蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

座内発表会~反省会~②

2014年05月04日 13時30分19秒 | 日記
昨日の反省会の続きを…

今回の座内発表会
私は、とても意義があったと思う。

ケンジ君にとっても、準劇団員にとっても
研修生にとっても、大きな収穫があったはず。

イメージの共有の大切さ
演出と役者とのコミュニケーションの大切さ
スケジューリングの大切さ
受け身(受動的)ではなく自発的(能動的)に
自らが考え行動することの大切さ

上記は、常に私も心がけ団員に伝えていることだけど
言われて「大切なんだ」ということは自覚していても
なぜ大切なのか、それらが不足すると
どんな舞台になるのかを体験しなければ
「本当にそうだ」と思うことが出来ない…

試みとして面白かったのは
台詞を殆ど使わず身体表現での伝達に
こだわったこと。

これは勇気がいる。
私には、恐ろしくて…
やってみたくても真似は出来ないなぁ…

万が一、私が言葉を使わない演出をするとすれば
歌か朗読か…字幕?映像?…
何かしらのアイテムを使うだろう。
なぜなら、伝えたいから。
お客様の感情を揺さぶりたいから。

ケンジ君は、照明効果を使いたいと思っていた。
照明があれば、確かに見え方は違っただろう。
が、予算やスケジュールの関係で
照明を使えない会場で発表することに…

演出的に面白い試みもあり、それを
役者やお客様に伝えきれなかった悔しさもあるだろう。
悔しさは次へのバネになる。
このバネで大きく飛躍して欲しい。

改めて思ったのは…上演空間の大切さ。
夢幻工房は、これまで空間にこだわり舞台を造って来た。
その空間だからこそできる芝居
その空間でしかできない芝居を模索し続け
これからもそれに挑んでいきたいと思っている。

照明が無いなら無いなりに
成立するお芝居を作るのが演出家の役割だし
何もなくても伝えられる脚本を選ぶのも
演出家の役割だ。

「ないから仕方ない」
「これで勘弁して」
というのは、あってはならない言い訳。
足を運んでくださったお客様に
「お!?」「へぇ~っ!」「うぉーっ!」
と感じていただくのが演出の醍醐味。
ケンジ君もそれを狙っていたとは思うが
どこか諦めが潜んでいたのではないかと…

私も同じ経験をして来ているし
今でも公演終了後

 私は諦めた瞬間はなかっただろうか…

と自問自答している。

何かのせいにしているうちは、成長しない。
自分が出来る最大限の努力をした結果
成功すれば、大きな自信につながるし
例え失敗しても、大きな学びとなる。

私自身もまだまだ発展途上―

座内発表会の稽古の進捗状況や
当日運営を客観的に観察できたのは有難かったし
改めて何が大切かを確認する時間となった。

準劇団員や先輩研修生にとっては

①先輩として後輩を引き上げていこうという自覚を持ち
 テンションを保って最後までやり抜いた。
②自ら能動的に演技を考えることの面白さを知った。
②後輩に対して上手く伝えきれなかった原因を
 自分の脳で考えるようになった。
③自分自身の課題を忘れずに
 持ち続けることの大切さに気付いた。

研修生にとっては

①恥ずかしさが邪魔をしていると自覚した
②台詞がなかったことで、下記を体感出来た。
 ・他者とコミュニケーションをとるために
  しっかりと相手の目を見て
  相手のリアクションを受け取り
  自分の意思を伝えるために
  恥ずかしさを振り払い  
  表情・身体をいつも以上に動かせた。
 ・自然なリアクションというものを体感できた。
 ・大きな声を出そうと思っても
  今までは体が構えてしまって
  なかなか素直に声を出すことが出来なかったが
  ひたすら大声を出すことで
  自然に声を出すことが出来るようになった。
③先輩についていくことに終始した原因が
 考えることを放棄していたことだということに
 気づくことが出来た。

そして

 お客様とスタッフがいなければ舞台は成立しない

ということを再認識する機会になった。

これは、舞台に立つ役者にとって
一番大切なこととも言える。

この座内発表会を通して

 獲得したこと
 気付いたこと
 体感したこと
 出来なかったこと
 気付けなかったこと

を、素直に受け止め次へのステップにしてくれることを願う。

出来たことを出来たと認める
出来なかったことを出来なかったと認める

当然のようだけど、案外難しかったりするんだよね。

「素直さ」「率直さ」は自分を成長させてくれる一番の源

全ては捉え方次第! 考え方次第!

 この発表会に何の意味があるのか

と考えるのは、自分が費やした時間を無にするようなものだ。
それは勿体ないし、自分自身もかわいそうでしょう。

 この発表会にどんな意味があったのか

と深く考え、それぞれが答えを導き出せば
今回の発表会がいかに有意義であったか
改めて実感できるに違いない。

新☆団員の第一回目の稽古が反省会だったのは
返って良かったのかもしれない。

夢幻工房が大切にしていることや
私や団員が考えていることを
ディスカッションの中で
知ることが出来たのではないかと…

さて…

いよいよ今週土曜にオープンエアーの稽古が始まる♪

今年も暑い夏がやって来るぞ~っ!