俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

大麻

2009-06-23 16:36:15 | Weblog
 昨年、慶應義塾大学や早稲田大学などの学生が相次いで「大麻取締法」の容疑で逮捕された。マスコミはこれを大学生のレベルの低下として扱ったがそんな問題だろうか。
 まず「大麻」という単語が悪い。麻薬の「麻」から連想して大麻とは麻薬よりも悪いものだと想像する人もいるようだが、大麻と麻薬は全く関係が無い。大麻は麻(リネン)の原料で、麻薬はケシの実から抽出した薬物だ。因みに「麻生」という姓は多分「大麻」とゆかりのある姓だろうが「麻薬」とは全く関係は無い。
 「大麻取締法」という法律も奇妙な法律だ。日本で大昔から栽培されている大麻には薬効成分(つまり「毒物性」)は殆ど無い。薬効性(毒物性)があるのはインド大麻など一部の大麻だけだ。こんな法律ではヒナゲシを栽培しただけで「ケシを栽培した」として逮捕されるようなものだ。
 大麻そのものもマスコミが騒ぐほど危険な薬物ではないようだ。アルコールや煙草やカフェインよりも依存性も禁断性少ない単なる嗜好品らしい。
 こんな変な法律で人の一生を台無しにして良いのだろうか。大麻を栽培したぐらいで社会的に葬られるのは、イスラム教の国で酒を飲んでムチ打ちの刑に処せられるのと同じくらい不合理な話だ。
 悪法であろうと法である限りそれが「犯罪者」を作ってしまう。こんな法律に基づいて逮捕するよりは歩道を暴走する自転車を取り締まったほうが何百倍も社会にとって有益だろう。

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