日々、思うことをサラサラと。

日頃、イイな、とかおかしいゾ、とかキレイだなと思うことをサラサラと書き出してみたい。

イスラエルのこの女優

2009年10月15日 | 映画
画面、左のこちらの女優ヒアヌ・アッバス(イスラエル)に連日魅了されました。


作品名は「シリアの花嫁」。(DVDレンタル)
1960年後半、イスラエルに占領された地域に住む住人は、
シリア側と分断され無国籍となる。
こういう国情を踏まえた骨太の作品です。作品のド真ん中に終始国堺が介在する。
シリアのこの一族は占領・国境・分断という家族の力で抗しきれない圧力により
翻弄されてきた。冷静で知的で家族を想う絆が深い民族だ。
国境の外に嫁に行くためには相当煩雑な手続きが必要となる。これでもか
というような融通の利かない監視員の対応。花嫁と一族は国境の柵のこちら側
で長時間待たされることになり、挙句に思いを遂げられなくなってしまう。
最後に花嫁はある決断をする・・・。劇的な展開を用意した訳ではないけれど
無音で見送るその静かな画面に爽やかな勇気を見た

この一族を気持ちの上で支えた女性(花嫁に姉)がヒアヌ・アッバスだ。
一見、かなりの美女だ。近くで見ると年齢を重ねていることが分かる(49才)
毅然とした表情、動揺しない口元、強い眼差しが時に憂いを持つ。
皺がアクセサリーと成り得る女優はそうそういない

で、翌日「扉をたたく人」を観た。
やはりシリアの国籍問題が偶然にも前作と一致する。
やがて、なんとヒアヌ・アッバスがまたまた登場。
役柄の性格描写はほとんど同じ・・・しっかりした思考を持つ毅然とした
女性。ただ、こちらは大人の色香がほんのり漂う。素敵な女性だ。
連日、気持ちよくこの人に魅了されてしまった
「扉をたたく人」の邦題は珍しくセンスが良いし、
作品もよく仕上がっていると思う。
自由に歓びをもってジャンベを叩くタレクを再度観たかったのだが・・。




画像が拡大できませーん(見づらい、というか見えない?
コメント

たんぽぽのような妻

2009年10月14日 | 映画
「ヴィヨンの妻~桜桃とたんぽぽ~」
松たか子&浅野忠信、共に好きな俳優の共演となれば観たくなる。
監督は初めから松たか子を想定して作った作品なのだという。
その起用は大きく実ったと思う。



一日中酒浸り、女好きの夫、とくればまず妻は相当疲れ果てている・・筈。
太宰はそんな男だった、しかし数々の名文を残した・・・という先入観を
取り払ってスクリーンを観れば、許し難きダメ男だ。
だが、その口元から漏れてくる言葉一つひとつが耳に宿る。
セリフを聞き漏らすまいと耳をダンボにする。
ボソボソと短かく発する言葉から、太宰の小説の一節一節が記憶の底から
蘇ってくる。この男の非健康的な日常に気持ちの上で同化しそうに
なる・・・危ないアブナイ。
愛を得れば、今度は失うことが怖い。疑心の闇の中でもがく。
恐らく、岡田のようにひたむきで真っ直ぐな人物は心底怖いだろう。
そこに妻と同じものを見るから。
妻に恋をする青年岡田に”妻にはだれるような素直さがあるんだよね”と
夫が言う。
ここに松たか子がピタリと嵌る。
松たか子は子どもを背負っても、古びた部屋の中にいても
どこか現実のちょっと上から眺めている風情で、そこが物憂げな文学者の夫
に愛された所以であろうという役どころはこの人以外にない。


こういう夫を松たか子はしたたかに支えた。
したたかで在りながらそれが前面に出ない賢さを備えている。
生娘のような風情も少し残し、これだけ不幸を背負っているような
現状でも”気の毒”というような感情が沸いてこないのは(いい意味で)
この人の持っている特異なキャラなんだろうナ。
この人は、僻みとか媚びるという情感を感じさせない女優さんで、
芯をしっかり守っているという気概を持ち合わせているように見える。
だからこそのこの”ヴィヨンの妻”なのだろう。
「人には言えないコトをしました」と、弁護士に代償を払った後の
気だるい着物姿がしっとり体に纏いつき美しい。


