俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

信仰と布教

2010-06-25 16:24:29 | Weblog
 日本での戦国時代から江戸時代に至るまでヨーロッパのキリスト教会は宣教師を世界中に派遣していた。
 地球が球体だから宣教師はアジアや南米にまで派遣できる訳だが、彼らは地球が丸いということが聖書の記述と矛盾しているとは感じなかったのだろうか。
 あれほど地動説を異端として弾圧したキリスト教が、地球が丸いということをなぜ承認できたのだろうか。地動説はあくまで仮説なので否定が可能であるのに対して、地球が球体であることは既に現実として認めざるを得なかったということだろうか。
 宣教師はどんな思いで布教に赴いたのだろうか。聖書とは違った現実に基づいて渡航することは、自ら聖書を否定することに加担することになるとは考えなかったのだろうか。
 宣教師が自ら地動説や進化論を日本人に教えていたことは記録にも残されている。どんな思いでこんな邪説を異教徒の地で教えていたのだろうか。
 案外、宣教師はキリスト教の嘘に気付いていたのかも知れない。嘘であろうと今更宣教師という職を捨てる訳には行かない。それは失業という現実的な問題だったのかも知れない。それにしても嘘のために故郷を去り辺境の地に赴かねばならないとは恐ろしいことだ。

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