俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

ビールの価格

2010-09-03 14:51:33 | Weblog
 日本のビールは高い。多分世界で一番高いだろう。原因は2つある。①酒税が高い②原料の大麦・小麦が高い。
 酒税が高いのはビールが贅沢品と見なされているからだ。「ビールは料亭で飲まれているから」という訳の分からない理屈だが、こんな変な理屈が通るなら米もお茶も水も贅沢品になってしまう。
 麦価の高さについては最近2度触れたが、原料が高ければ製品も高くならざるを得ない。韓国から発泡酒が輸入されているのは麦の価格差のせいだ。もし麦の価格が日韓で同額なら韓国は輸入相手ではなく輸出相手になるだろう。
 円高を背景に日本のビールメーカーによる海外のビールメーカーの買収が進んでいるが、メーカーは本当は買収などしたくない筈だ。日本の良水で作った高品質のビールを輸出したいのに、原材料が高いために国内生産を諦めざるを得ないというのが実情だろう。こうして日本の産業は空洞化する。
 菅首相は雇用を創出せよと言う。もし輸入麦の価格を下げれば大きな雇用が生まれる。インスタントラーメンやビールだけではなくパスタ類など様々な加工食品の輸出工場が各地に生まれて雇用を創出することになるだろう。
 農林水産省の省益が国民の雇用機会を奪っている。

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