俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

細菌

2009-10-27 16:15:28 | Weblog
 細菌は「悪党」ばかりではない。例えば大腸菌は消化活動を助けている。菌にとっては寄生体(人間)が健康で充分な栄養を補給してくれるほうが好ましい生存環境だ。増してや寄生体を殺してしまうような毒素を出すことなど自殺行為でしかない。
 Oー157のせいで大腸菌総てが悪いように誤解され勝ちだが、忌避されるべき物は「病原性大腸菌」であり、それは不自然に変異した淘汰されるべき菌だ。
 世の中には確かに「悪人」もいる。しかし悪人がいるからという理由で人類の絶滅を考えるならそれは狂人の妄想であろう。細菌退治もそれと同じようなものだ。
 多くの菌は動物や植物と共生している。乳酸菌やビフィズス菌のように「善玉」としか捉えられていない菌もある。大体、菌が存在しなければアルコールや醤油や味噌やチーズなどの発酵食品は作れない。
 消毒や抗生物質の乱用は悪い菌と同時に良い菌まで殲滅してしまう。非常時ならともかく、日常的に消毒や抗生物質を使うことは菌と人間との共生関係を破壊して人間を病弱化させかねない愚行だ。

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