イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

総領

2012年11月05日 | イコン
息子は高度難聴で耳は聞こえないし、
頭もよくないし、
かっこつけてますが
てんでばらばらの顔だし
まともなところはないのですが

ひとつだけ
これは誇れるところがあります。

それは必ず妹や祖父母や私のことを最後に考えるところです。

ご飯を食べていても
「あいつ(妹)は食べたの?」と必ず聞き
「じいちゃんたちは?」と聞き
もし食べていなかったら
おかずを必ず大半残します。
(我が家は個々の盛りつけじゃなく、大皿に盛るので)

これって大切なことで

私も祖母に「両親を守れよ。幸せになるいちばんの近道だから」としっかり教えられています。

祖母は津山藩松平家家老の娘だったので
普通の家の娘よりよけいに家督家訓の話をしたかったのかもしれません。
祖母の実家は落合にあります。

直接、家族を守る方法として
古代から飲食の確保があります。

家族の長は家族を食べさせて生きさせるのです。

息子はその飲食の確保を必ずしてくれています。

私は学歴とか、財産の有無の前に

家族の飲食の確保を必ず考えてくれている息子の生き方に間違いはないと思っています。

それでこそ、我が家の総領です。


みなさんも
どんな形であれ、家族を守るのですよ!

それが幸せとなる近道です。

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見栄っ張り

2012年11月05日 | イコン
母がデイケアで「おもしろいことがあった」と話してくれました。

母は江戸っ子で、貧乏人の家の出なのですが
江戸っ子の見栄っ張りとはさらさら縁がなく
「ないものはない!ないんだから仕方ない!」という潔さがあります。

その母が見ておもしろかったという話です。

デイケアのホームに母より10も年上の90歳のダンディが見学に来られたそうです。

彼はシベリア抑留後、貿易の会社をずっとしてきて
いまだにベンツを運転し
しゃんとしたダンディな男性だったそうです。

ホームのスタッフの方は彼が利用してくれたらと思ったらしく
見学に連れて来られたそうです。

初めてお会いしたときには、シベリアの話や仕事の話をしてくださって母も楽しかったと言っていました。

二度目に来られたときに
「このままここに来られるようになるのかな?」と思っていたそうですが

彼がホームで出されたコーヒーを一口飲んで言った一言が
「まずい!」でした。

実は、私も「おいしくないコーヒーだな」と思っていましたが
ご高齢の方々のホームなので
濃いコーヒーは出さないのだろうと考えていたのです。

「それをはっきり、まずい!って言ったのよ~!」と母は大笑いでした。

彼は「まずいものを出すところはご免こうむる!」と言って
二度と来ない宣言をしたのだそうです。

「まずいものをうまいと言う江戸っ子の見栄っ張りは見てきたけど
まずいものをまずいと言える爽快さはいいわね~」と母はいまだに大笑いしています。


人間の欲の現れでもある見栄っ張り。

表面だけ見て、善し悪しを決めて判断する浅はかさ。

岡山なんかと罵る人間や
私の実弟夫婦、義妹の石黒Yも
見栄っ張りの中身はカスのスッカスカ~という例でしょう。

江戸っ子は気っ風の良さがあります。

母の「ないものはない!」というカラッとした気質は私にもあり

例え身内と言えども「だめなものはだめだ!」

高齢者に言葉の暴力を続けていたり、
祖父母に挨拶に来なかったり
未成年の娘の前で酒びたる夫婦も
だめなものはだめだ!

アル中はなおらない!
母の介護のホームのコーヒーも確かにまずいのです。

それに気づかないのも「感覚」がないのだなと考えています。

「ベンツの彼の話は楽しかったな~」と母は言っています。

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人間の創作

2012年11月03日 | イコン

 

時々、Eテレの高校講座を見るのですが

芸術の美術でヤノベケンジさんが高校生たちに立体を形づくることを教えていました。

マッチ棒とグルーガンを使って次々とマッチ棒を繋げて立体を作ります。

最後には高校生たちが作ったマッチ棒の立体作品をひとつに合体させて燃やしてしまいます。

私は最後に「合体」ときたかと思いました。

ヤノベケンジさんは私とほぼ同年代で

日本人がみんなで日本の社会を国際的にしていこうとした矢先に幼い時代を過ごしています。
希望あるよい時代を見ていた子どもたちだったのです。

個々に何かしているけれども、最後にはひとつになって昇華させる。
想いを成就させます。

マジンガーZや仮面戦隊ものが大ブームだったのも
「みんなで悪と戦う。みんなで」という部分がウケたんだと思います。

高校生たちの「炎上彫刻」は美しく燃えて
みんなの立体制作への想いや制作過程での様々湧いてくる気持ちは昇華されていました。

昨日の朝、食事の時に母が話してくれました。
母がテレビかラジオで聞いたらしく、私は詳しいことは知らないのですが、
どこかでの展示の話です。

戦争中に日本人捕虜となった方々が
何もない収容所で
木の葉やゴミくずを使って
龍やコブラのようなもの、動物などを作っていたそうです。

それらがどこかで展示されているそうなのです。

母はたいへん感激して「人間は極限の時でも、何かしら楽しみを見つけて創作しようとする。
だから芸術というものは決してムダなものではない。
あなたも心して創作しなさい」と言うのです。

また「当時、自分の楽しみで作っていたものが、時代を越えて見た人に訴えかける。
有名な芸術家とか名前があるかとか…そういうことではない。
その訴えかけてくるすばらしさが芸術そのものだ」と言うのです。

母は日本画家の祖母から芸術家たちの心を
いろいろと教わりましたから
本当の表現や精神性を理解しているのだと思います。

大事なそれらはどこで展示されているのだろう?

やっぱり、表現の本当の先生というのは
今まで生きてきた先人たちでありますね。

先人たちのしてきたことや残してきたものから
私たちは教わります。

 


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