俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

善玉菌

2010-09-03 14:35:30 | Weblog
 細菌という言葉は黴菌と同義語として使われ勝ちだ。パスツール以来「病気や腐敗は細菌が起こす」と考えられて来た。このドグマを修正して「健康や発酵は細菌がもたらす」とも考えるべきだろう。
 人間の体には100兆個もの細菌が生息している。その内悪玉菌はごく一部であって大半は善玉菌だ。善玉菌と人間は共生関係にある。もし人間と細菌が対立関係になったら人類は瞬時に死滅するだろう。
 例えばある種の大腸菌は蒟蒻を消化する。この大腸菌を持たない人は蒟蒻を消化できない。
 虫歯はミュータンス菌などが起こすそうだが、善玉菌が口に住んでいればミュータンス菌は繁殖できない。
 皮膚には皮膚常在菌が住んでいる。これを殺してしまうと化膿菌などの悪玉菌が増殖する。
 変な喩えだが、かつてイラクにはフセイン政権という菌がいてその勢力はイラク全土を覆っていた。ところがその菌はアメリカ軍という菌によって滅ぼされた。するとゲリラという菌が現れて内戦状態に陥った。撤去するアメリカ軍はイラク政府に悪玉菌の退治を任せた。
 あるいは国内なら、民主党と自民党という2大政党が魅力を失うと訳の分からない新党が繁殖するようなものだ。
 つまり善玉菌が支配すれば悪玉菌は繁殖できない。善玉菌が弱体化すれば悪玉菌が繁殖する余地ができるということだ。
 日本で流行りの抗菌グッズは善玉菌を殺す危険な商品だ。手を頻繁に消毒すれば肌荒れを起こすことからも明らかなように、善玉菌の除去は悪玉菌の繁殖を促す。

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