ラストに浅野さんが懐からサクランボを出す。
その赤い実がこれまでのそして今後の二人を暗示しているようで
象徴的な残像となって残る。
そのサクランボの種を松たか子はプっと口から放りだす。
したたかに生きていきますよ、と伝えるように。


物憂げな斜め横顔をちょっと下に向けて頬杖をついたあのアングルは、
浅野さんのスッキリした顎のラインで非常に美しく撮れていた。

室井滋の居酒屋の女将は適役、上手い






コメント

映画 記録2009/7~9

2009年10月12日 | 映画
走り書きですが・・・

「eiko」
麻生久美子主演。お人好しで騙されやすいeiko。貸し金業者に追い立てられ
いんちき占いに夢を見、贋化粧品売りの男に騙されて多額を投じる。
ぐらぐらと揺れ動く何かに縋りたいと思う心情を淡々と麻生さんは
演じる。心根は悪くはないけれど、どこか向く方向がズレている女性・・・・
こんな役柄がピッタリの麻生さん、ミニシアター出ずっぱりですね。
沢田研二が少しボケたような(実は・・)老人役を好演。

「溺れる女」
ジュリエット・ビノシュ。邦題が最悪です・・ビノシュ見たさだけのレンタル。
余談ですが、ステファン・ランビエール(フィギュアスケート)と
ジュリエット・ビノシュは似てますよね。

「サロメ」
情感たっぷりのスペイン舞踊満喫。

「レント」再見 
ダンス・歌唱ともに最高域。舞台オリジナルキャストでの出演なので
見応え充分です。

「アメリカン・クライム」2/1
転々と移動するサーカスで働く夫婦は二人の娘をある女に預けることにする。
この女は生活費を稼ぐため子どもを預かるのだが・・・・
驚愕の事実!実話の映画化

「ミシェル」2/1
オードレ・トトゥ。文句なくキュート!
年上の男性に恋する若い娘が背伸びして状態をかき回す感じが
可愛い。トトゥの衣装の色彩感覚も愉しめる。

「クッキー・フォーチュン」2/1
コメディ。小金持ちの老女が自殺した。そのことを不名誉に思う
伯母が偽装し、あらぬ人に容疑がかかる。容疑者となった男の
周りにはいい人がたくさんいる・・・
収容所内の檻の中で警官と弁護士と容疑者と友人たちがゲームを
する場面が印象に残る。

「ペネロペ」2/1
先祖の呪いで鼻がブタ鼻に生まれた資産家の娘。その娘が
年頃となり両親はパートナーとなるべき人を家に招きビデオ
越しに面接するのだが・・・最終的にはペネロペのポジティブな
賢い選択に拍手!思いがけずいい作品でした。

「ギャルソン」
イブ・モンタン。この人がイブ・モンタンかぁ。と観終わってから
知る。初老の域なのになんとエレガントな物腰。軽妙なのに誠実な
会話に関心が・・・訳がいいのかしら。

「私の秘密の花」
初老に入っていく女性の戸惑いと苛立ちを描く。
この分かるなぁ・・・って感じは私もその域の入り口にあるからか。。

「バッファロー”66」 ビンセント・ギャロ/監督・脚本・主演
2/1
映像的には地味ですが、とても惹かれます。身代わりで刑務所に
入った男が出所する場面から始まる・・・かなり屈折した男と
途中で人質に獲った少女もどこか似たもの同士。痩せこけた男と
豊満な少女との体型以外の対比も惹かれる要素。この男の両親が
なにやら妙で暗示的だ。この男の今を作った要因が有り有りとそこに見る。
場面展開が上手い。秀逸な作品

「ビッグ・フィッシュ」 ユアン・マクレガー
2/1
ユアン・マクレガーとこの内容はaiちゃん好みかと思われます。
私も好きだな、この手のものは
話し好きの父親のストーリーを辿り遡ってその息子が体験する展開。
虚実入り混じったファンタジー仕立て。ラストが実にいい、かなりいい。

