蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

垢を落としに!?

2014年08月29日 00時38分07秒 | 日記
昨日の早朝、ケンジ君が新潟演劇大学へ向かった。
計四日間、新潟に滞在予定。

昨年もオープンエアの翌週に参加し
刺激を受けて帰って来たあの『演劇大学』だ。

この企画は、日本演出者協会主催で全国各地で開催中。

今回は、協会理事長の和田喜夫先生の指導を
受けられるとの情報が入り、早々に参加を決めたようだ。

和田先生は、2010年までオープンエアシアターの
監修をしていただいていた演出家。

私がまだ劇団くるま座に所属していた頃
手術・入院という初めての経験をして
劇団活動を休まざるを得なくなった時に
偶然にも飯田で開催される演劇大学の情報が耳に入り

 劇団に復帰できそうにないから
 参加してみようか…

と、軽い気持ちで参加したみた。

和田先生は演劇大学の講師の一人だった。

この時の和田先生との出会いが
私の演劇観を変えるきっかけになった。

和田先生は、アングラと呼ばれるジャンルの演出家で
私はその頃、アングラ否定派だった。

10代の頃、観劇したアングラ演劇は
マスターべションにしか思えず
私の肌には合わないと決めつけていた。

が、和田先生が飯田の演劇大学で
受講生たちと創作した芝居は
非常に刺激的で面白かった。
内容まで覚えていないけどね(笑)

思えば、寺山修司氏や唐十郎氏の舞台を
食わず嫌いで観たことがなかった。
その後、唐十郎氏の赤テント芝居を見て
カルチャーショックを受けることになる。

食わず嫌いは損をしますね~

そんなわけで、とても興味を持った私は
偶然宿泊所で遭遇した先生を掴まえて(笑)
お酒を飲みながら、深夜までお話をさせていただき…

先生曰く

 君はインパクトあったよ~

と(汗)

その後、劇団を立ち上げることを決意し
役者しかやってこなかった私は
脚本執筆や演出の本を読み漁った。

が、本はあくまでも本である。
ノウハウを知っただけでは
なかなか実践に結びつかない。

 経験豊富な演出家に学ぶ必要があるな…

と思案した末、脳裏に浮かんだのが和田先生だった。

その時、既に野外劇構想もあった。
和田先生は、野外劇の経験も豊富だったのです。

思い立ったら吉日、早速先生にお電話で

 教えてください!

と頼み込んだ。

ダメ元ですから、怖いものなし。

先生は、私のことをよく覚えていてくれて
台本添削のご快諾をいただけた。

それから何度も東京に通ったっけ。

私の演劇観が変化したのも和田先生と出会ってから。

先生は、非常に身体性を重視されていた。

台詞芝居に走りがちな私に
身体の在り方や、人物の構成、構図
舞台美術の重要性などを
私が大切だと気付くように導いてくださった。

と同時に、良い台本が書けなくて
幾度となく挫折しそうな時

 君は物書きに向いていると思うよ

と言ってくださり、励ましていただいて…

監修と言う立場だったが、私の精神面を
サポートしてくださっていた。
先生自身がはっきりそう仰ってたので(汗)

以前は弱かったんだよね、私も(笑)

小さな芝居と違って、オープンエアは
キャスト&スタッフ総勢100名にのぼる大プロジェクト。
失敗は許されない…という不安と葛藤を胸に抱え
死に物狂いで突っ走っていた。

今も、プレッシャーが全くないと言えば嘘になるが
ノウハウと実践経験を積んだおかげで
道筋が見えるため、もう不安に駆り立てられることはない。

「自信」は、実践と経験により培われるんだね。
死に物狂いで学び、苦しくても途中で投げ出さず
転んでも立ちあがって挑み続けているうちに
徐々に認めてくださる方が現れて
ちっぽけな自分が、少しずつ大きくなっていく。

和田先生には、演出・脚本・身体表現の他
音楽面でも助けていただいた。

オープンエアシアターの初回公演の時に
作曲家の園田さんを紹介してくれたのも和田先生だ。
舞台音楽を作曲できる知人はいなかった…

園田さんは、作曲家としても奏者としても売れっ子で
ご多忙の中、5年間お付き合いいただいた音楽家。
台本からイメージを読みとって音にしてくださる
私にとっては有難い作曲家さんでした。
初回から音楽面で本当に助けていただき…

先日東京で観劇した三谷幸喜氏の舞台にも
アコーディオン奏者として出演されていました。

未だに無茶ブリは健在だが(汗)
その無茶ブリに温かく対応してくださった
和田先生と園田さんには、心から感謝している。

またいずれ、何かの機会にご一緒できれば…
と思っているが、それには
私や劇団がもっと体力をつけないとね。

話が大分ずれたけど、そんなわけで
ケンジ君は、只今新潟演劇大学を受講中。

私も日曜日の発表会を観に行き
和田先生や他の現役バリバリの演出家から
刺激をいただいて、次に生かそうと思っている。

やっぱり刺激がないとね~
腐っちゃうものね~

質の高い舞台を観て
真摯に舞台へ向かう人と対話する―
これが演出家としての私の
一つのリフレッシュ方法♪
お風呂に入るようなものかな?
つきまくった垢を落とすのだ~(笑)

縁によって変化するのが人間ですから―

自然に身を置いて、ゆっくり自分や世界を俯瞰するのもイイよね~

新潟の演劇人たちとの交流も楽しみだ♪