大地震の発生からおおむね1日後に発表されてきた余震確率について、気象庁は19日、発表方法を大幅に変更した。確率は1週間程度たってから発表し、確率の値そのものでなく、「平常時の70倍」といった倍率で表現する。それまでの間は同規模の地震などへの注意を呼びかける。政府の地震調査研究推進本部が同日、見直しを求める報告書をまとめたことを受けた。
気象庁はこれまで余震確率を確率の値を含めて発表してきたが、4月の熊本地震では、最初に起きた大きな地震(マグニチュード〈M〉6・5)で「3日間以内に震度6弱以上の余震が発生する確率は20%」などと発表した後に、近くの断層でより大きいM7・3が起きた。「余震」という言葉がそれ以上大きな地震は起きないとの印象につながった可能性や、確率の値が低いと受け取られた可能性が指摘されてきた。
新しい方法では、大地震から1週間程度は、過去の事例などをもとに同規模の地震の発生に注意を呼びかけ、地震のタイプによってはより大きな地震も想定する。呼びかけでは「余震」という言葉は使わない。近くに活断層がある場合は、その活動状況も言及する。1週間程度以降は余震確率を発表するが、平常時などと比べた倍率で危険性が的確に伝わるようにする。(奥村輝)