日本は核燃料サイクルの実現を夢見て、せっせとプルトニウムをため込み、既に47トン所有するまでになった。これまでプルトニウムは高速増殖炉で消費するとの筋書きであったが、頓挫したためMOX燃料として使用することに急遽重点を移している。
MOX燃料とは、原子炉の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜた核燃料である。プルサーマル発電は、多数のウランの燃料棒の一部をMOX燃料棒に置き換えて発電する方式であり、普通の原子炉が使える利点がある。
電気事業連合会は、全国で16~18基のプルサーマル発電すれば年約6トンのプルトニウムを消費できると試算している。しかし、現在プルサーマル発電しているのは四国電力伊方原発3号機のみであり、経済的、技術的課題が大きい中、各電力会社がプルサーマル発電に切り替えるであろうか疑問視されている。
また、現在建設中のJパワー大間原発はMOX燃料だけを使うフルMOX原発で、プルトニウムを年1.1トン消費できると見込んでいるが、周辺住民の反対等あり、こちらも順調に進むか疑問である。
現状では、貯め込んだプルトニウムの使用はMOX燃料でしかないため、この綱渡り状態を続けなくてはならない。
2018年には日米原子力協定の更新が予定されており、このプルトニウムの扱いが問題になる。この協定は、米国から日本への核燃料の調達や再処理、資機材・技術の導入などについて取り決めている。現行の協約は1988年7月17日改定協定発効し、有効期間は30年で、2018年7月に満期を迎える。
この協定において日本は核燃料サイクルの実施を認めさせたわけだ。核保有国以外に再処理工場を認めたというのは日本だけなのだそうだ。日本は、尽きることのないエネルギー源の確保が口実であったが、裏には自力で核兵器をつくる技術的な能力を身につけたいとの思いがあったと言われている。プルトニウムの抽出は核兵器の製造に直結するからだ。
米国は核兵器の原料に使われかねないプルトニウムの拡散を警戒し、原子力協定で厳しく監視している。しかし、トランプ次期大統領は、日本は折角プルトニウムを持っているのであれば、自前で核武装し米国の負担を少なくしてくれ、とでも言い出しかねない。日本にはこれ幸いと思う人もいる筈である。
一口にプルトニウム(Pu)と言っても同位体が沢山あり、プルトニウム(Pu)240の含有率を指標として、少ない順にスーパー級、兵器級、燃料級、原子炉級、MOX級と分類しているそうだ。原発の燃えカスから再処理されるプルトニウムはPu240が多い原子炉級あるいはMOX級とのことだ。
核兵器として見た場合、恐ろしいのはPu239の方であり、順番は逆になる。スーパー級のPu240含有量は3%以下とのことであるが、残り97%が即Pu239となるのか不明であるが、兵器を作るのには最適なのだそうだ。
普通の原発(軽水炉)で燃やした燃料中にできるプルトニウムの場合、Pu239の濃度は50~60%程度に落ちてしまうそうだ。こうしたプルトニウムを ”原子炉級プルトニウム” と呼ぶそうで、中性子や熱の発生が大きいため、取り扱いが困難で兵器として利用しにくいとのことである。そこで原子爆弾には ”兵器級プルトニウム” とよばれるPu239の純度が93%以上のプルトニウムが使われるのだそうだ。
従って、日本がいくら原子炉級プルトニウムを溜め込んでも、それが世界に脅威を与えることにはつながらないと、原子力発電環境整備機構(NUMO)理事は主張する。しかしながら、MOX級プルトニウムには、Pu240の含有量は30%以上、すなわちPu239の含有量は70%程度もあるので、決して安全との話にはならないであろう。なお、当機構は高放射性廃棄物の埋設等を考える国の機関である。
Pu239の発熱量はPu240に比べて少ないので、兵器としてコンパクトにまとめやすいとのことであるが、恐らくPu239であっても保管のためには、冷却の必要があるだろう。北朝鮮は核保有国になったと自慢しているが、インフラが整備されていない中、核兵器の保管は安全であろうか改めて心配になる。2016.12.24(犬賀 大好-297)
