1988年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart17は、Bryan Ferryの"Kiss & Tell"。最高位は4月30日付の第31位、年間チャートは圏外でした。
Bryan Ferryですが、70年代のブリティッシュロックファンの方々ならご存じだと思いますが、80年代以降の方々だと、知らない方も多いかもしれません、グラムロックバンド「Roxy Music」の中心メンバー。
Roxy Musicは、ボーカルのBryan Ferryが中心となって1972年に結成、母国イギリスでは、ファーストアルバム『These Foolish Things』がアルバムチャート最高位5位、そのアルバムからのデビューシングル"Virginia Plain"が最高位4位、さらには3枚目のアルバム『Stranded 』で初のアルバムNo.1を記録するなど、大人気バンドとなりましたが、アメリカでは、チャートの下位に入るのみで、知名度は高いものの、大ヒットにまでは至りませんでした。
そのアメリカでも、きわどいジャケットで有名になった4枚目のアルバム『Country Life 』がTop50位以内に入り、さらに次のアルバム『Siren』からのシングル"Love Is the Drug" が、イギリスでは2位、アメリカでは30位と、初のTop40ヒットとなります。
アメリカでのTop40内に入るシングルヒットは、結局この"Love Is the Drug"の1曲のみでしたが、イギリスでは人気は継続し、活動を停止した1983年まで、コンスタントにヒットを出していました。
さて、Bryan Ferryですが、バンド活動に並行して、ソロアルバムの発表も継続してきましたが、1983年、バンド活動停止後、本格的にソロとしてのアルバム制作に移り、85年に発表されたソロ6枚目のアルバム『Boys and Girls 』がイギリスでソロで初めてのNo.1アルバムとなります。
続いて87年にリリースされたのが7枚目のアルバム『Bête Noire 』で、そこからのセカンドシングルがこの曲"Kiss and Tell" です。
"Kiss and Tell" の作者はもちろんBryan Ferry。映画『Bright Lights, Big City 』の中でも使われ、ソロアルバムとともに、サウンドトラックアルバムにも収録されていた曲です。
Bryan FerryがTop40に登場したのは"Love Is the Drug"以来この曲で12年ぶり、ソロでは初めてのヒットとなりました。
この曲、Top40には3週間しか滞在しなかったですが、改めて聞くと、イントロから強烈なインパクト、それに続くBryan Ferryの怪しげなボーカル、何だこの曲は、カッコいいぞ!という曲でした。
こちらがRoxy Musicの唯一のTop40ヒット"Love Is the Drug"、1976年に最高位30位を記録、こんな曲がチャートを上がるの?との当時としてもびっくりの変わった曲でした、が、不思議な引き込まれる曲でもありました。