俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

13日の金曜日

2009-03-14 14:14:35 | Weblog
 昨日は3月13日の金曜日だった。縁起をかつぐ人には最も嫌われる日が2月・3月と2ヶ月続いた。
 13日の金曜日が続くのは閏年でない年の2月・3月にしか起こり得ない。2月13日が金曜日に当たる確率は1/7で、閏年でない確率は3/4だから、13日の金曜日が2ヶ月続く確率は3/28となり、28/3年に1度(約10年に1度)しか起こらない。
 ところで「13日の金曜日」というホラー映画ではジェイソンという怪人がチェーンソーを振り回して暴れる。エンディングでは「さすがのジェイソンもこれで死んだだろう」と安心するが次回作ではまた蘇って大暴れする。
 西洋の怪人や妖怪には必ず弱点がある。例えば最強の妖怪のドラキュラでさえ光や十字架や聖水やニンニクに弱い。なんだか弱点だらけだ。
 一方、日本の妖怪には弱点が少ない。特に幽霊は既に死んでいるのだから殺すことは不可能だ。争っても無駄だから恨みを鎮めて成仏してもらうしか無い。日本人は大国主命や菅原道真などの怨霊に対しても退治するのではなく、祟りをなさないように大規模な神社を作って鎮魂を図った。
 これは「自然」に対する姿勢と同じだ。と言うよりむしろ自然に対する姿勢が「超自然」に対しても同じように守られたと言うほうが適切だろう。西洋人は自然に対して立ち向かい征服しようとする。日本人は自然には敵わないと考えて崇拝する。自然を崇めること、つまり自然に対して忠誠を誓うことによって許されることを目指した。どちらが正しい対応なのかは分からない。

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