私が高校生だった頃の話です。
電車通学が面倒で、学校の近所に住む高齢の伯母の家に下宿
していた時期がある。
伯母の家には他に医大生が数人下宿していて、
家事を手伝うことを条件に許可を得たという経緯があった。
そういう訳で高校生としては結構マメに家事労働をした。
朝起きたら家内の掃除をしてから登校し、帰宅したら夕食の手伝い。
こういうことを自宅ですると嫌々モード全開になるのだが
他家ではさほど気にならなくなる。
・・・って、正直に言おう。
やはり医大生を目の片隅に意識していた・・・と思う
加えて伯母が森繁久弥の女性版といった風情なので
手伝っていて「ふふふ・・」とか「アハハ」と和やかな独特の
雰囲気が面白くもあった
ある日、夕食の手伝いをしていて「キャベツを千切りにして頂戴!」
と頼まれた。普段、自宅では百切りキャベツくらいの太さで通用
していたのでかなり慎重に細く細く包丁を入れた。
その成果は「これで、どうだ!!」という程の自信作であった。
しかし・・・
・
・
伯母は無情にも「千切りって言ったのに?」と怪訝な顔をする。
”聞き違い”をしたと思ったらしい。
聞き違いで太く切ってしまったのと、千切りのつもりで太く切った
のでは大違いである。
私はこのとき内心かなり焦った
いい加減をホコホコと見過ごしてきた我が母を呪った
自分の信じてきた世界の狭さにうろたえた
と、瞬時にそんなことが頭の中を駆け巡った。
未だに”千切りキャベツ”は私の辿り着けない領域だ。
出来る人にはどうってことないかも知れないが、至難の業だ。
上手い人が切るとフワっと盛り上がるんですよねぇ
家人は「刺さる」と嫌味を言う・・・
追記:下宿は3ヶ月ほどで止めました。
続けていれば千切りキャベツ上手くなっていたと思うのだが。
電車通学が面倒で、学校の近所に住む高齢の伯母の家に下宿
していた時期がある。
伯母の家には他に医大生が数人下宿していて、
家事を手伝うことを条件に許可を得たという経緯があった。
そういう訳で高校生としては結構マメに家事労働をした。
朝起きたら家内の掃除をしてから登校し、帰宅したら夕食の手伝い。
こういうことを自宅ですると嫌々モード全開になるのだが
他家ではさほど気にならなくなる。
・・・って、正直に言おう。
やはり医大生を目の片隅に意識していた・・・と思う

加えて伯母が森繁久弥の女性版といった風情なので
手伝っていて「ふふふ・・」とか「アハハ」と和やかな独特の
雰囲気が面白くもあった

ある日、夕食の手伝いをしていて「キャベツを千切りにして頂戴!」
と頼まれた。普段、自宅では百切りキャベツくらいの太さで通用
していたのでかなり慎重に細く細く包丁を入れた。
その成果は「これで、どうだ!!」という程の自信作であった。
しかし・・・
・
・
伯母は無情にも「千切りって言ったのに?」と怪訝な顔をする。
”聞き違い”をしたと思ったらしい。
聞き違いで太く切ってしまったのと、千切りのつもりで太く切った
のでは大違いである。
私はこのとき内心かなり焦った

いい加減をホコホコと見過ごしてきた我が母を呪った

自分の信じてきた世界の狭さにうろたえた

と、瞬時にそんなことが頭の中を駆け巡った。
未だに”千切りキャベツ”は私の辿り着けない領域だ。
出来る人にはどうってことないかも知れないが、至難の業だ。
上手い人が切るとフワっと盛り上がるんですよねぇ

家人は「刺さる」と嫌味を言う・・・

追記:下宿は3ヶ月ほどで止めました。
続けていれば千切りキャベツ上手くなっていたと思うのだが。