
虚栄の市場 空虚しい縁日に行くところですか
パスリ セイジ ロウズマリイとタイム
バジル オレガノ マジョラム
などを買いに行くところですか
そこにはわたしがかつてほんとうに愛したひとが住んでいます
そのひとに会ったら
よろしくと伝えてください
伝えて下さいと言われても
門前町のお祭騒ぎのなかにいて
パスリ セイジ ロウズマリイとタイム
バジル オレガノ マジョラム
などを買うことを知らず
ほんとうにひとを愛することを知らず
ぼくを覚えてくれているひとなどひとりもいない
ワインを買って
赤いワインを買って
ジプシーの音楽を聴いて…
「赤いワイン白いワインと飲みにけり」
「いや、赤いワイン白いワインと落ちにけり、ではどうだ」
「行くへも知らぬこひのみちかな」
「ル・ジタンの煙に咽ぶ女なり」
「アコースティックギター音色愛しも」
「感情的だな、諧謔的でなく」
聖なる市場の雑踏
パスタ売りの声
ニンニク赤唐がらしを炒り出したオリーブオイル
パスリ セイジ ロウズマリイとタイム
バジル オレガノ マジョラム
伝えろと言われても
名まえを知らず
特長を知らず
職業は
服装は
髪の色は
瞳の色は
肌の色は
性別は
何も聞かずに別れて来てしまった
虚栄の市に来るのに
用事を聞かずに来てしまった
「赤がらし青唐がらしと食べにけり」
「西洋がらしは黄色きからし」
「マスタードドーナッツにはケチャップを?」
「赤きトマトのカンヅメ青し」
おまえに用事はない
虚栄の市場に
だれも用事はない
空虚しいお祭りさわぎ
情熱的なギター
張りのある甲高い声
虹の脚もとにたつ
虚栄の市場に行くところですか
パスリ セイジ ロウズマリイとタイム
バジル オレガノ マジョラム
などを買いに行くところですか
そこにはわたしをかつてほんとうに苦しめたひとが住んでいます
そのひとに会ったら
よろしくと伝えてください
ぼくは元気にやっていますと
パスリ セイジ ロウズマリイとタイム
バジル オレガノ マジョラム
などを買いに行くところですか
そこにはわたしがかつてほんとうに愛したひとが住んでいます
そのひとに会ったら
よろしくと伝えてください
伝えて下さいと言われても
門前町のお祭騒ぎのなかにいて
パスリ セイジ ロウズマリイとタイム
バジル オレガノ マジョラム
などを買うことを知らず
ほんとうにひとを愛することを知らず
ぼくを覚えてくれているひとなどひとりもいない
ワインを買って
赤いワインを買って
ジプシーの音楽を聴いて…
「赤いワイン白いワインと飲みにけり」
「いや、赤いワイン白いワインと落ちにけり、ではどうだ」
「行くへも知らぬこひのみちかな」
「ル・ジタンの煙に咽ぶ女なり」
「アコースティックギター音色愛しも」
「感情的だな、諧謔的でなく」
聖なる市場の雑踏
パスタ売りの声
ニンニク赤唐がらしを炒り出したオリーブオイル
パスリ セイジ ロウズマリイとタイム
バジル オレガノ マジョラム
伝えろと言われても
名まえを知らず
特長を知らず
職業は
服装は
髪の色は
瞳の色は
肌の色は
性別は
何も聞かずに別れて来てしまった
虚栄の市に来るのに
用事を聞かずに来てしまった
「赤がらし青唐がらしと食べにけり」
「西洋がらしは黄色きからし」
「マスタードドーナッツにはケチャップを?」
「赤きトマトのカンヅメ青し」
おまえに用事はない
虚栄の市場に
だれも用事はない
空虚しいお祭りさわぎ
情熱的なギター
張りのある甲高い声
虹の脚もとにたつ
虚栄の市場に行くところですか
パスリ セイジ ロウズマリイとタイム
バジル オレガノ マジョラム
などを買いに行くところですか
そこにはわたしをかつてほんとうに苦しめたひとが住んでいます
そのひとに会ったら
よろしくと伝えてください
ぼくは元気にやっていますと
出てくるハーブ類は、私のキッチンにはほとんど常備していた。最近は、減ったけど。
得意料理は、テキトーなパスタということにしておくが、これは、その昔、伊丹十三氏のエッセイに触発されたもの。
連歌風の遊びも入れて、西洋と東洋の融合を図った作品、とかね。