日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

安倍政権の財政再建はやる気無し

2019年08月31日 08時55分18秒 | 日々雑感
 今月26日、読売新聞では世論調査の結果、安倍内閣の支持率が58%と先月の調査から5%ポイント上昇したとのことだ。この調査では、日本政府が韓国をホワイト国から除外したことに対する支持が65%を占めたそうで、安倍首相の韓国の文在寅大統領の政策に対する強い姿勢が評価されているようだ。

 なお、韓国においても反日姿勢を強く打ち出すと支持率が上がるとのことで、国内政治の手詰まりを外交に向ける手はどの国でも共通しているようだ。

 さて、国民の関心事は、社会保障、外交・安全保障、景気対策、財政再建、等多岐に亘るが、韓国以外の外交や国内政治に関してはほとんど見るべきものが無いどころか、八方塞が目立つ。

 先日の参院選前、年金に関し老後2000万円問題が話題となった。政府の必死の鎮静化が功を奏したのか、最近余り話題に上らなくなったが、問題は厳然と存在している。麻生副総理は、この問題を提起した金融庁の報告書を当初評価していたが、批判を受けると受け取らないと手のひらを反した。

 この定見の無さにあきれ果てるが、安倍内閣のこの9月に予定される内閣人事でも再任は固いとのことだ。安倍首相も本心は代えたいのであろうが、麻生派の人数の多さの魅力には勝てないのだ。

 日本の少子高齢化の傾向は激しく、高齢者向けの社会保障費は増す一方であるが、最近では幼児教育無償化等にも力を入れ始め、必要な財源はますます増加する。

 さて、財源確保の一環としてようやく消費税の10%化に漕ぎつけそうだ。安倍首相はアベノミクスの成果で、税収が過去最高になったと強調する一方、今後も経済成長を通じて財源を確保し、消費税増税は今後10年間くらい必要ないとの認識を示した。しかし、赤字国債発行額は相変わらずの多さでで、この言葉もすぐに安倍首相の頭から忘れ去られるだろう。

 消費増税の影響で消費落ち込みを懸念し、政府は秋に補正予算を組んだり、景気対策を打ったりする筈であるが、せいぜい来年の東京五輪あたりまでしか景気を支えられないと言うのが大方の予想だ。

 日銀の金融緩和に手詰まり感がある中、来年の東京五輪後も見据え、公共事業を中心に財政出動の声が確実に強まるだろう。すると赤字国債を更に増額せざるを得なくなり、国の借金は一層膨らむ。

 当初、消費増税の目的は財政の健全化であった筈だ。しかし育児・教育への支援が少子化対策と考え、そちらの方にも財源を振り分けるように変更された。

 日本の財政は、財政再建を急がなければ破綻すると言われてきたが、今日までそのような事態にはなっていない。最近では、現代貨幣理論が提唱され、日本の債務は問題なく財政再建は不要であるといった議論さえ出てきた。日本はこの現代貨幣理論の実証実験場と化している。

 この理論に意を強くしたのか財政再建目標時期はたびたび延期され、しかも到達時期はこれまでに無かった程の経済成長を前提にした設定で、安倍政権は本気で財政再建を考えているとは到底信じられない。2019.08.31(犬賀 大好-527)


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