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-ロシアと満州-(GHQ焚書図書開封 第115回)

2019-08-25 15:44:13 | 近現代史

GHQ焚書図書開封 第115回
-ロシアと満州-
 義和団事件以降、全満州を占領したロシアは、東清鉄道爆破の損害賠償を支那に要求すると同時に、支那清国軍の満州駐屯を許さず、東清鉄道の重要拠点はロシア軍が抑えた。
 清国の要望により治安維持のために蘆構橋事件発生まで北京に駐留した日本軍。蘆構橋事件は支那が治安維持部隊日本軍を攻撃した事件(在日米軍に自衛隊が発砲するようなもの)。
 ロシアに迎合した事大主義の支那。日露戦争後、日露で南北分割された満州。今度は、満州に介入してきたアメリカ側についた支那。そのため、日本は、ロシアに代わり、アメリカに対決しなければならなくなった。
 ひたすら営業収益を求め、株主への分配、政府への用立てのために官僚化、腐敗化した満鉄。満鉄は、居留日本人の利益に資することがなくなっていった。外交は、定見なく、理想なく、力なく、悪列の極みにあった。
 豊かになった満州に山東省からの難民が流入し、2,200万人の人口の90%以上を漢人が占めることになり、最大移民者日本人人口は0.9%の20万以下までに落ち込み、満州族、朝鮮族、モンゴル人もろとも、日本人も漢人に駆逐されることになった。
 日本の対満政策が商工業中心で農業を軽視したため、漢人は農業分野に入り込み満州に深く根を下ろすことになった。これが、「本来満州は支那のものでなかった、満州は満州族のものである」ということを打ち消す原因となった。移民・難民による人的侵略の最たるものである。
 ロシアの満州進出目的は、シベリア鉄道~満州鉄道~ウラジオストクに至る障害なき海洋への出口を求めることであった。現在、黒海のロシア軍港のあるクリミアを巡ってウクライナと紛争しているのと同じ理由。
参考文献:「満州の過去と将来」長野朗 「米国人の観たる満州問題」太平洋問題調査会 新渡戸稲造
2016/8/31に公開