蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

スカラーとベクトル

2012年03月20日 23時16分39秒 | 日記
先週から…というか、随分前から…
今更ではあるんだけど、演劇について再考している。

あ、ううん…
きっと、ずっと考えて来たんだ

きっと生きている間、ずっと考え続けるのかもしれない…

先週土曜日に芝居を2本観た

そのうちの1本のおかげで
また考えるきっかけをもらった

大昔、古代ギリシャ時代から今日に至るまで
演劇が存続し続けた理由は何か?

いつも同じところをループするお題なんだけど
今回は、あるワードとバッタリ出会い
このワードを掘り下げつつ
私の現段階での演劇観を掘り下げてみようと
調べ出したまでは良かったが…

今は、思わぬ方向に好奇心が動き出して
随分違うところに飛んでしまっている。

取り敢えず、日記には記しておこう。

これ以降は、私のメモです。


出会ったワードは

  スカラーとベクトル

私は演技をするときも演出をつけるときも
ベクトル(方向性とエネルギー量)を考える。
これは、私にとって芝居を創る上で
重要ポイントの一つである。

…と思っている自分に間違いはないのか?

と、自分自身を疑ってみることにした。

で、ベクトルの意味を調べてみたところ
この「スカラー」というワードが目に入った。

両方とも、数学用語で対の関係にある。
ベクトルは、大きさと向きを持つ量→「向きのある量」
スカラーは、方向を持たない大きさのみを持つ量→「向きのない量」

  力・電界・運動量・速度→ベクトル
  長さ・面積・質量・温度・時間・速さ→スカラー

スカラー?って、どこかで聞いたことがあるよなぁ…
スカラーシップ??
…とは違うよね。。。

高校の数学Bで出て来る用語。
うーん…

そう言えば…ちょっと話がずれるけど
ずっと以前、白装束の某教団がスカラー電磁波がどうたらこうたら…
というニュースがあったような…

向きを持たないのがスカラー電磁波だそうで。
電磁波は通常波形で向きを持っていて、ベクトル電磁波と呼ぶそうで。

ここから先は物理学になるので取り敢えず置いておいて

この「速さ」と「速度」の違いを考えることにしよう。

速さは向きを持たない。
速度は向きを持つ。
速さには向きがないので、正の数以外あり得ない
速度は向きがあるので、負の数にもなり得る

これは、座標軸を基にした考え方

演劇観と関連づけようと思ったけど
まずは、数学の復習を少し…

座標軸

1 座標を決めるための基準となる数直線。直交座標のx軸・y軸など。
2 物の強弱・濃淡などの程度を示す基準。「ワインの品質、味わいを―で示す」
3 個人・国家などを中心に置いて、関連する事物、現象などの位置関係、相互関係などを示す基準。「社内の人間関係を示す―」
4 個人的、社会的生活についての拠り所。基準。「経営者としての―を失う」「技術の進化で社会の―の原点がずれようとしている」

座標軸によって、浮かび上がらせたいものは何か?

によって、座標軸が確定する

構造も大切だ

構造化の3本柱→階層性・直線性・対称性

(続く)

年度末まで、あと少し…

2012年03月19日 06時22分59秒 | 日記
年度末まで、あと何日?

残り僅か12日…

今年度中に終わらせなければならない仕事が
いくつか残っていて、今、猛スピードで仕上げようと
劇団員と共に、作業また作業の毎日です。

昨夏のオープンエアシアターのDVDが
諸事情で遅れに遅れ、ようやく今日入稿。

関係者の皆さん、お待たせして申し訳ありませんでした。

来週中には、発売開始の予定。
業者から完成確定日の連絡が来たら
発売開始日を劇団HPにアップするので
今少し、お待ちください。

劇団員がDVD編集作業をしていた時
「KAGUYA」の劇中音楽が聞こえて来て

  懐かしいなぁ~
  やっぱり良いなぁ、生演奏♪

彼は、編集しながら

  何度見ても泣ける

と言ってました。

ま、思い入れもあるからでしょうけど。

昨年5月に上演した劇団本公演のDVDも
二日遅れぐらいで発売開始予定。
つい先日、DVDの完成版が届いて
ラベルデータは、つい先ほど完成
あとは、ジャケットデータを残すのみ。

