大津絵とは、滋賀県大津市で江戸時代初期から名産とし
てきた民俗絵画で、さまざまな画題を扱っており、東海
道を旅する旅人たちの間の土産物・護符として知られて
いた。神仏や人物、動物がユーモラスなタッチで描かれ、
道歌が添えられている。多くの絵画・道歌には、人間関
係や社会に関する教訓が風刺を込めて表されている。
大津絵は、江戸初期に現在の大津市追分町付近で誕生
したとされる。当初は、信仰の一環としての仏教絵画が
中心だったが、のちに世俗的な題材を取り上げるように
なり、風刺画へと転じていった。当時、東海道を行き交う
人たちの土産物として人気を博したが、明治時代に入っ
て鉄道が開通し、旧東海道を歩くという形態の旅が一般
的でなくなっていくとともに廃れた。
滋賀県無形民俗文化財の『大津祭』は、琵琶湖の西南に位置する大津市で、湖国三大祭のひとつ。京都祇園祭の風情を色濃く継承した祭礼。現在13基ある曳山はいずれも江戸時代に制作されたもので、各曳山にはからくり人形が乗っているのが特徴。