MOX燃料とは、原子炉の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜた核燃料である。プルサーマル発電は、多数のウランの燃料棒の一部をMOX燃料棒に置き換えて発電する方式であり、普通の原子炉が使える利点がある。
電気事業連合会は、全国で16~18基のプルサーマル発電すれば年約6トンのプルトニウムを消費できると試算している。しかし、現在プルサーマル発電しているのは四国電力伊方原発3号機のみであり、経済的、技術的課題が大きい中、各電力会社がプルサーマル発電に切り替えるであろうか疑問視されている。
また、現在建設中のJパワー大間原発はMOX燃料だけを使うフルMOX原発で、プルトニウムを年1.1トン消費できると見込んでいるが、周辺住民の反対等あり、こちらも順調に進むか疑問である。
現状では、貯め込んだプルトニウムの使用はMOX燃料でしかないため、この綱渡り状態を続けなくてはならない。
2018年には日米原子力協定の更新が予定されており、このプルトニウムの扱いが問題になる。この協定は、米国から日本への核燃料の調達や再処理、資機材・技術の導入などについて取り決めている。現行の協約は1988年7月17日改定協定発効し、有効期間は30年で、2018年7月に満期を迎える。
この協定において日本は核燃料サイクルの実施を認めさせたわけだ。核保有国以外に再処理工場を認めたというのは日本だけなのだそうだ。日本は、尽きることのないエネルギー源の確保が口実であったが、裏には自力で核兵器をつくる技術的な能力を身につけたいとの思いがあったと言われている。プルトニウムの抽出は核兵器の製造に直結するからだ。
米国は核兵器の原料に使われかねないプルトニウムの拡散を警戒し、原子力協定で厳しく監視している。しかし、トランプ次期大統領は、日本は折角プルトニウムを持っているのであれば、自前で核武装し米国の負担を少なくしてくれ、とでも言い出しかねない。日本にはこれ幸いと思う人もいる筈である。
一口にプルトニウム(Pu)と言っても同位体が沢山あり、プルトニウム(Pu)240の含有率を指標として、少ない順にスーパー級、兵器級、燃料級、原子炉級、MOX級と分類しているそうだ。原発の燃えカスから再処理されるプルトニウムはPu240が多い原子炉級あるいはMOX級とのことだ。
核兵器として見た場合、恐ろしいのはPu239の方であり、順番は逆になる。スーパー級のPu240含有量は3%以下とのことであるが、残り97%が即Pu239となるのか不明であるが、兵器を作るのには最適なのだそうだ。
普通の原発(軽水炉)で燃やした燃料中にできるプルトニウムの場合、Pu239の濃度は50~60%程度に落ちてしまうそうだ。こうしたプルトニウムを ”原子炉級プルトニウム” と呼ぶそうで、中性子や熱の発生が大きいため、取り扱いが困難で兵器として利用しにくいとのことである。そこで原子爆弾には ”兵器級プルトニウム” とよばれるPu239の純度が93%以上のプルトニウムが使われるのだそうだ。
従って、日本がいくら原子炉級プルトニウムを溜め込んでも、それが世界に脅威を与えることにはつながらないと、原子力発電環境整備機構(NUMO)理事は主張する。しかしながら、MOX級プルトニウムには、Pu240の含有量は30%以上、すなわちPu239の含有量は70%程度もあるので、決して安全との話にはならないであろう。なお、当機構は高放射性廃棄物の埋設等を考える国の機関である。
Pu239の発熱量はPu240に比べて少ないので、兵器としてコンパクトにまとめやすいとのことであるが、恐らくPu239であっても保管のためには、冷却の必要があるだろう。北朝鮮は核保有国になったと自慢しているが、インフラが整備されていない中、核兵器の保管は安全であろうか改めて心配になる。2016.12.24(犬賀 大好-297)
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