「トラフィック」マイケル・ダグラス 2/1
麻薬組織と警察絡みの裏に裏をかく攻防。密約の大物の妻
(キャサリン・ゼダジョーンズ)が見事に裏で画策し家族を守りきった。
どうよ、女が子どもを守るときはこんなに強くなれるのよ
の見本。いやぁ、ゼダジョーンズお見事ですっ。

「エド・ウッド」ジョニー・ディップ
監督業をただならぬ情熱をもって”演って”いるが空回り。
なにしろ酷いセンスなのだ。史上最悪といわれた監督を描く。

「逢いたくて」
カトリーヌ・ドヌーブ健在というところか。

「ヒトラーの贋札」

「ホリディ」
ケイト・ウィンスレッド、ジュード・ロウ、キャメロン・ディアス、ジャック・ブラック。
一言・・もったいない。全員主役級のいい俳優が出演しているのに。
ジャック・ブラックをもっと上手く使って欲しかった。


「僕らのミライへ逆回転」
上記↑のジャック・ブラック全開です(笑)
磁気で破壊してしまったDVDを新たに創り直すため
自分たちが映画を制作することにする。彼らは次々と即興で
名作を調理していく。その制作過程が笑える。そして美味しい
ラストがあるのでした・・・・
余談・・ジャック・ブラック主演の「スクール・オブ・ロック」かなり面白いですが、
その中でスクール内に展示されている小道具としての子どもたちの絵が秀逸です。

「ヤング@ハート」
70才後半~90才代の老男女のコーラスを劇場で披露するまでの
ドキュメント。歌うことは生きること、と言っても過言ではないほど
出演されている高齢の方々は歌に特別の思いがある。
刑務所での慰問場面でコーラスを聴いているときの
刑務者の表情がだんだん解けて優しくなっていく場面が印象的。
歌は人を動かす動力となり得る様をまざまざと実感する。

「K・キシュロフスキ 白の愛」再見

K・キシュロフスキ監督作品(他作品含めて)は私にとって特別の位置にあります。いつか時間をたっぷり割いて書きたいと思ってます。

「スノーエンジェル」
行方不明となった少女は湖で死んでいた。誰が・・・壊れた家庭
、壊した若い父、再生と破滅の道、それぞれを描く。

「マルタの優しい刺繍」
お固い観念健在の田舎町に住む老女4人組。それぞれの個性で
活気ある生活を送っているのだが・・・マルタは若い頃の技術を
生かし刺繍を施した下着を売るショップを開くことを提案する。
だが、閉鎖的な村人にとっては下着店なんて道徳上とんでもないことだった。

「その男は静かな隣人」
精神を病んでいると思われる男が息苦しさに耐えて会社で働く。
妄想をリアルな画面で切り取り、観ているうちに病んでいるのは
周りの者たちではないか?と気付く。そんな中で我々は暮らして
いるってことか?

「ホルテンさんのはじめての冒険」

余白で思考し、そして愉しめる作品。秀逸です。
過剰な表現なし、セリフも抑えめ、それでも豊かなものを残して
くれます。鉄道機関士のホルテンさんはきょうで退職。一日として
遅刻・欠勤なしの真面目な仕事ぶりを通した。なのに最後のきょうに
限って遅刻してしまう・・・・。
「キッチン・ストーリー」の作者です。

「バレエ・シューズ」


「レッドクリフ2」
2/1
(ブログ記事有り)

「キャラメル」
2/1
さまざまな宗教が共存するレバノン国情を背景に、ベイルートの
エステサロンに集う女性たちの日常を描く。
主演女優(綺麗)が監督・脚本と才色兼備な人です(別記事あり)

「リトル・イタリーの恋」

人の運命というものを俯瞰できるような作品だ。
当時、オーストラリアでは写真だけで結婚相手を決めていたらしい。
見た目冴えない兄が一瞬魔が刺し、見栄えの良い弟の写真を送って
しまう。相手はその写真の人物と結婚するつもりでやってくるのだが
・・・。その後の展開はムリがない。誠実に丁寧にそれぞれの人物
の気持ちを追う。神父の説諭にすんなり納得できる。兄弟それぞれ
落ち着くべきところに間違いなく着地
弟の恋人の観察眼はたいしたものだ
監督・脚本は「シャイン」「君に読む物語」のジャン・サルディ

