これからの時代は少子高齢化に向かうということが言われてきて久しいが、今まではどちらかというと実感がわかなかったような気がする。しかし、団塊の世代という巨大集団が2010年頃に定年を迎えるという事態が目の前に現れ、「少子高齢化社会」が突然出現しようとしている。それが、あまりに巨大な集団であるため、財務省所管の財務総合政策研究所が平成15年11月に「団塊世代の退職と日本経済に関する研究会」作り、そのまとめが今年の6月に報告書として発表されている。
この研究会の結論は、次のようにまとめられている。まず、プラスの面としては、次の3点。
団塊の世代の退職問題は、「少子高齢化の問題を遠い将来の問題ではなく、間近に迫った問題として捉え直す上でも意義深い」ものである。しかし、これまでこの巨大集団が社会を支える側にいたのが、支えられる側に移るということは、意義深いということですませるような事態ではなさそうだ。「団塊の世代は、定年退職を迎えた後であっても、少子高齢化の進展で労働力が減少する社会にとっては、埋もれさせることのできない重要な人的資源」ということであり続けることができれば、救いもあるのだが。
これから、じっくりと、自分も含めて、「少子高齢化」の意味を考えてみなければならないと思うが、ここで一つだけ気になったことがある。それは、マイナス面の4の「大都市圏に偏在する団塊世代の加齢による大都市の急速な高齢化」ということだ。これこそが、団塊の世代の特殊性なのかもしれない。私もその典型であり、生まれは岐阜県中津川市、島崎藤村で有名な木曽路の入り口である。それが、いま、埼玉県の西部に家を建て、東京まで通っている。
団塊の世代は、高度経済成長の主たる担い手であり、集団就職があったり、都市への企業の集中があったりし、20代後半には地方から東京を中心とした都市圏へ移動している。また、私も含めて、団塊世代の家族は、兄妹姉妹が多い。長男でも地方には就職先がなく、いわんや長男でなければ、地方へなど帰るあてもなかった。その結果、団塊の世代は首都圏に偏在してしまった。我が埼玉県などは、2020年に70歳以上の人口が2.5倍に増えるといわれている。ただ、首都圏では、団塊ジュニアが多いので、実働世代があまり減らないので、団塊ジュニアが60歳以上になる2035年以降のほうが大問題だともいわれている。こうした、世代間での人口構成のいびつな構造は、今後の「少子高齢化社会」にどうのような影響を与えるのか、注目していきたい。
……2010年頃までに、いわゆる「団塊世代」(1947~1949年生まれ)が60歳を越え、その多くが定年(法定下限60歳)による退職を迎えることにより、労働市場における労働供給減少(そしてそれによる技術・技能継承問題の発生、企業経営への影響、オフィス需要の減少等)をはじめ、貯蓄・消費の変化、金融資本市場への影響、ひいては日本のマクロ経済への影響や財政、税収等への影響を与えることが考えられる。そのため、これらのインパクトについて包括的に影響の試算、検証を行い、それに対する対応策やわが国の経済社会の在り方について議論を行う。(研究発足の趣旨)
この研究会の結論は、次のようにまとめられている。まず、プラスの面としては、次の3点。
1 団塊世代に続く世代の昇進遅滞が解消される可能性さらに、マイナスの面として次の6点が指摘されている。
2 企業における賃金負担の軽減
3 時間消費型消費などの拡大の可能性
1 業種や職種によっては、大きな労働力不足や技能継承不全が起こる可能性
2 企業にとっての多額の退職一時金やその後の企業年金の負担
3 オフィスワーカーの減少による賃貸オフィス市場の更なる需給緩和
4 大都市圏に偏在する団塊世代の加齢による大都市の急速な高齢化
5 高齢化による家計貯蓄率の低下
6 労働供給の減少などによる経済成長率の低下、高齢化による財政・社会保障収支の悪化
団塊の世代の退職問題は、「少子高齢化の問題を遠い将来の問題ではなく、間近に迫った問題として捉え直す上でも意義深い」ものである。しかし、これまでこの巨大集団が社会を支える側にいたのが、支えられる側に移るということは、意義深いということですませるような事態ではなさそうだ。「団塊の世代は、定年退職を迎えた後であっても、少子高齢化の進展で労働力が減少する社会にとっては、埋もれさせることのできない重要な人的資源」ということであり続けることができれば、救いもあるのだが。
これから、じっくりと、自分も含めて、「少子高齢化」の意味を考えてみなければならないと思うが、ここで一つだけ気になったことがある。それは、マイナス面の4の「大都市圏に偏在する団塊世代の加齢による大都市の急速な高齢化」ということだ。これこそが、団塊の世代の特殊性なのかもしれない。私もその典型であり、生まれは岐阜県中津川市、島崎藤村で有名な木曽路の入り口である。それが、いま、埼玉県の西部に家を建て、東京まで通っている。
……戦後の結婚ラッシュ等にようるベビーブームで誕生した、いわゆる団塊世代(1947~1949年生れ)の出生数は約806万人にのぼり、2000年時点でも689万人と総人口の5%強を占めている。団塊世代は、1970年代前半に世帯形成が進み、第2次ベビーブームをもたらした。
居住地分布から移動の動向をみると、団塊世代の三大都市圏の居住割合は、出生時には1/3に対し、世帯形成時にはおよそ1/2となっていた。
現状では、団塊世代は高齢化比率を引き下げているが、65歳を超える2015年以降は逆に高齢化比率を引き上げる効果を持つ。(加藤論文)
団塊の世代は、高度経済成長の主たる担い手であり、集団就職があったり、都市への企業の集中があったりし、20代後半には地方から東京を中心とした都市圏へ移動している。また、私も含めて、団塊世代の家族は、兄妹姉妹が多い。長男でも地方には就職先がなく、いわんや長男でなければ、地方へなど帰るあてもなかった。その結果、団塊の世代は首都圏に偏在してしまった。我が埼玉県などは、2020年に70歳以上の人口が2.5倍に増えるといわれている。ただ、首都圏では、団塊ジュニアが多いので、実働世代があまり減らないので、団塊ジュニアが60歳以上になる2035年以降のほうが大問題だともいわれている。こうした、世代間での人口構成のいびつな構造は、今後の「少子高齢化社会」にどうのような影響を与えるのか、注目していきたい。
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