ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

その迷宮は目に見えない

2014-10-10 23:15:46 | 肯定する

その迷宮は目に見えない

目に見える明白な迷宮は迷宮ではない

ひとつも迷宮に見えない

すみずみまでよく見とおせる

死角の無い四角い箱のような建築

それこそが迷宮

明白に目に見えるものしかないのに

その底に潜んでいる謎

扉を開けたその向こうに流れる織り目(テクスト)

 

宝石箱

びっくり箱

パンドラの箱

 

ひとつも隠されていないのに

謎はひとつもないのに

潜んでいる謎

奥深い闇

 

視線を向けて読みとることで

ひとつひとつほどけて行きながら

さらにその奥に謎が現れる

 

謎は尽きることがない

迷宮は終わることがない

永遠に道は続いている

永遠にその先の未来は続く

文字は書き継がれて

書かれた文字は残される

残された文字は読み継がれる


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