にしても、遅れ過ぎだよね…

来年度は、今年のようなトラブルがないように
発注業者の吟味しなくてはなりませぬ…

賛助会員募集のリーフレットは
今週末に配送される予定。

うちの賛助会員の特典は、マジお得です!
検討してみる価値あり!ですよぉ~

夢幻のHPをご覧になった方が
「百々眼」のDVD注文を下さったり
賛助会員のお申し込みして下さったり…

有難いことですね!

オープンエアシアターの一般参加申し込みも相次ぎ

  早く台本構成を仕上げなければ…

と、少々焦りそうになる気持ちを落ち着かせながら

  一つ一つ丁寧に!

けど、効率的にしなくちゃね。

がんばろぉーっ!!

久しぶりの完徹。。

2012年03月16日 10時51分45秒 | 日記
ふぅ…
取り敢えず作成終了!

後は校正してもらって修正して
印刷会社に入稿すれば一段落。

ずっと理事の皆さんに

  早く!

言われていたのに
今頃になってしまいました。

申し訳ありません。

作成していたのは

  賛助会員募集リーフレット

でした。

A4の用紙を内側に巻き込んで折る三つ折りタイプ。
このサイズは初めてで、途中まで製作してから
サイズの間違いに気付いたりして…

小さいスペースに効率よく情報を入れつつ
ごちゃごちゃしないように空間を確保して・・・

プロなら、チャッチャと作っちゃうんだろうなぁ~

今回はねぇ、表を作るのと情報を整理するのに
大幅に時間がかかった。

必要なデータは、揃っていたんだけど
そのまま、文字だけダラダラ~じゃねぇ。

さて、校正をかけてもらってる間にひと眠りしよ…

もうすぐ3ヵ月・・・

2012年03月13日 23時10分25秒 | 日記
早いもので、劇団員制度改定から
3ヵ月が過ぎようとしている。

新たに研修生というランクができ
去年まで準劇団員だったメンバーは
全員研修生になった。

研修生は希望して昇格試験を受け
合格すれば準劇団員になれる。

昇格試験は、3ヵ月毎に実施することになっており
制度改訂後、初の昇格試験を3月末に行う予定。

挑戦する心意気を持つ団員の今後に期待したい。

昨年9月に劇団員研究生として入団したガンちゃんも
劇団員昇格規定にある最低6ヵ月の研修期間を過ぎ
同じく昇格試験に挑む予定。

オープンエアシアターの始動前に
体制をしっかりと整えて
より良い舞台を生み出せるように…

そして、4月にはキッズクラスの5人のうち
3人が青年クラスに上がって来る。

キッズと青年クラスの稽古内容に大きな開きがあり
レベルもかなり違うため、戸惑うこともあるだろうけど
3人とも前向きで負けん気が強いから
きっと食いついて来るだろう。

これからの成長が楽しみな3人です♪

問題は、キッズクラス。。
3人が青年クラスに上がると残るは2人。
2人とも、かなり良い感じで伸びて来ているが
いくらなんでも2人じゃ寂しいよね。

  夢幻のキッズ、上手いですねぇ~

と、観客や撮影関係者からお誉めの言葉を頂くことが多いので
もっと宣伝していきたいと、ずっと思っていたんだけど
ついつい後回しになってしまって…

来年度の目標は「広報・宣伝」の強化!
劇団員と協力し合い、改善していこうと思います!!

