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明るく晴れ上がった夏の日
西の空に積乱雲とまでいえない雲があり
東よりに積雲がしっぽをのばし
上空に絹雲が真綿のようにひきちぎられ
家々がくっきりと光に照らされ
川岸の二本のポプラの大樹と丘の斜面に広がる杉の森やあちらこちらの広葉樹たち
国道の橋を往来する自動車の走る音は聞こえるが
夏の静寂が中空を覆っている
立秋を過ぎたから
風はもう夏のものでないと
むかしの京都盆地の住人はことばのあやとしてあるいは早く涼しくなってくれと願望を込めて歌った
しかし
東北の太平洋岸に住むわたしたちは
ああ
まだ熱い砂で足の裏が焼ける正午の海水浴に行っていないのにと
悔恨をいだいて
乾いて冷たさのある風に吹かれる
さざ波の立つ川面にカモメが数羽飛ぶ
木々のみどりのあいだ
あおというよりみどりの水面に漂う白い鳥たち
状況に染まらず掉さして白くあれ
しらとりは嬉しからずや
川岸の広場に舞う赤蒼緑の大漁旗十枚
昨夜の盆踊りのあと
真ん中のやぐら
張られたテント
強い日差しのなかひとはいない
たてとよこを違えて吊り下げられひらひらぱたぱた並んで
ひらひらぱたぱた風に吹かれ
いったいいつまで吹かれているのだろう
ひらひらぱたぱた
何年間?
ひらひらぱたぱた
何日間?
ひらひらぱたぱた
何時間?
ひらひらぱたぱた
本日午後三時まで 片付けの時間まで 地区のみなさんご参集願います
ひらひらぱたぱた
赤蒼緑ひらひらぱたぱた
明るく晴れ上がった夏の日
積雲がぽっ と置かれ絹雲がぱっ とちぎられ
正午の静寂が中空を覆っている
家々が木々が川がかもめが大漁旗があり
冷たさのある風がさっ と吹く
西の空に積乱雲とまでいえない雲があり
東よりに積雲がしっぽをのばし
上空に絹雲が真綿のようにひきちぎられ
家々がくっきりと光に照らされ
川岸の二本のポプラの大樹と丘の斜面に広がる杉の森やあちらこちらの広葉樹たち
国道の橋を往来する自動車の走る音は聞こえるが
夏の静寂が中空を覆っている
立秋を過ぎたから
風はもう夏のものでないと
むかしの京都盆地の住人はことばのあやとしてあるいは早く涼しくなってくれと願望を込めて歌った
しかし
東北の太平洋岸に住むわたしたちは
ああ
まだ熱い砂で足の裏が焼ける正午の海水浴に行っていないのにと
悔恨をいだいて
乾いて冷たさのある風に吹かれる
さざ波の立つ川面にカモメが数羽飛ぶ
木々のみどりのあいだ
あおというよりみどりの水面に漂う白い鳥たち
状況に染まらず掉さして白くあれ
しらとりは嬉しからずや
川岸の広場に舞う赤蒼緑の大漁旗十枚
昨夜の盆踊りのあと
真ん中のやぐら
張られたテント
強い日差しのなかひとはいない
たてとよこを違えて吊り下げられひらひらぱたぱた並んで
ひらひらぱたぱた風に吹かれ
いったいいつまで吹かれているのだろう
ひらひらぱたぱた
何年間?
ひらひらぱたぱた
何日間?
ひらひらぱたぱた
何時間?
ひらひらぱたぱた
本日午後三時まで 片付けの時間まで 地区のみなさんご参集願います
ひらひらぱたぱた
赤蒼緑ひらひらぱたぱた
明るく晴れ上がった夏の日
積雲がぽっ と置かれ絹雲がぱっ とちぎられ
正午の静寂が中空を覆っている
家々が木々が川がかもめが大漁旗があり
冷たさのある風がさっ と吹く
このパソコンにデータとして残っている2007年1月の写真には、小さいほうの一本がまだ写っている。このgooのブログには、写真がひとつの記事あたり1枚しか掲載できず、コメントにも写真載せられないようなので、近々、mixiの日記には今の様子と並べて載せようと思う。
このところ、この家の庭からの風景、定点観測風に写真に撮っている。いま、橋の工事中でもあり、人口の風景も結構変わっている。自然の光景も、もちろん、日々違っている。
この夏の情景は、具体的なこの庭からの光景であり、同時に、地域社会的な光景であり、文学史のなかでの光景でもある。