The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

ラ・ミッションとオー・ブリオン

2006-09-14 18:11:41 | ワイン
パプ・クレマンの3ヴィンテージは、いずれも良年で凝縮していました。

それに比べ今回のラ・ミッションは、水浸しの92’と熱波に苛まれてタニックな86’が並びました。

92’のラ・ミッションは思いの外、骨組の柔らかい質感で、
フィニッシュのグリップに欠けるものの、
既に風味よろしく、親しみ易い味わい・・・
このヴィンテージの正しく成功例と言えるでしょう!!

86’は濃密なガーネットの色合いで、
土の風味と燻したような薫香にハーブのニュアンス!
味わいは完全にタンニンを落とし切らずに、押し黙った鎖帷子・・・
次に控えるオー・ブリオンの大らかさはありません!!
私見ですが、あと5年の待ちが重要でしょう?

さてそれに続いたオー・ブリオン!
もちろん、世紀の逸品と言える90’です。
緻密です!隙がありません!!
しかしながら、その価値は決して味わいのスケール感ではありません!!
それは、ブルゴーニュで言えば、フィネスと表現される物・・・
つまりエレガンスと調和なんですね・・・

上手に熟成の極みに達した78’も、ブル古酒との交叉点に位置しております。
オー・ブリオンの大らかさ、深遠さ、広がり・・・
それは海の様に果てしない物・・・

ワインの格が上がれば、上がるほど、その方向に向かうのでしょう・・・
ワインはそうゆう物です!