キッズクラスの対象年齢は

  5歳以上小学6年生まで

どこかに興味のある子、いないかなぁ…

市民劇場例会

2012年03月12日 16時51分10秒 | 日記
昨夜は、MAを休み市民劇場の例会に行かせてもらった。

観劇したのは、劇団民芸の作品

 静かな落日-広津家三代-
 作=吉永仁郎 演出=高橋清祐
(キャスト)
 広津和郎(作家):伊藤孝雄
 広津桃子(和郎の娘):樫山文枝
 他

1949年に起きた戦後最大の冤罪事件「松川事件」に
ペン一本で挑んだ広津和郎と
病身の和郎に寄り添い支えつづけた一人娘の桃子の
父と娘とのおかしくせつない家族のきずなを描いた作品。

祖父・広津柳浪と父・和郎、娘・桃子の作家三代のおかしな家族。
父と娘を結ぶ不器用な愛情をベースに
和郎の友人・志賀直哉と宇野浩二との男の友情を描きながら
家族のあり方、人間の生き方、そして人が真実にむかう姿勢を浮かび上がらせる―
 (以上「劇団民芸」HPから抜粋転載)

劇中、広津氏を形容する言葉

  忍耐強く、執念深く、みだりに悲観もせず、楽観もせず…

という言葉が印象に残った。

松川事件とは…

1949年(昭和24年)に福島県の国鉄東北本線で起きた列車往来妨害事件。
下山事件、三鷹事件と並び、第二次世界大戦後の
「国鉄三大ミステリー事件」の1つと言われており
容疑者が逮捕されたものの、その後の裁判で全員が無罪となり
現在に至るまで犯人は不明の事件。

小説家である広津氏は、ある日届いた一冊の本を読み
「この文章に嘘はない」と直感。
この本は、獄中から無実を訴える被告の文集『真実は壁を透して』だった。
既に60歳を越えた広津氏だったが
「無実の人を死刑にさせるわけにはいかない」と
専門外の裁判批判に挑み、無罪を勝ち取った。

  その一冊の本のどんな表現から直感したんだろう?

素朴な疑問が湧き、調べてみたところ
下記のような見解に出会った。

広田和郎には、論証的な批判にむかう前提に、人間とはどう感じ考え、どう行動をとるものなのかという文学者の目がありました。また、ことばを生業にしてきた和郎にとって、具体的な人間の暮らしを無視した判決文は説得力のない空文でした。とくに目につくのは、物的・状況証拠がまったくないのに対して、〝しかし、だからと言って、被告が……しなかったとは言われない〟という言い回しでした。そして再び「『軍の権威』の前にみんながおしになった時代」をくり返してはならない、という歴史に対する強い責任がありました。和郎は「何よりも先ず、正しい道理の通る国にしよう、この我らの国を」と筆書きしています。

これだけを読むと、正義感が強く
押しの強い人間のようにも受け取れるけど
広田氏のそれまでの生き方は全く間逆のものだった。

「私が文学に引かれ文学をやっているのは、私という人間の弱さのためである」

と述べ、大政治家の強心臓に対して文学者の心臓は弱く
トルストイもドストエフスキーも心臓が弱いがゆえに
人類の犯すあらゆる非人間性に我慢がならなくなって反逆したのであると論じ
おしつけがましさや無理、不自然を嫌ったとか。

娘の桃子さんが最も愛した父・和郎さんの言葉は

  明日は死ぬ、しかし今日は生きている、つまり今日に死はない
  すなわち死なないと思って人間は生きているのである

当たり前のことのようだけど
その当たり前のことを改めて考え
文章にしたり言葉にするのが作家なのかもしれない。


舞台観劇後は

  広田氏が松川事件に向き合った過程を
  もっと観たかった

と思ったが、湧き出た疑問のおかげで
調べる気になり、知ることが出来たのだから
こういう切り取り方もあり、なのでしょう。

作品の提出の仕方も手法も多種多様

  何を選び、どう提出するか…

再考する機会を与えてくれた舞台でした。