「ベティの小さな秘密」
ベティは賢くて気配りが利く。繊細で冒険好き、小さいながら品も
備えている。こういう子が私は好きだ
父が経営する精神病院から青年が逃げてきた、少女は彼の世話をする
うちに好意を持つようになる。この少女の賢さに惹かれる。
アルバ・ガイア・クラゲード・ベルン(長い名前だぁ)

「パリ、恋人たちの2日間」
このパリ女、過剰だ。両親は更に個性的だ。
アメリカ人の恋人との文化の隔たりを誇張し、洒落たファッションで
魅せる。

「ナルニア国物語」
お兄ちゃん王と妹姫のファンこの二人に会うために観てます。

「天使のくれた時間」
ニコラス・ケイジは好きな面相の俳優ではないけれど
必ず観ているうちにどんどんこの人に惹かれてしまう。
ほとんどの作品がそうなってしまう。
二人の男女・・それそれの仕事の事情で離れてしまうのだが。
分かれた場合、結婚した場合、の二つの場面をクラッシュして描く。

「メリンダとメリンダ」
ウッディ・アレン作品。悲劇作家の描くメリンダと喜劇作家の描く
メリンダ。ポジティブ思考とネガティブ思考の違いを同時進行で描く。
余談・・「ポジティブで行こう」と決意の必要な人と、元々がそう出来ている
人がいる。その違いは大きい。決意をもってそう在る人が好きだ。






コメント

一蝶さん

2009年10月11日 | 美術展・本
一蝶リターンズ英一蝶展
~10月12日

酒井抱一・芦雪などにも通じるような伸びやかな面白さ
市井の人々をちょっと斜めから捕らえて、からかいぎみに描く
こなれたセンス。絵画展を観てちょっと笑えるってあまりない。
この不良っぽいおじさんが現代に生きていたら会ってみたいナ、
と思う。

HPをご覧になった方はお分かり頂けたかと思いますが
こちらの美術館、とても感じいいです。ローカルな部分が
程よく混在していて、観る側の人が気持ちよく廻れるような
雰囲気があります。
ロビーに置いてある図録集のラインナップも面白いものばかり。

週末のお天気は上々とのこと、最寄駅から美術館までの緑豊かな
公園を散策がてら一蝶さんをお愉しみください。
(って、館員職員でもその友人でもありませんが

ほとんどの美術展記事は終了した後の自分用の記録としてしか
載せてないのですが、ここはまだ間に合います。しつこいようですが・・面白いです。



追記:以前、ブログに記載しました(拙ブログ2009/06/21)、
   「パウル・クレー東洋への夢」展が横須賀美術館に
   巡回して開催中。知らなかったクレーに会えます
コメント

ストレートネック

2009年10月10日 | 喜怒☆楽
私は、首が真っ直ぐの人だ。
ストレートネックと言うらしい(そのまんまの訳だ)

見た目は悪くないかも知れない(首の上に付いてるもの対象外)
しかし、機能的には甚だ芳しくない。

第一に困るのは映画館で長時間座るときに首が辛くなること。
最近のシネマは椅子にお金をかけていて座り心地に細かく配慮
されている。が、私にとってはこれが要らぬ結果となる。
頭半分まで埋まるような背もたれの高さに加えて、簡易枕の
ように頭を固定するような設計を施されているものを見ると
逃げたくなる。首がストレートなのでこの仕様は相当キツい。
上映始まって10分ほどでもう、ダメ。
常備している筒型クッションを首の後ろ部分に当てて凌ぐ。
そして、時間が経過し今度はハムストリングスが痛みだす。
(頚椎との関係があるのかどうか?)

次の日は首→肩にかけてパリンパリンに軋み、バファリンを
服用してもなかなか不快感はとれないのである。
(ハムは当日中にストレッチで治せますが・・)

なので、映画を観るときは気軽にルンルンというワケには
いかない私の事情がある。
上映館は椅子で決める。旧いほうがいい。
コメント