長距離ミサイルに搭載できることを考えるとわざわざベラルーシに配備する意味がよく分からない。

 ベラルーシのルカシェンコ大統領は、核の配備はロシアから強制されたものではなく、自国がそれを求めた理由は核の抑止力を期待しているからと説明しており、核の使用を独自で出来るような発言をしているが、プーチン大統領がそこまで信用しているが疑問である。

 ただしロシアの都合でベラルーシ内の核を使えば、NATOの報復の対象がベラルーシ領内になり、世界的な核戦争に直結しかねないロシア本土への核攻撃をためらうことを、プーチン大統領は期待しているかもしれないと解説する人もいるが、その方が納得できる理由である。

 ロシアの民間軍事会社ワグネルを率いるプリゴジン氏による軍事クーデターは、6月23日に始まり、わずか1日で未遂に終わった。蜂起の目的はショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長の罷免だったとされるが、真相はよく分からない。プリゴジン氏に対するロシア軍内部からの支持が意外に大きいとの報道もあり、ロシア軍兵士の士気が激減する懸念もある。この難関を突破するためプーチン氏は何をしでかすか分からない。核の使用でなければよいが。2023.07.15(犬賀 大好ー930)


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